役を演じ分ける

役を演じるとは、他人の気持ちを理解すること。

他人によりそう気持ちを持つことで

平和な世の中が訪れてくれるよう願ってます。

語彙をふやす

演技派だけでなくアイドル声優にも語彙力は必要です。

ライブ【生の舞台】なら すごく生き生きして面白いのに、テレビに出演すると なにもしゃべれなくなっちゃうタレントさんの話がありますが・・・それってもしかすると、放送禁止用語の壁?


でもテレビに出ていても、おもしろいタレントはちゃんといます。

放送禁止用語の壁をクリアできるタレントとの差は「この言葉や話題はNGだけど、これならOK」という【知識の量】ではないでしょうか。


ライブ【生の舞台】だけなら話は別ですが、アイドル声優をめざすなら知識をふやすことも大切だと思いますよ。

「今でしょ」の林修先生は、語彙(知っている単語の数)を増やすことが頭の良さ<知識の量>につながると述べています。

グリムも同じことを述べています。

グリム童話の著者ヤーコプ・グリム【兄】は言語学者でした。


ヤーコプ・グリムは、ベルリン王立科学アカデミーの講演で

子供は、考え始めるようになるとしゃべりだします。

言葉は思考が育つにつれて育ち、両者とも加算的にではなく乗算的に増大していきます。

哲学者、詩人、演説家のようにもっとも深い思慮をもった人間は、もっとも強大な言葉の力ももっています、と述べています。


「頭のいい人は言葉をたくさん知ってるよ」とグリムも言っているんですね。


残像に口紅を

世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えていくSF小説「残像に口紅を」筒井康隆 著。

作品のなかで「自分はことばをどんどん使えなくなるのに、なんで主人公はそんなに苦しまないで話していられるのか」ウエイトレスが知りたがる場面があります。

「知っている言葉の量」が関係しているんですね。

どうすれば語彙が増えるのか?

林修先生は「語彙を増やすには、読書が有効」と述べています。


では、どんな本を読めばいいのでしょうか。


(株)ベネッセコーポレーションと朝日新聞の共同調査の結果、フィクションよりもノンフィクションのほうが専門性が高いため、語彙量も多いことがわかりました。


フィクション ⇒ 約3万語

ノンフィクション⇒ 約5万語


ノンフィクションのほうが専門性が高いため、語彙量も多いんですね。

それではここから演技に関連付けていきましょう。


メソッド演技 ステラ・アドラー

ステラ・アドラーは「演技が上達したければ新聞を読みましょう」とその著書で述べています。


新聞は語彙が豊富ですし、専門性もありますね。


実は新聞を読むことを薦める声優はたくさんいます。

わたしも先輩から「新聞を最初のページから最後まで、隅から隅まで読みなさい」と助言されました。



ですがわたしは生意気なので、その助言には従いませんでした。


わたしがやったのは・・・


「新聞の読み比べ」


ひとつのニュースに対して、新聞の論調はそれぞれ違います。その比較をやったんです。

それが役の演じ分けにつながりました。

従来の「主人公を善人・ライバルが悪人」という【主人公を中心】としたストーリー構成なら、ひとつの考え方で役を演じ分けられます。


主人公側を「いい人」。ライバル側は「悪い人」。さらに裏切者や心配症などのキャラを、両方に配置していけば、なんとかなるんです。


ですが、イプセン以降の近代演劇では、この構図が当てはまりません。


主人公とは立場が違うから「悪人」ではないんです。


「主人公もライバルも、どちらも正しい」これが近代演劇です。


外国映画ではかなり前から、日本のアニメでも二つの【複数の】概念を取り入れている作品は増えています。

もちろん旧来のひとつの視点でストーリーを語る作品は、わかりやすくて簡単というメリットがあるので、現在でも作られていますし今後もなくなることはないでしょう。


ステラアドラーは著書の中で、こう述べています。


近代の演劇は、人物の作り方が、以前とはまったく違うのです。


近代演劇の特徴は?


「二つの異なる視点を考える」


二つの相反するアイデアが提示され、どちらに価値を見出すかは観客次第。劇は「こちらが勝ちです」とは教えてくれない。


「何事にも表と裏がある。これまでとは違う価値観があるのではないか」という問題提起が求められるようになった。近代演劇の中で、唯一絶対の真実が描かれないのはそういう意味があるからです。



観客は第三者的なポジションから双方の言い分を理解する。そして劇場を後にしながら、「私ならどうするだろうか?」と考えるのです。


提示されているアイデアに対し、純粋に興味を持ちましょう。「一人は熱心だが、片方は無関心」では成立しない。俳優として、あなたはどちら側の意見にでも同意できるようになりましょう。一方の意見にしか同意できないのであれば、あなたは自分自身にしかなれない人です。


思考の偏りを直すためには、意見が分かれるトピックで練習するとよいでしょう。


まず賛成派の意見に立って述べる。その後、反対派の意見に立って述べる。


どちらの側に立ってもじゅうぶんに説得力があり、どちらが本当のあなたかわからない、と思われるレベルを目指せば、非常にいいエクササイズになります。

このエクササイズを、ひとりでできる方法が「新聞の読み比べ」なんですね。


やってみるとわかりますよ。役の読み解きが、以前の一面的な、主人公を中心とした読み解きしかできなかった自分とは全く変わります。


たとえば銃の規制問題。


日本人は銃の所持に反対する人がほとんどでしょう。もちろん私も反対です。


ですので賛成意見をみてみましょう。


アメリカの郊外では強盗に入られても日本のようにすぐ警察が来てくれるとは限りません。


アメリカは広いので1時間以上、場合によっては何時間もかかるんだそうです。その間、強盗から身を守るにはどうするの、という問題があるんです。


もうひとつ、スターウォーズのプロデューサー、ゲーリーカーツのおばあさんは小さいころガラガラヘビから身を守るため、銃を持って学校に通っていたんです。


さらに…

アメリカ合衆国憲法修正第二条


規律ある民兵は

自由な国家の安全にとって必要であるから

人民が武器を所有しまた携帯する権利は侵してはならない


アメリカは、自由や民主主義を基本原則に掲げる国です。政府が圧政を布くこと、つまり大統領がヒトラーのような独裁者になることを防止し、国民が政府と対等であるためには「銃は必要だ」という意見は根強いんですね。


こういう話を知ると、悪者や分からず屋だけが「銃に賛成」しているのではないことに気がつきます。


賛成派の言うこともわかるよね。

それが近代演劇における「役を演じる第一歩」になるんです。

自分の意見を変える必要はありません。


相手の意見を【理解できるようになる】ことがポイントです。


理解することで【悪者ではない、正当性を持ったライバル】を演じられるようになるんですね。

わたしも銃に賛成している人の気持ちは理解できますが、それでも銃には反対ですから。


最初は「社説の読み比べ」からはじめてみるといいでしょう。スマホやPCから無料で手軽に読むことができますよ。

おすすめします。

もうひとつ、ほほえましいコラム【実話】を紹介します。

東京の多摩地区に勤める女性が、カラスから定期的に、光る物をプレゼントされている。そんな話を聞き、取材させていただいた。

昨年の初夏。会社の敷地に巣から落ちたヒナがいた。木陰に戻してあげた。すると後日、小柄なカラスが鍵のデザインのアクセサリーをくわえ、女性の前に落とした。あの時の個体だろうか。

ビーズの飾りにボールペン、スプーン、羽が金属のように美しく輝くタマムシ……。今年最初の贈り物は、蛍光色の釣りのウキだった。大切に保管している品々を見せてもらった。「人の顔が識別できるのでしょうか。本当に賢い」と女性は語る。

シートン先生ご存命なら、「カラスの恩返し」なる一章を加えるだろうか。

日本経済新聞「春秋」より

カラス かわいい♪

厄介者のイメージがあるカラスですが、この「カラスの恩返し」を読むと印象が変わります。

それが、カラスを厄介者と感じる人と、かわいらしいと感じる人の「役の演じ分け」につながっていくんですね。


「シートン動物記」にカラスの愛すべき生態を活写した一編「カラスのシルバースポット」があります。

貝殻など白く光る物を集める習性があるんです。

シートンはある日、カラスが集めた光る物のコレクションの隠し場所を探し当てます。が、「少年が切手を集めるのと同じで、理由は説明できない」と収集行動の意味には言及していません。


カラスは恩人の女性に、せっせと宝物を運んでいるんでしょうね。本当にかわいいです。

それでは最後に


「語彙・読解力検定」を主催する(株)ベネッセコーポレーションが、高校生から社会人の約3,000人を対象として行った「第1回 現代人の語彙に関する調査」を紹介しておわかれいたします。


語彙力向上のかなめは「ノンフィクション」を含む読書の幅広さ

読むことがある文章や本の種類と語彙力の関係を見てみると、新書や実用書などのノンフィクションや新聞を読む人の語彙力が高いということがわかりました。


ただ、ノンフィクションや新聞だけを読んでいれば語彙力は向上するのかというと、そうではないようです。


読む本や文章の種類によってグルーピングした結果では、「新聞、ノンフィクションを含む複数分野」を読む人の語彙力が最も高く、幅広いジャンルの読書をする人のほうが、語彙がより高い傾向にあることがわかります。

【ベネッセ教育情報サイトより抜粋】

大切なのは「役の気持ち」を理解すること。

自分とは違う、役という【他人の気持ちを理解して】演じられるようになることで、相手を尊重し敬う気持ちも芽生えてきます。

他人の気持ちや立場を尊重し理解しようという考え方が、世界の平和につながってくれることを願っています。

以上、「語彙をふやして役を演じられるようになろう」というお話でした。

参考文献

残像に口紅を【中央公論社】

魂の演技レッスン22 輝く俳優になりなさい!【フィルムアート社】

ルーカス帝国の興亡≪スター・ウォーズ≫知られざる真実 【扶桑社】

ドイツ・ロマン派全集 第15巻 グリム兄弟 【国書刊行会】

シートン動物記 カラスのシルバースポット 【童心社】

演劇の専門書でおすすめなのは

「俳優修業」 未来社

「魂の演技レッスン22 」 フィルムアート社

「サンフォード・マイズナー・オン・アクティング」 而立書房

「“役を生きる” 演技レッスン」 フィルムアート社

「映画脚本家 笠原和夫 昭和の劇」 太田出版

「映画はやくざなり」 新潮社

「ブレヒト戯曲全集」未来社

「アンティゴネ」光文社古典新訳文庫

「ガリレオの生涯」 光文社古典新訳文庫

戯曲ガリレオ [チャールズ・ロートンの協力による英語版] 績文堂

以上、ご参考までにどうぞ。

あの人は悪者だから、分からず屋でとんちきだから、主人公たちのような清い心は持ってないんだ、だからいいや単なる敵として演じれば・・・では思考の停止です。それだと少なくとも「演技派」とは呼べないよ。そんなことが書かれています。お薦めします。

役を深読みし、世界を救え!


HEROES/ヒーローズ?


「チアリーダーを救い、世界を救え!」