義務教育学校へ…

占冠村立トマム学校

トマム地区の学力保障と学校教育の維持のために

本校は,大正6年に落合尋常小学校トマム第一分教場として開校し,平成28年度に100年目を迎えたトマム小学校と70年目を迎えたトマム中学校の小中併置校でした。

平成29年度4月より,本当の意味で一つの学校として,義務教育学校「占冠村立トマム学校」となりました。しかし,児童生徒数は,昭和40年度の153名をピークに年々減少の一途をたどっています。現在は,前期課程児童数3名2学級,後期課程生徒数3名1学級となっています。(平成29年4月1日現在)

そうした状況ではありますが,児童生徒は性格も明朗・素直な子ばかりで,生き生きとした学校生活を送っています。保護者の学校教育に対する意識は高く,学校行事や安全指導・環境整備等のPTA活動に積極的に協力していただいております。

本校では,各行事の縦わりの係活動や日常の若葉会活動(児童会・生徒会活動)などを通して,集団生活や仲間意識を高めるとともに,学習活動においては,少人数指導を通して基礎・基本の定着を図っています。また体力づくりでは,休み時間のチャレンジタイムにおける縄跳び等の全校運動や全校遊びに積極的に取り組み,健やかな身体の育成に努めています。

本校は,地域の協力を得ながら教育活動を展開し,学習活動の充実を図るとともに,児童生徒の豊かな心の育成に十分な成果をあげています。

今回,本校が義務教育学校に移行した理由として,

・トマム地区の人口の増減に左右されず,教職員の人数を確保し,専門的な指導ができるようにすること

・世の中の流れと子どもたちの将来を見据えてということ

があります。

トマム地区は中央地区と片道約31㎞ほど離れており,もし中央地区の学校へ子どもが通うとなると,冬道のことも考慮に入れたとして,子どもの負担が大きくなることがありました。中学校が仮に残ったとしても,生徒数で教職員の増減があり,安定した教科指導が難しくなる可能性もありました。

次に子どもの将来を考えてのことになります。一つ目は「グローバル化の波」です。我々の社会において,ヒト,モノ,価値,経済など広範囲に多様性をもたらしています。二つ目は「急速な情報化や技術革新の波」です。めまぐるしく変わるこの世界,人間生活を質的にも変化させてきています。一つの出来事が広範囲かつ複雑に伝播し,先を見通すことがますます困難になってきています。

社会的変化の影響が身近な生活も含めて,社会のあらゆる領域に及んでいる中で,教育のあり方も新たな事態に直面しています。

2030年には人口の1/3が高齢者となり,若手世代の働き手の減少が見込まれています。若手世代の働き手が減少すれば,GDPの低下,国力の低下,国の財政面でも困難さを増します。すると,本来受けられるべき社会保障サービスも受けられなくなる状況に陥る可能性が出てきます。

また,子どもたちが将来就くことになる職業のあり方について,技術革新等の影響により,大きく変化することも予測されています。 2045年には,人工知能が人類を超えるとも言われています。

グローバル化,情報化,技術革新等といった変化がどのようなキャリアを選択するかにかかわらず,全ての子どもたちの生き方に影響し,自らの生涯を生き抜く力を培っていくことが問われています。そのような中,学校教育として未来を担う子どもたちに何を準備してあげればよいのかと考えました。

学校は今を生きる子どもたちにとって,現実社会との関わりの中で,毎日の生活を築き上げていく場であり,未来の社会に向けた準備段階の場であります。これから困難な時代を自分の力で乗り越える力を身に付けさせてあげるために,そして求められている社会の要請を鑑み,トマム地区の学校教育を維持し,さらに発展させることを考え,義務教育学校への移行に踏み切りました。

子どもの可能性を最大限に引き出し,子ども・保護者にとって安心して楽しく活動できる学校,子ども・保護者・地域にとって信頼,安全,相談しやすい学校,トマムの皆さんにとって誇りに思える学校づくりをさらに目指し,今後も努力していきます。そして,地域に支えられ,ともに歩んできた100年の歴史を引継ぎ,ますます発展していきたいと考えています。