Protocols, Textbooks and Resources for Genomics Analysis

筑波大学トランスボーダー医学研究センター・ゲノム生物学分野の解析サービス利用者向けリソースです。

筑波大学・医学医療系・ゲノム生物学グループ www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/genome/

つくば臨床検査教育・研究センター事業の「つくば i-Laboratory」、およびロボティック・バイオロジー・インスティテュート(RBI)社と共同で、次世代シークエンサーを用いたゲノミクス解析サービスを提供しています。このウェブサイトでは利用者向けの情報をまとめました。これまで結果報告時にお送りしていた資料は「Documentation」からダウンロードできます。


©2020 Genome Biology Lab, Transborder Medical Research Center, University of Tsukuba. 

News:

2024.04.04 新年度の解析分から、CLC Genomics Workbenchのバージョンを24.0.1に変更しました。以前から継続していると思われるプロジェクトは引き続き10.1.1で提供できます。トランスクリプトモデル(遺伝子リスト)は2017年版から変更無し、となります。解析のご要望があればソフトウェア、遺伝子リストともに異なるバージョンで対応できますのでお知らせください。また、生データ(FASTQ)はデータ解析の影響を受けませんので、引き続き保管、いつでも再解析できます。詳しくはCLCファイルのログでご確認いただけます。CLCのデモ版でもログを含むファイルの閲覧は可能です。

2023.10.31 Documentationにある解析料のPDFファイルを更新しました。RNAseq1検体42,000円になります。

2023.4.10 新年度あけましておめでとうございます!早速ですが、5月の検体受付分より解析料が改定になります。RNAseqはこれまで1検体38,000円のところ、42,000円となります。詳しくは依頼時に確認させていただきます。

2022.2.10 つくばヒト組織バイオバンクセンター検体の解析について、「検体の準備・送付」の項目に追記しました。凍結・FFPE組織検体のRNAseq、パネル解析などに対応しています。

2021.11.6 「医学のあゆみ」の宇宙医学・生命科学特集のオミックス解析の項目に、「まほろ」を使ったRNAseq解析の紹介が掲載されました。手作業との比較結果などの記載もあります。

2021.5.19 検体シートを「v5」に更新しました。ご希望の方はCLC ソフトウェアのライセンスを同時にオーダーしていただけます。詳しくは「データ解析ワークフロー」をご参照ください。

2021.1.29 今年度の解析依頼の受付は今日で基本的に締め切りました。また、昨年度から準備が進められていたオープンファシリティーのNGSサービスが今月から開始されています。学内のユーザーは、新サービスのほうが解析料が安くなっていますので、適宜移行していただければと思います。ゲノム生物学グループの共同研究案件は引き続き対応できますので、お問い合わせください。学外ユーザーの解析依頼には、今後もこれまで通りの対応を継続いたします。

2021.1.18 CLC ソフトウェアのトラブル解決法について、「データ解析ワークフロー」の項目に追記しました。

2020.9.14    ウェブサイトを作りました。これまで個別にメール対応していましたが、随時更新していきたいと思います。

解析依頼、メニュー

利用者にコスト負担をお願いしていますが、様々な研究・開発にご利用いただけます。臨床検体は倫理審査の承認を得てからご利用ください。つくばヒト組織バイオバンクセンターの検体は、そのまま転送することができます。価格表、検体依頼書、仕様などはDocumentationを参照ください。

RNA-sequencing

TRIZOLに溶解した細胞・組織を送付いただくと、生データのほか、遺伝子ごとの定量値の算出と統計解析を行った結果が納品される「ワンストップ・サービス」です。ヒト・マウス・ラットはrRNA-depletion、その他真核生物や指定がある場合はPoly-A RNA精製、それぞれ、strandedライブラリ作製です。2x36ベースが基本ですが、他のリード長も別料金で対応可能です。

微生物、細菌等の解析は依頼が少なく、試薬のストックも常備していないため、要相談になります。

Small-RNA-sequencing

主にmiRNAの解析に用いられ、RNAseqと同様にTRIZOLまたは精製RNAで検体を受け付けています。RNA複合体の精製など、サイズの小さいRNAが得られるアッセイのシーケンスもsmall-RNA解析として同様にライブラリ作製を行っています。データ解析はmiRBaseに登録されている既知のマイクロRNAの定量値による発現解析を行いますが、生データには他のRNAも含まれており、多様な解析手法に展開できます。解析料はRNA-sequnecingと同じです。

ChIP-sequencing

ChIPアッセイで精製されたDNAを送付いただくと、DNAライブラリ作製からシークエンシングまでを行います。データ解析は、マッピングとリードの可視化で良いデータが出ているかどうかを確認するところまで行い、生データとともに解析済みファイル納品しています。2x36ベースが基本です。ChIPの対象によって、別料金でデータ量の変更をおすすめする場合があります。よく使われる抗体(H3K4me3、H3K4me1、H3K27ac、K3H27me3)のアッセイは固定・凍結した細胞材料からこちらでアッセイを行うことも可能です(要相談)。

Exome-sequencing

最近は外注が安くなっており、そちらをお薦めしています。i-Labでは取扱量が少なくなっています。ご希望の場合はお問い合わせください。

Amplicon-sequencing

分子バーコードが付いてリードの多様性も高く作業も比較的単純な、「QIAseqパネル」を推奨しています。Comprehensive Cancer PanelとT細胞レパトワ解析以外は試薬ストックは基本的にありませんので、その他のパネルやカスタムデザインを用いた解析は個別のご相談になります。ユーザーに作成していただいたマルチプレックスPCR産物をそのままDNAシークエンシングする、という手法も対応しています。16S解析やメタゲノムなどの微生物叢解析にも対応できますので、お問い合わせください。

DNAメチル化解析

全ゲノムのバイサルファイトシークエンシングは1検体当たりのコストが大きいこともあり、これまで対応実績はありませんが、解析標的が少数の場合はバイサルファイト処理したDNAのアンプリコンシークエンシング、ChIPseq程度の解像度で良い解析にはメチル化シトシン特的的抗体を用いたMeDIP(Methylated DNA immunoprecipitation)を提供しています。詳細は個別にお問い合わせください。

シークエンシングのみ、全ゲノムシークエンシング

リード長やデータ量によって外注などもお薦めしています。Documentationのガイドラインを参照ください。

リキッドバイオプシー、cell-free DNA・RNA解析

血漿中の細胞外DNA、RNAについては、ヒト・マウスともに血漿検体の受け取りから対応しています。解析可能な検体かどうか確認する必要がありますので、研究開始前に少数のパイロット検体による解析をおすすめしています。採血管や検体処理方法などの推奨条件をお伝え出来ますので、できれば検体採取の前にご相談ください。

対応していない解析

ATAC-seq、1細胞解析、超ロングリードなどは専用機器、オンサイトでの検体調製、特に高価な試薬などが必要で、i-Labサービスとしては対応していません。共同研究の可能な場合もありますが、各種支援プログラムなどにお問い合わせください。RNA精製のみ、などi-Labで動いているワークフローの部分的な依頼は対応しています。

よくある質問:解析依頼、メニュー

Q. 筑波大学外の研究機関、民間企業等でも利用できますか?

A. 利用できます。受付窓口によって解析料は「学内解析料」よりはやや高くなりますが、アカデミック研究機関との共同研究、実験デザインのコンサルティングや追加のデータ解析を含む場合など、いろいろなケースが考えられますので、ご相談ください。


Q. 筑波大学との共同研究として扱う必要がありますか?

A. 臨床検体解析や宇宙生命科学分野など、詳しいデータ解析や結果の解釈に参加する共同研究のプロジェクトも多いですが、標準的な納品パッケージのご利用では必要ありません。共著者に筑波大学の研究者が含まれない、i-Labサービスを活用した論文も多数発表されており、普通の受託サービスと同様です。Methodや謝辞のところに「Tsukuba i-Laboratory」を記述していただけると実績として残るため助かりますが、特に決まりはありません。


Q. 研究計画の審査などはありますか?

A. ありません。技術的、倫理的に解析できないご依頼は、お問い合わせや検体依頼書をメール送信していただいた段階で判断しています。


Q. 見積り作成はできますか?

A. できます。見積書の宛名、解析内容をメールでご連絡ください。PDF版で作成させていただきますが、印刷版での対応も可能です。


Q. 解析がうまくいかなかった場合は解析料は発生しますか?

A. QC結果を見ながら作業を進めますので、RNAseqであれば、RNA量や品質の段階で解析の可否を判断します。「RNA精製・QCのみ」は学内解析料で1000円のため、検体を再送付しない場合は、1検体につき1,000円を請求することもあります。(失敗することはめったにないので、現実的には、その都度ご相談になります。)RNAseqの場合、ライブラリ作製以降で期待通りデータが出ない場合は請求無しになります(これも稀にしかありません)。


Q. 「ゲノム支援」のトランスクリプトーム解析と同様のサービスを受けることは可能ですか?

A. コスト負担はありますが、応募・審査のサイクル無しに随時ご依頼いただけます。解析サービスでは使用キットの指定などは対応が難しいですが、特殊な要求がある解析プロジェクトはゲノム生物学グループの共同研究としてご協力できます。

検体の準備、送付

既存ユーザーの方は、筑波大学内は直接受け渡し、学外からは宅配便でお送りください。初回の場合は検体依頼書をメール送付後、解析が可能であることを確認してからの検体発送をお願いします。検体依頼書、検体必要量などは、Documentationを参照してください。つくばヒト組織バイオバンクセンターの検体については下記「よくある質問」項目を参照ください。

よくある質問:検体の準備、送付について

Q. RNA精製は自分で行ったほうが良いですか?

A. TRIZOL検体で送っていただいて、RNA精製はi-Lab(まほろロボット)で行うのがお薦めです。微量検体でも収量が良く、RNA分解酵素のコンタミネーションの心配もないため、その後のQC作業やライブラリ作製も安定して行えます。RNA精製後のQC(濃度、RIN値の測定など)もRNAseqサービスに含まれています。

Q. 附属病院のバイオバンク検体の解析を依頼することはできますか?

A. これまでに、RNAseq、がん遺伝子パネル解析などに対応しています。つくばヒト組織バイオバンクセンターで審査・分譲手続きが完了している検体は、直接転送することができますので、バイオバンクの担当者にお知らせください。-80℃保管試料も十分に温度管理に注意して転送・保管することが可能となり、解析にも有利です。DNA抽出サービスから直接DNA検体を転送依頼いただくこともできます。

検体処理プロトコル

RNA精製、ライブラリ作製に使用しているキット名はDocumentationを参照してください。

RNA-sequencingについては、右図のフローチャートに従って使用キットを使い分けています。「おまかせ」の場合はこちらで実験の内容を見て判断していますが、ご指定があれば、依頼時にお知らせください。

よくある質問:検体処理プロトコル

Q. 「まほろ」ロボットは、実際どのくらいの作業を担当していますか?

A. RNA-seqでは、「TRIZOL検体からトータルRNA」、NEBキットを用いた「トータルRNAからrRNA除去済みまたはPoly-A精製済み RNA」、「rRNA除去済み・poly-A RNAから精製済みライブラリ」までの3つのセクションを人手の介入なしに自動で行っています。RNA断片化やその他の条件で調整が必要で、検体数がまほろの作業フローに合わない場合などは、手作業でも行います。その他、年度末の繁忙期にも、手作業で行う場合があります。RNAおよびライブラリのQC、分注作業などは今のところ手作業で行っています。


Q. なぜRNA精製カラムではなくTRIZOLを推奨しているのですか?

A. TRIZOL(ISOGEN、セパゾールなども、同等なものとして扱っています)には次のような長所があると考えています。

・TRIZOLに溶解された細胞や組織では、凍結融解を繰り返してもRNAが安定で、「予備」として、一部の検体を残しておける。

・RNAのサイズ選択性がカラムよりは低く、small-RNAも同じ精製RNAを用いて解析できる。(small-RNAの修飾やGC含有率によってTRIZOLにも選択性があるとの報告はあります。)

・カラムへの吸着・残留によるRNAロスが少なく、特に微量検体を扱う場合に有利。

・RNAがペレットになって回収・再懸濁できるため、溶出ボリュームを微量に抑えることができ、低濃度のRNAをライブラリ作製に効率的に持ち込める。


Q. RNAをDNase処理していませんが、大丈夫ですか?

A. 通常、精製されたRNAにはゲノムDNAが少し混ざり、RNAseqのバックグラウンドになる可能性があります。i-Labの大部分のRNAseqで使用しているrRNA-depletionでは、RNaseH処理の後にDNase処理があり、コンタミしているDNAはそこでプローブとともに分解されます。また、Poly-A RNA精製では、mRNAをビーズで精製・洗浄するため、DNAやpoly-A RNA以外は取り除かれます。Low-input RNAのプロトコル(TARARA SMARTerキット)では、遺伝子外領域のリードについて、DNAのコンタミの可能性をデータ解析時に、より慎重に評価する必要があります。


Q. FFPE検体のRNAseq解析はできますか?

解析を予定しているFFPE検体と同じラボで処理された少数の検体を用いて一度解析をご依頼いただければ、品質の確認を兼ねて解析を行えます。RIN値が2-3程度あるものは、少なくとも定量目的のRNAseq解析ではうまくいく例が多いです。解析できない検体では「1」に近いRIN値が出ます。


Q. なぜrRNA除去によるRNAseqライブラリ作製を推奨しているのですか?

A. データの統合解析には、できるだけ多くの解析でプロトコルを揃えたほうが有利なため、様々なRNA品質の検体に対応できるrRNA-depletionに方法をお薦めしています。rRNA-depletionでは高品質のRNAから分解が進んだFFPE検体由来のRNAまで対応でき、インプットRNAの量でも、5ng程度からフルスケールの500ngまで、同じキットを用いた解析が提供できています。さらに、mRNA以外のRNAが読めるのもrRNA-depletionの利点です。転写中のpre-mRNAなどは、イントロンのリードとして見ることができ、細胞内に蓄積されているRNA量(steady-state level)と区別して、転写の活性化状態を推定することもできるため、遺伝子発現制御について多様な解析にも役立ちます。ヒト・マウス・ラット以外の生物種でも同じrRNA-depletionキットでの解析を希望される場合もあり、特にゲノムサイズの小さい生物種では良いデータが出ています。一方で、スプライシングバリアント、エキソン部分のSNP、体細胞変異、融合遺伝子などを解析する場合は、エキソン部分に効率よくリードが集まるpoly-A精製をお薦めしています。


Q. Stranded (RNAの方向性が保たれている)RNAseqデータを得ることは可能ですか

A. rRNA-depletion、Poly-A精製、および、Low-inputライブラリの全てでStrandedライブラリキットを使用しています。イルミナ純正のStrandedライブラリとは逆方向に元のRNA配列が現れますので、データ解析の際は「Documentation」の「解析フロー」にある各キットのマニュアルを参照してください。

データ解析ワークフロ

RNA-seqeuencingであれば、マッピング、統計解析、可視化に使うbedgraphファイルの作成などを行ってから結果をご報告、納品しています。生データから自由に解析していただければ良いのですが、全ゲノムスケールでの既知遺伝子の定量解析は、解析済み納品ファイルからでも多くの解析が出来ます。i-Labではほぼすべての解析をCLC Genomics Workbenchを用いて行っており、CLC形式のファイルも納品できますので、CLC Main Workbench(機能は限られていますが1年固定ライセンスで税別22,000円)をご利用いただくと、解析に含める検体の選定、ノーマライゼーション、フィルタリングや各種プロットの作成が簡単に行えます。

よくある質問:データ解析ワークフロー

Q. なぜ解析に市販ソフトを使用しているのですか?

A. 産学連携の解析プラットフォームということで、企業・大学どちらでも同じ解析パイプラインを維持できるように、高度なバイオインフォマティクスの手技に依存しない運営方法をデータ解析にも取り入れるためです。また、メンテナンスの行き届いた商業ソフトウェアを導入することで、一定の品質を保証できたり、自動的に操作ログが各ファイルに残る利点もあります。


Q. CLC Main Workbenchのライセンスはどこで購入できますか?

A. キアゲンウェブサイトで30日間のトライアルがあるようです。キアゲン製品を扱っている業者にお問合せいただければ購入できます。i-Labでも解析オーダー時に登録情報をご記入いただければ、結果報告に合わせてライセンス発行できます。トライアル版のインストールで「Virtual machineにはインストールでできません」というエラーが出る事例がありました。キアゲンのCLCサポートに連絡すると解決してもらえます。


Q. RNAseqの解析に使っている遺伝子データベースは何ですか?

A. CLC Genomics WorkbenchではEnsembleの遺伝子アノテーションに基づいたアノテーションをCLCのサーバーからダウンロードできるようになっています。しかし、このデータベースは短い間隔でどんどんアップデートされ、遺伝子数もその都度変化する(増える)ため、マウス(㎜10)では2016年12月、ヒト(hg19)では2017年1月にダウンロードされた遺伝子とトランスクリプトモデルをこれままでずっと使い続けています。CLCファイルが必要な場合はお問い合わせください。また、Excel形式でExportしたファイルは「Documentation」に置いてあります。細かいところで修正が入っており、CLC独自のデータベースのようですが、特に複数Transcriptやオーバーラップした遺伝子などの処理は便利なように工夫されている印象です。このことで、遺伝子の名前が標準的なものと異なる場合が稀にありますが、ゲノム上のCoordinateから再確認すると、make senseな対応がなされている印象です。

解析例とテキスト:RNAseq、ChIPseq

Documentationのテキストでは、遺伝子名とゲノム領域から様々な比較・解析を行う手法を解説しています。一度原理を学ぶと、ウェブツールやデータベース情報を様々な角度から自由に解析できるようになりますので、ぜひご覧ください。

よくある質問:RNAseq、ChIPseq解析

Q. インフォマティクスは初心者です。解析はどうすればよいですか?

A. 統計解析まで行ってから納品していますので、発現量を比較するところまではExcelファイルを見ていただければ大丈夫です。大学院のバイオインフォマティクス実習で用いているテキストがDocumentationにあります。Excelとウェブブラウザがあればいろいろなことができますので、最初の部分だけでもトライしていただければと思います。


Q. 解析にお薦めのコンピューターはありますか、生データから解析したいので購入を検討しています。

A. お問い合わせいただければ、ゲノム生物学研究室で使用しているワークステーションの情報をお送りできます。


Q. RやPythonの知識は必要ですか?

A. 解析や可視化にはLinux、R、Pythonで利用できるツールが多数ありますが、似たような機能のウェブツールもあります。まずはGalaxy、Google検索で見つかるウェブベースの手法から始められます。いくつかの例については、解析テキストをご覧ください。大学院の実習でも導入部分をカバーしています。


変異解析(バリアントコール、融合遺伝子)

筑波大学内では共同研究としてTMRCのメンバー等がヒトゲノム研究の倫理申請研究者リストに入っており、解析まで行います。その他の解析は外注の受託研究と同様にi-Labで対応しています。CLC Genomics Workbenchの解析ツール範囲内で解析結果を提供しています。

よくある質問:変異解析

Q. 変異のアノテーション付けサービスは提供していますか?

A. キアゲンのQIAseqパネル解析では、CLC Genomics Workbenchのワークフローで解析を行い、QCIレポート作成へ再委託が可能です。解析費用はシークエンシング分と一緒に請求できますが、一定数は学内解析用の枠があり、追加費用無しでご利用いただけます。Exomeでは変異候補箇所はリストアップされますが、フィルタリングやアノテーションン付けはユーザーの共同研究者の方にお願いしていただいています。調べたい遺伝子があらかじめ分かっている場合には、i-Lab納品ファイル内で遺伝子名の検索を行うことで、変異候補を絞り込むことはできます。


Q. RNAseqによる融合遺伝子解析はできますか?

A. キアゲンのCLC Genomics Workbenchのワークフローで解析を行っています。単一の検体を用いた解析ではFalse callが多く、新規融合遺伝子の発見はほとんど期待できません。しかし、融合遺伝子の片方が予測できる場合は、もう一方の遺伝子が見つかる場合が多いです。疾患名やFISH解析の結果から、予測がつくような場合にご依頼ください。

データベースへのアップロード

各ユーザーで行っていただいています。しかし、初回はかなり苦労するのが普通と思います。DDBJへのアップロードについてはウェブサイトに説明がありますが、テキストも準備する予定です。

よくある質問:データベースへのアップロード

Q. データベースアップロードのサービスはありますか?

A. 短期的に対応できそうな課題として検討しており、サービス提供は可能と思います。また、実験条件なども含め、公共データベースへアップリンクできるか、など、実験シェアや共同研究プラットフォームの方向でも、広く可能性を模索中です。NASA GeneLabなど、宇宙生命科学関連のデータベースアップロードはサポートできます。


Q. DDBJへFASTQファイルをアップロードしたいのですが、メタデータはどのように入力すればよいですか?

A. 「Documentation」にRNA-seqの例でテンプレートのエクセルファイルがあります。各ステップに対応したタブが含まれていますので、順に参照していただけます。

残検体の返却

解析依頼時に残検体の返却希望があれば返送できます。これまでのところ、筑波大学内の依頼と共同研究案件が多かったため、全ての残検体(TRIZOL、精製済みRNA、DNA)を保管しています。まとまったところで残ったTRIZOLや精製済みRNAなどの残検体は返却していますので、心当たりのあるユーザーは状況をお問い合わせください。ライブラリはしばらくして再度シークエンシングを行ってもクラスター密度が低くなりがちで、長持ちしないため、1年程度を目途に破棄しています。

よくある質問:残検体の返却

Q. 返送に料金はかかりますか?

A. 保冷剤や送料など、実費を請求になります。解析料には含まれていませんが、「検体輸送費」などの項目で追加できます。