時を超えるミジンコ:
湖沼堆積物で遡る、湖沼生態系の生態・進化動態
生態系の成り立ちや変動を理解することは、生態学における主要課題の一つです。この解明において、生態系を構成する群集、個体群の生態・進化的動態を長期的に観察することが有効手段となりますが、容易ではありません。古陸水学は、湖沼堆積物やその中に残る生物の身体の一部の分析により、数百年以上の時間スケールにおける生態系や環境の変動を明らかにできる学問分野で、長期観察知見不足の課題の克服に極めて有効です。休眠卵を残す生物では、休眠卵そのものやその孵化個体を用いた分析から、遺伝的動態や進化過程まで推定することが可能になります。今回は特にミジンコ類に焦点を当て、群集形成過程とその影響要因、及び、個体群の定着成功機構についての研究を中心に紹介し、進化生態研究における湖沼堆積物やミジンコ類の有効性やこれらの面白さをお伝えできればと思います。
3月8日(月)15:00-17:30(オンライン開催)
15:00-15:10:趣旨説明
15:10-16:10:大竹さんからのトーク
16:10-16:30:質疑応答、次回の案内
16:30-17:30:オンライン交流会
参加・交流は、Zoom、SpatialChat、DISCORDを組み合わせておこないます。
発表者プロフィール
大竹 裕里恵(おおたけ ゆりえ)さん
東京大学 総合文化研究科 博士課程3年
日本学術振興会特別研究員DC1
陸水生態学者