早稲田整数論セミナー
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日時:2021 年 7 月 23 日(金)16:30∼18:00
場所:Zoom を用いたオンライン開催
講演者:木村 藍貴 氏 氏 (東北大学)
タイトル:The intersection of the duality and the derivation relations for multiple zeta values
アブストラクト:多重ゼータ値とは,順序付きの正整数の組に対して収束多重級数で定義される実数であり,有理数体上で多重ゼータ値全体が張る代数の構造解明は喫緊の課題である.多重ゼータ値の関係式族のひとつである一般複シャッフル関係式から,有理数係数の多重ゼータ値の線形関係式はすべて生成できると予想されているが,基本的な関係式族である双対関係式の生成可能性問題は長らく未解決の重要課題である(双対関係式の導出問題).今回,一般複シャッフル関係式の特殊化である導分関係式と双対関係式の共通部分の特徴づけが得られたので報告する.
日時:2021 年 7 月 2 日(金)16:30∼18:00
場所:Zoom を用いたオンライン開催
講演者:青木 謙典 氏 (京都大学理学部)
タイトル:パーフェクトイド空間と混標数局所体上の問題について
アブストラクト:Scholzeによって導入された概念であるパーフェクトイド空間によって、主に様々な状況設定におけるエタールコホモロジーの比較同型や消滅などの、正標数において解決されていた問題の一部が混標数の場合においても議論できるようになった。本講演では、パーフェクトイド空間のℓ進コホモロジー論への応用として、混標数局所体上の特定の射影的スムーズ多様体のウェイトモノドロミー予想の証明を、射影的トーリック多様体の超曲面へ拡張したものを紹介する。また、Fedorov-Paninなどによる正標数のGrothendieck-Serre予想の解決にあたって利用された手法と、パーフェクトイド空間に付随するFargues-Fontaine曲線上の主G-束を調べる方法の類似点を観察した後、tilt関手が与えるFargues-Fontaine曲線やその可換環論的類似物の各点のエタールサイトの同値が大域的に可換になるというような結果も紹介する。
日時:2021 年 6 月 18 日(金)16:30∼18:00
場所:Zoom を用いたオンライン開催
講演者:高野 啓児 氏 (香川大学)}
タイトル:相対尖点表現に関する2つのトピックス
アブストラクト:p-進体上の対称空間に付随した表現全体の building blocks と考えられる「相対尖点表現」に関連して、2つの研究成果を紹介する。
第1のトピックは、ある種の安定放物部分群からの誘導表現として具体的な相対尖点表現を構成する方法についてで、一般線型群のいくつかの対称空間での構成例を紹介する。第2のトピックはある意味対照的な方向で、「分裂放物部分群からの誘導には相対尖点表現は含まれない」、という予想を一般の対称空間で generic に証明したものである。なおこれらはともに京都大・加藤信一氏との共同研究で得られた成果である。
日時:2021 年 6 月 4 日(金)16:30∼18:00
場所:Zoom を用いたオンライン開催
講演者:森本 和輝 氏 (神戸大学)
タイトル:(SO(5), SO(2))のBessel周期の市野-池田型の公式と一般化されたBoecherer予想
アブストラクト:Gross-Prasadにより(SO(2n+1), SO(2m))のBessel周期と適当なテンソル積L関数の中心値の非消滅性の関係が予想された。その後、市野-池田、Liuにより緩増加な既約カスピダル保型表現について、周期と中心値とを結ぶ明示公式(市野-池田型の公式)へと予想は精密化された。本講演では、任意の緩増加な既約カスピダル保型表現に対し、(SO(5), SO(2))のBessel周期について市野-池田型の公式を証明する。またその系として、Boecherer予想の一般化である、次数2の正則ジーゲルモジュラー形式のFourier係数の適当な重み付き和とL関数の中心値とを結ぶ明示公式を証明する。本講演の内容は古澤昌秋氏(大阪市立大)との共同研究の結果に基づく。
日時:2021 年 5 月 21 日(金)16:30∼18:00
場所:Zoom を用いたオンライン開催
講演者:跡部 発 氏 (北海道大学)
タイトル:局所 A-パケットの構成について
アブストラクト:Arthurによる内視的分類において、古典群に対する A-パケットの概念が導入された。局所 A-パケットは、二乗可積分保型表現の局所成分を分類する集合である。これらは内視的指標等式で特徴付けられるものであり、局所 A-パケットの内部構造を理解することは難しい。本講演では、Moeglinによる局所 A-パケットの明示的構成の修正版について紹介する。特に、表現の非消滅性、及び、それをどのように特定するかを説明する。また、Arthur型の表現に対するAubert双対の公式も紹介する。
日時:2021 年 5 月 7 日(金)16:30∼18:00
場所:Zoom を用いたオンライン開催
講演者:原隆氏 (津田塾大学)
タイトル:CM 体上の p 進アルティン L 関数について
アブストラクト:CM 体上のアルティン L 関数の臨界値を補間する (多変数) p 進 L 関数の構成の概略について解説する。総実代数体上の p 進アルティン L 関数は Ralph Greenberg (1984, 2014) によって構成された古典的な対象であるが、Greenberg の構成を CM 体の場合に安直に拡張しようとすると (主に CM 体の p 進ヘッケ L 関数が多変数関数であることに起因する) 新しい現象が幾つも観察される。本講演では、アルティン L 関数の定義およびその基本性質の解説から始め、総実代数体の場合の構成と対照させながら CM 体の場合に新たに生じる難しい / 面白い現象を浮き彫りにした上で、問題の解決の方針を時間の許す限り紹介したい (落合理 [大阪大学] との共同研究)。
世話人:
青木 琢哉 (早稲田大学)
佐々木 荘介 (早稲田大学)