先端電子デバイス研究室(中払研)


4年生の卒業研究が始まります!

研究室の第1回のミーティングは、4/9(火)の2限の時間に予定しています。

卒業研究のテーマ設定や、研究の進め方などを話します。

場所:研究棟 C-311室

Preface        

先端電子デバイス研究室のHPへようこそ。

この研究室は2023年度に新しく立ち上げつつある、学科で最も新しい研究室です。

研究室の研究対象は、シリコンに替わる次世代の半導体材料として期待される「2次元物質」です。

ご存じの通り、最近の日本の半導体産業は急激に拡大しています。

そしてこの分野の技術者が不足していて、若手人材の争奪戦が始まっています。

研究室ではこの半導体技術に直接つながる研究を進めていきます。

研究室の研究テーマ


皆さんが普段使っているスマホやパソコンでは膨大な量のデジタル情報が処理されている。これらのデジタル情報はほぼすべてシリコン製の半導体集積回路で処理されている。そして、集積回路の中で最も根源的な部品であるトランジスタこそが、情報技術の進展の鍵を握るデバイスである。本研究室では、将来のトランジスタ技術においてシリコンに置き換わる新しい材料として期待される「2次元物質」の半導体を研究対象とする。

この新しい半導体材料である2次元物質がシリコンの代替として期待される理由は、従来のシリコン技術の限界を打破できる材料であるからだ。

シリコントランジスタの発明以来の長年にわたって、トランジスタの性能の向上、つまり処理速度や集積度の向上、消費電力の低減には、トランジスタのサイズ縮小が効果を発揮してきた。しかし、トランジスタのサイズの縮小が物理的な限界を迎えたことで、その限界を回避するための様々な技術が導入されている。その中でも特に短チャネル効果と呼ばれる一連の問題に対して、多くの対症療法的な回避技術が実装されてきている。特に重要な技術はSi-on-Insulator (SOI) 技術やFinFET型のデバイス構造であり、その発展としてGAA (Gate-All-Around)型やナノシート型、フォークシート型、CFETといった新規なデバイス構造が世界中で研究されている。トランジスタサイズの縮小という点ではいずれの技術においもチャネル層の薄膜化は避けて通れない。しかし、シリコン層の薄膜化には根本的な限界が知られている。つまり、膜厚が数ナノメートル程度以下になると、界面散乱や膜厚ゆらぎの影響が顕著になり過ぎて、かえってトランジスタの性能を劇的に劣化させることが近い将来に回避不可能な壁として知られている。

そこで、原子数個分の薄さを有する有する2次元物質が、シリコン技術の限界を突破できる材料であると期待が集まっている。この2次元物質はその2次元面内で原子どうしが共有結合で強く結合し、原子レベルで平坦な表面を持つ。そして、そのようなシートどうしがファンデルワールス力で弱く結合して積層するという構造を有する。そのため、原子数個分の薄さの膜となっても半導体として活用できる。つまり、シリコンでは不可能な領域での薄膜化が可能である点で、シリコンの限界を突破するための材料として期待されている。

本研究室ではこのような2次元物質の電子デバイス応用において現れる様々な課題の解決に取り組んでいく。その主な用途は最先端のトランジスタであるが、センサー等の2次元物質の特性が活用できる電子デバイス開発にも展開していく。



過去の研究成果など

PIの過去の研究成果等については、こちら(Researchmap)をご参照下さい。


研究室の場所

Office(教員室):   研究棟C-311室

Lab(卒研室・実験室):  研究棟C-213室

大学への行き方はこちらをご参照下さい。

キャンパスマップ

 実験設備(準備中)

2次元物質を使った電子デバイスの作製プロセスから電気特性評価までを一貫して行う設備を準備しています。

・光学顕微鏡・原子膜積層装置 (オリンパス 特注品)

  2次元物質を観察したり、異種の2次元物質を積層するための装置です。

マスクレスフォトリソグラフィシステム(アームスシステム UTA-1AS)・イエロールーム(ヤマト科学)

  設計した電極などの形を、レジストを塗布した試料に加工するための装置です。黄色い照明のクリーンルームの中で使用します。

・真空蒸着装置 (アルバック VEP-1000)

リソグラフィ済の試料に、電極となる金属などを蒸着する装置です。抵抗加熱や電子線加熱で様々な金属の薄膜を作ります。

・真空プローブシステム (アポロウェーブ MJ-8D)

試作したデバイスの電気特性(トランジスタ特性など)を、真空中で測定するための装置です。

・電気特性評価装置 ソース メジャー ユニット  (キーサイト B2912A)

電気特性を評価するための測定機です。電流・電圧源と電流・電圧計として機能します。パソコンに接続してオンライン制御します。

連絡先:nakaharais 【@】 stf.teu.ac.jp (アットマーク@部分を半角英数字に変換して下さい)