馬で農作業をしていた昭和30年代の十勝。馬ぞりを使った結婚式の風習をモチーフとした短編映画「馬橇の花嫁(仮題)」のヒロイン・一子役を募集します。
昭和33年、十勝のある農村。朝から家族、部落総出で馬と共に農作業に汗を流す。昼は馬を木に繋ぎ一緒に木陰で休憩をし、仕事が終わると夕日を浴びながら馬と共に家路ヘ向かう。この家の長女・一子(20代前半)の汗で濡れた額は夕日が照らされ眩しく光っている。
収穫を終え父が外出した夜、長男の剛生と青年部の仲間が家に集まり納会が始まる。青年部がより良い農業への思い語り合う部屋の隅で、一子はその話に耳を立てながら、自然と彼女の目線は青年部の若きリーダー・博に向かう。
収穫からまもなく、集落が待ち侘びた祭りが行われる。青年部による相撲大会には人だかりができ、子供達が走り回る。夕刻になると北海盆唄が流れ人々が踊り始める。一子が山車の上で祭囃子の一員として演奏をしている。博は少し遠くからその様子を見ている。真っ直ぐ前を向いて大きな声ではやし(掛け声)を放つ一子にしばらく目を奪われる。博の人影に気づいた一子は、博に長い目線を送る。霧が降りる早朝、山が見える小高い丘に二人の男女が身を寄せている姿が見える。
冬になり一子が博の家へ嫁ぐ日が来る。家の前で出発を間近にした馬と家族が花嫁衣装の一子に一言づつ言葉をかける。馬は白い息を吐き、黙って家族の別れを待っている。そして、花嫁を乗せた橇を引いて走り始める。
*あらすじは一部変更する場合があります
募集する役
☆ 一子(20歳~26歳くらいまでの女性)
募集条件
セリフはあまり多くない映画ですが、農家の長女として芯の通った人間像をイメージしています。祭のシーンでは、祭囃子の一員としてはやし(掛け声)を演じるシーンがあります。選考の過程で面会をさせていただく場合があります。出演料は最低1日2万円、稽古やリハーサルは1日1万円を支給します。秋と冬の撮影(合計約1週間)と稽古・リハーサルを合わせておおよそ20万円になる見込みですが、稼働日数ベースで計算し相談の上決めさせていただきたいと思っております。撮影地までの交通費・滞在費は当然ですがこちらから支給します。
応募方法
①ご氏名
②年齢
③お住まいの地域(北海道であれば市町村)
④プロフィール写真および顔写真、全身が見える写真 (ヘアメイクは極力少ないものを送っていただけると幸いです)
⑤プロフィール(演技経験有無など。あれば出演経歴など。過去主演したものでその動画が見れるリンクなど。)その他、何かアピールしたいこと、特技、メッセージがあれば自由にお書きください)
⑥歌の経験の有無
以上を記載し、
umazorinohanayome@gmail.com までお送りください。
2023年5月末締切 (その後も募集を続ける可能性ありますが、一度この日で締切り選考をします)
撮影時期:
2023年9月初頭 数日間、2024年2月末 数日間
撮影ロケーション:
十勝管内(現在ロケーション選定中)
審査の流れ
書類選考を一次選考として候補者を絞ります。一次選考を通った方にはご連絡を差し上げ、次の選考の内容(面談など)についてご連絡差し上げます。通知は6月中旬頃を予定しています(変更する場合があります。ご了承ください)。
監督について
逢坂芳郎。北海道出身。高校卒業後渡米、ニューヨークで映画制作を学び学士号を所得。日本帰国後東京と北海道を拠点として映画、ドキュメンタリー、コマーシャルを制作してきた。昨年より帯広に移住。2014年、2016年に十勝を舞台にした短編映画「My little guidebook」「My little guidebook ice」を制作、札幌国際短編映画祭で北海道監督賞受賞。2021年、コロナ禍のカンボジアサーカスをテーマに制作した「リトルサーカス」は上海国際映画祭金爵賞に選出、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭では短編部門で優秀賞と観客賞を受賞。
ホームページ:yoshiroosaka.com
監督からこの映画の制作に向けてメッセージ:
冒頭の馬橇の写真は2020年に亡くなられた十勝出身の写真家・荘田喜與志さんが撮った写真です。私は数年前、この写真を偶然見かけた時、しばらくその場に立ち止まりあらゆる感情が湧き上がってきました。真っ白な雪景色のなかを花嫁が馬に乗せられて祝福されるイメージ(画)は非常に映画的だと感じ、同時に、当時の花嫁の心情について想像が膨らんできました。
その後、知人を通じて馬橇の花嫁を経験したことのある複数の女性にお会いし、当時の心境や恋の始まりのエピソードを伺いました。そこには人間の純粋さ、美しい価値観がありました。それは、私が持っていた昔の農家の苦労や暗さのようなイメージではなく、もっと晴れ晴れとしたものだったと感じるようになりました。そして、「馬橇の花嫁」をテーマに、主人公の花嫁の心情を生き生きと描きたいと思いました。
馬橇の花嫁の儀式は、モノの少ない時代に人々が考え出した創造的な祝技であり、映画として再現して世に残すべきだと思っています。今後末長く地域で共有できる映画にしたいと思っています。
私は2022年4月から十勝に移住し映画作りのリサーチ・準備を進めています。本来、このテーマは長編映画にすべきですが、時代設定の関係上多くの費用がかかるため、実現可能な短編映画として制作することにしました。今後も取材を重ねリアリティある作品を目指して参ります。
この映画に賛同してくださる方からのご応募をお待ちしています。演技経験ある方ない方も歓迎しますので、どうぞよろしくお願いいたします。