Winter Challenge Tournament 2025「柔道記者」育成プロジェクト
1 田窪 剛共(筑波大学1年)
2 田中 心(順天堂大学3年)
3 磯野 隆太郎(筑波大学1年)
3 小園 輝希(東洋大学2年)
5 下平 清哉(山梨学院大学2年)
5 佐藤 星衣(明治大学1年)
7 森田 晴斗(日本大学3年)
7 宮部 真臣(國學院大学3年)
大学進学後は右足首骨折により、辛い時間を過ごしてきた田窪剛共が、念願の優勝を飾り、大学柔道での第一歩を踏み出した。
得意の寝技を中心に勝ち進んだ田窪は、準決勝では全日本ジュニア3位の下平清哉(山梨学院大2年)に開始1分、裏投で快勝。
決勝は高校時代から何度も組み合った田中心との対戦。手の内を知り尽くした相手に苦戦しGSにもつれ込んだが、最後は相手の一瞬の隙を狙った送襟絞で一本勝ち。「やっと大会に出られたことがすごく嬉しい」と、安堵の表情を見せた。
「日本で勝ち切り、世界でも戦える選手になりたい」と語る、可能性を秘めた新星・田窪が、輝かしい未来へと大きく前進した。
1 秋田 伯(天理大学3年)
2 大崎 天照(愛知大学2年)
3 佐藤 尚貴(日本大学3年)
3 厨子 由陸(順天堂大学3年)
5 久松 万照(山梨学院大学3年)
5 西山 倖生(専修大学2年)
7 田邊 史郎(大阪産業大学1年)
7 大川 哲史(龍谷大学3年)
大混戦が予想された66kg級は、三度目の出場となる秋田伯が制した。決勝は左組みの秋田と右組みの大崎天照によるケンカ四つの顔合わせ。開始33秒、秋田が一本背負投に見せかけ、右小内刈に入ったところを大崎がうまくコントロールし、「一本」級の「技あり」を先制。追う立場となった秋田もすぐさま反撃に入る。1分5秒、両手片襟の右背負投で相手を崩し、そこから光の速さで裏投に移行し、「技あり」を奪い返した。
両者「技あり」一つずつでGSへ。攻勢に出る秋田は左小外刈で相手を追う。3歩目で大崎が崩れて「有効」となり勝負あり。
「地元開催である天理の仲間の応援が力になった」と秋田。三度目の正直で、WCT王者に輝いた。
1 花岡 晴琉(筑波大学3年)
2 越知 世成(桐蔭横浜大学3年)
3 末次 晴倫(明治大学2年)
3 中川 倖士朗(国士舘大学3年)
5 西山 一心(法政大学2年)
5 清水 福虎(筑波大学2年)
7 古澤 翔太(同志社大学1年)
7 新村 隼也(順天堂大学3年)
73kg級は、群雄割拠の階級。数々の激闘を制して、優勝候補筆頭の花岡晴琉、本大会2階級制覇を狙う越知世成に加えて清水福虎(筑波大2年)、末次晴倫(明治大2年)が四強へと上がった。
準決勝では、花岡と清水の同門対決が実現。花岡が攻め続け、「指導」二つを与えた上で、内股と大外刈の合技「一本」で先輩の清水を圧倒した。もう一方の準決勝では、越知が開始わずか1分3秒、崩袈裟固で勝利し、決勝に駒を進めた。
迎えた決勝戦は、花岡が右、越知が左のケンカ四つ。試合は開始22秒で早速動く。越知が仕掛けた小外刈に対して、花岡が内股で反応し、「技あり」を奪う。
追う展開となった越知は、恐れることなく接近戦や得意の寝技を仕掛け続け反撃を試みる。対して花岡は「一本を取りにいきたかった」と、リードしても守りに入ることなく、正々堂々、迎え撃つ姿勢を見せる。
両者激しく技を打ち合う展開となるも、お互いにポイントを奪うことはできず、最期まで状況が変わることはないまま試合終了のブザー。この日、冴えていた技で「技有」を奪った花岡が、2021年の高校選手権以来となる自身二度目の日本一に輝いた。
試合を振り返り「大学では良い結果を残せず辛い思いをしてきた。初めて成果を出せて、素直に嬉しい」と笑顔を見せた花岡。警戒される中でも得意の内股にこだわり、磨きあげ、対策されてもかかる技は、もはや芸術品と言える。
「やってきたことを継続していく」と今大会のベストプレイヤーは、来年度も「魅せる柔道」を貫き、全日本学生のタイトル、講道館杯の上位進出を狙う。
1 鎌倉 啓太郎(専修大学2年)
2 林 建成(國學院大学2年)
3 松本 開登(順天堂大学2年)
3 松下 颯太(筑波大学2年)
5 松阪 章孝(日本大学3年)
5 景山 虹希(天理大学3年)
7 清水 天龍(筑波大学1年)
7 丹野 康世(筑波大学3年)
昨年大会で73kg級チャンピオンに輝いた男が、今年は81㎏級に〝チャレンジ〟。関本賢太(明治大)に続き、WCT第2号となる2階級制覇を飾った。
昨年王者の証である赤ゼッケンを背負った鎌倉啓太郎は、2回戦からの出場となった。順調に白星を重ね、迎えた4回戦は坪根武志(国士舘大1年)と対戦。
坪根とは昨年度の全日本ジュニア準々決勝戦で対戦し、敗北を喫している。「気持ちが切れたらそこで終わり」と、今度こそはと強い気持ちで臨み、本戦含め18分を超える長期戦を鎌倉が制した。
2連覇が懸かった決勝戦の相手は、林建成。今年度全日本ジュニア準優勝の実力者で、優勝を目前に大きな壁が立ちはだかる。林が81kg級の意地を見せるのか、鎌倉の2連覇となるのか、その行方に注目が集まった。
鎌倉は開始早々から、林の背中を掴んで何度も得意の隅返を仕掛けるも決めきれない。一方、今大会すべて寝技で勝ち上がってきた林は、抑え込みのチャンスもあったが、鎌倉も粘ってポイントは許さず。試合は一進一退のままGSへ。
どちらに転んでもおかしくない展開のなか、最後は昨年王者が一歩上回った。GS2分23秒、低い姿勢から、深くスピード感のある谷落で「有効」を奪取。この瞬間、鎌倉の2連覇が決定した。
日頃から海外選手を研究し、地道に努力を続けてきた鎌倉は「去年以上に収穫があった」とコメント。陰の努力が実を結び、体重差を感じさせない堂々とした戦い様で、81kg級の選手を連破した。今年の目標は、東京都学生、全日本学生、講道館杯で優勝すること。一つ一つ着実に勝利を重ね、大舞台でも飛躍を遂げる。
1 及川 航生(中央大学2年)
2 田中 竜之介(東洋大学2年)
3 山村 洸斗(天理大学2年)
3 渡邉 爽偉(国士舘大学3年)
5 森山 耀介(筑波大学2年)
5 三崎 大和(日本大学2年)
7 片山 凪(明治大学3年)
7 岩本 賢武(明治大学3年)
「まさかの優勝」
本人がこう語るように、90kg級はダークホースの及川航生が頂点に立った。
4回戦の払腰「一本」で調子の良さを感じて勢いに乗り決勝戦へ進出した。相手は、準決勝で優勝候補筆頭選手を破った田中竜之介。
右の相四つの両者の戦いで先手を取ったのは及川。試合開始1分半、相手が場外「指導」を嫌った田中が場内に戻ろうとする力を利用した帯取返で「有効」を奪う。
その後は追いかける田中の猛攻を受けるが、残り43秒、及川は小外掛を大内刈で返して見事な「一本」で優勝を決めた。
学生柔道も折り返し地点。「団体と個人の全国二冠を目指す」ニューヒーローから目が離せない。
1 伊藤 大峰(桐蔭横浜大学3年)
2 小田 優雅(法政大学2年)
3 横手 和輝(国士舘大学2年)
3 桑原 悠吾(筑波大学3年)
5 唐木 康大(国士舘大学2年)
5 北川 剛己(天理大学3年)
7 若月 蒼空(中央大学2年)
7 井手 翔真(明治大学2年)
100kg級の決勝戦は伊藤大峰と小田優雅の組み合わせとなった。
両者右組みの相四つ。試合序盤、お互いに攻めの姿勢を見せるも決めきれない展開が続く。中盤以降は、伊藤が寝技に持ち込み、徐々に相手の体力を消耗させて、冷静に試合を運ぶ。しかし、本戦では決着がつかず、GSに突入する。
GSに入ってからも伊藤は、落ち着いた組み手を徹底して小田に流れを渡さない。そして、GS1分10秒。組際に仕掛けた大外刈から背負投への連絡技で伊藤が豪快な「一本」を奪って勝負を決めた。
「学生になってから初めて優勝できたので嬉しい」と語る伊藤。今後は全日本学生のタイトル、その先の日本代表を目指して、学生柔道最後の一年に挑む。
1 ルター エンフボルド(山梨学院大学3年)
2 千野根 玄貴(明治大学2年)
3 濵﨑 龍真(日本大学3年)
3 尼田 光志朗(東海大学3年)
5 川島 渓太(筑波大学3年)
5 熊谷 諒也(国士舘大学2年)
7 庄司 陸吾(日本大学3年)
7 牧野 泰晟(東海大学2年)
実力者が集った最重量級の熱き戦いを制したのは、大器・ルターエンフボルドだった。ルターは身長195.5cm、体重160kgのモンゴル出身の選手で、柔道を始めたのは来日した高校2年生の時。その強靭で巨大な体格を活かして、オール「一本」で優勝を決めた。結果だけを聞くと圧勝だったと感じるものの、決して好調だったわけではない。
「11月から試合が続いていて調子がよくなく、朝起きた時、今日は無理かもしれないと思った」というルター。しかし、準々決勝の牧野泰晟(東海大2年)戦で、普段は使わない払腰で「一本」を奪うとスイッチがオンが入ったと振り返る。
そんなルターとともに四強に勝ち上がったのは川島渓太(筑波大3年)、千野根玄貴、熊谷諒也(国士舘大2年)の優勝候補4人。千野根‐川島戦は右小外刈で「技あり」を奪った千野根が勝利。ルター‐熊谷戦は、ルターが掬投と右小内刈で「有効」を2つ奪い、最後は右大外刈でトドメを刺し、決勝に駒を進めた。
決勝は、千野根、ルターともに右組みの相四つ。開始44秒、千野根の右大外刈でルターの体が大きく崩れ、会場からはどよめきが起こる。
奥襟を持ちたいルターと持たせまいと阻止する千野根。両者の思惑が交錯するなか、1分16秒、ルターが奥襟を持ったと思った瞬間、長い右足が伸びていき、体を相手に浴びせるように右大外刈で「技有」。そのまま袈裟固で10秒抑え込み、合技「一本」。1分27秒、ルターの完全勝利で優勝が決まった。
「日本の柔道の美しさ、素晴らしさを誇りに思っている」と語ったルターが、その日本で念願の初タイトルを手にした。
昨今の柔道人口減少に伴い「柔道」に関する記事をメディア媒体で目にする機会が減少した。その原因の一つとして、「柔道記者の育成」が出来ていない現状に着目した。そこで、Winter Challenge Tournament 2023大会より、学生時代から試合内容や大会結果を文字にする経験を積み、将来 のキャリア形成に役立てて頂きたいと考え、企画実行した。本趣旨に賛同 し、本大会で記者経験を積んだ学生が、将来、柔道記者として広く多くの 方々に柔道の魅力を伝えることができるようになることを切に願う。
Winter Challenge Tournament 2025大会 開催期間中(2日間参加必須)
2025年2月15日(土)〜2025年2月16日(日)9:00〜17:00(予定)
・柔道に関する記事を書くことに興味、関心のある学生
・柔道経験は問わないが、ある程度柔道に関する知識を有する学生
・募集開始より最大 3 名とし、実行委員会で選考する
大会主管校:穴井(winchatou@gmail.com)にメールにて申し込むこと。
申し込みの際、大学名、氏名を入力すること。(書式は自由)
交通費・宿泊費は実行委員会で負担いたします。
原稿料として 1 日当たり 1 人\5,000 支払う。(2日間計¥10,000支払い)
優秀作品については、掲載可能な雑誌等への投稿を試みる。次年度大会プログラムにて、前年度試合結果と共に掲載する。
一般社団法人全日本学生柔道連盟
天理柔道会
天理市
天理市教育委員会
学校法人天理大学
羽田タートルサービス株式会社
ベステラ株式会社
大塚製薬株式会社
笑顔道鍼灸接骨院グループ
日本エースサポート株式会社
株式会社アーシャルデザイン
株式会社Spica Link
日本BS放送株式会社
ALSOK
センコー株式会社
株式会社協和電気商会
株式会社さくら開発
株式会社興徳クリーナー
建装工業株式会社
株式会社YELL
株式会社Fjcompany-japan
特定非営利活動法人JUDOs