研究代表者:中村学園大学教育学部 教授 山本朋弘
東北大学大学院・東京学芸大学大学院 教授 堀田龍也
この研究は、子供たちが日常の学習ツールとして情報端末を活用できるような環境となることを目的として、調査をスタートしています。
これからの社会を生き抜く児童生徒にとって、学校や家庭等のさまざまな場面で能動的に学び続けることが求められています。特に、児童生徒がICTを授業や家庭での学習に積極的に活用することが期待されています。
また、日常的な学習ツールとなるための環境整備が求められていて、 GIGAスクール構想により、全国の公立小中学校に1人1台端末と高速通信ネットワークが整備され、児童生徒が日常的に情報端末を活用できる環境が整いました。
しかし、授業での端末の活用は進んでいる一方で、家庭での端末活用は十分進んでいません。令和5年度の全国学力・学習状況調査(国立教育政策研究所2023)の児童向け質問紙調査では、授業で情報端末等のICTをほぼ毎日活用または週1回以上活用している割合が小学校で99.0%、中学校97.4%と前年度よりも増加しています。
なお、1人1台端末を家庭に毎日持ち帰っている回答した割合は,小学校で32.6%、中学校で41.9%でした。また、「持ち帰らせていない」、「持ち帰ってはいけないこととしている」という回答も10%程度見られ、家庭で利用できる日常的な学習ツールとなっていないことが示されました。
※令和5年度の全国学力・学習状況調査(国立教育政策研究所2023)は、こちら
今後は、1人1台端末環境を家庭での学習でも有効活用することが期待されます。
本研究では、1人1台端末を活用することの意義や留意点、家庭への持ち帰り等について、どの程度情報の提供が進められているのか、Web上の情報を収集整理して調査しました。
また、提供されている情報について、どのような傾向があるかを分析して、1人1台端末の家庭学習への有効活用につながるかを考察しました。