経緯
東海地区の企業,大学,高専等においてダイナミクス,制御に関連する教育,研究,開発を行っている研究者,技術者が中心となり,東海地区の同分野の発展に寄与するべく,新技術の吸収,最新情報の収集や,お互いの親睦をはかる.その目的のために,機械要素あるいはシステムのダイナミクス解析技術,新しいアクチュエータ技術,システムの制御技術に関して同地区の大学および企業の最近の研究内容を互いに話題提供し合い,自由な雰囲気で議論し交流する.また,東海地区の企業や大学の研究者,技術者間の一層の交流を深めていくために懇親の場も設け,共に東海地区同分野にいながら普段の業務や学会活動でこれまでおそらく接することのなかった企業・大学の研究者・技術者の方々が広く交流を持ち,深めていく機会となり,それらが互いの業務上における大きな利益となって還元されることを期待している.
歴史
1993年10月設置~1998年9月
太田先生(名大),藤澤先生(岐阜大),水谷先生(三重大)
1998年10月~2007年5月
安田先生(名大),水谷先生(三重大),石田先生(名大))
2007年6月~2012年3月
河村先生(豊橋技科大),神谷先生(愛工大),井上先生(名大)
2012年4月~2023年3月
井上先生(名大),神谷先生(愛工大),松村先生(岐阜大),安達先生(中部大,2016年4月から)
2023年4月~
松村先生(岐阜大),神谷先生(愛工大),安達先生(中部大),高木先生(豊橋技科大)
次回研究会の予定
未 定
過去の研究会(2007年度以降)
2024(令和6)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者30名)
開催日: 令和7年 3月10日(月)13:10 ~ 16:40
会 場: 愛知工業大学本山キャンパス 2階多目的室
プログラム:
13:10-13:15 開会の挨拶 岐阜大学 松村 雄一
13:20-14:00 構造物の弾性振動の多モード制振に関する取り組みについて
名城大学 理工学部 交通機械工学科 富岡 隆弘
講演者は長年にわたり,鉄道車両の乗り心地に影響の大きい車体弾性振動の実態把握とそのモデル化,低減手法に関する研究開発に携わってきた.2017年に大学に移って以降も鉄道車両の車体に限定せずに機械構造物の弾性振動の多モード制振に取り組んでいる.とくに,乗客が乗車した際に複数の車体弾性振動モードの同時制振効果が認められるという知見をもとに,粘弾性体中に質量を埋め込み,それが多方向に振動することを利用した制振デバイスの検討を行っている.本講演ではこれらの取り組みについてご紹介したい.
14:10-14:50 工作機械の設計の考え方と変化
ケイ・コネクト(元 ジェイテクト) 岡田 紀久利
工作機械はどのような手順で設計をしているか
MR(マーケティングリサーチ)をベースに新機種の仕様を決めています
・加工できるワークの大きさを決める
・現在のトレンド(どのような仕様)を追加するか決める
・お客様が困っていることを解決する仕様を追加するか決める
変化の少ない機械が良い機械
・機械寿命に影響する経年変化(流体軸受けの紹介)
・熱変異が影響する寸法変化(基準の考え方)
・突発変化(研削盤でよくある事例の紹介)
15:00-15:40 カナダUBCでの人工筋肉アクチュエータ在外研究記
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 機械工学系 高木 賢太郎
講演者は,2023年夏から1年間,ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia, UBC)にて在外研究をしてまいりました.人工筋肉アクチュエータで有名なJohn Madden教授の研究室にて,高分子アクチュエータの物理モデリングや新奇人工筋の創製に関して国際共同研究をするという,貴重な経験ができました.発表では,渡航までの準備,UBCでの研究内容,カナダでの日常生活など,ざっくばらんに紹介をしたいと思います.
15:50-16:30 鉄道車両の旅客快適性に向けた、騒音・振動低減技術
日本車輌製造株式会社 後藤 友伯
鉄道輸送では近年より快適な輸送サービスの提供が求められるようになってきた.
鉄道車両での「快適性」とは、移動中の車内環境における騒音、振動などの定量的に評価できる物理量であり、これらの低減に向けた技術開発に取り組んでいる。一方で、鉄道車両では低減対象の騒音・振動の周波数が低い特性があり、軽量、省スペース、低コストなど製造上の要求とのトレードオフの解決が課題である。
そこで、さまざまな低減手段のなかで、筆者の経験から振動絶縁が最も有効であると考え、その手法について事例を交えて報告する。
16:30-16:50 事務連絡・今後の予定 岐阜大学 松村 雄一
16:50 閉会
2023 (令和5)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(現地参加13名+オンライン申し込み22名(未確認))
開催日: 令和6年 3月15日(金)13:30 ~ 17:00
会 場: ハイブリット開催
オンライン開催,じゅうろくプラザ 小会議室2
プログラム:
13:30-13:35 開会の挨拶 岐阜大学 松村 雄一
13:40-14:20 振動特性を変えない構造変更解の計算法
デンソー技術開発センター 基盤技術開発部 NV技術開発室 稻葉 雅至
昨今の高性能製品を構成する全コンポーネントの連成関係により定まる振動特性は,製品の耐久性や騒音性能などにも強く関与する.こうした振動特性の設計を効率的に行うには,過去に流動実績ある振動特性を維持しつつも,構造を変更していく方法も重要になると考える.本発表では,構造体が有する固有振動数や,固有振動数とそのモード形状を変化させることなく構造変更を行う方法について紹介する.
14:30-15:10 圧電素子・DEAの流体制御機器への応用について
高砂電気工業株式会社 未来創造カンパニー 技術開発課 中野 有香
分析装置の小型化・ポータブル化により,分析装置に使用されるバルブやポンプといった流体制御機器も小型,軽量,低消費電力などへの対応が必要となります.これらに対応すべくこれまで主として用いてきたソレノイドに代わるアクチュエーター,圧電素子とDEA(誘電エラストマーアクチュエーター)を流体制御機器へ応用するための試作・検証実験による基本的な原理検証の結果を紹介します.
15:20-16:00 オートエンコーダを利用した構造物の簡易異常診断
豊橋技術科学大学 機械工学系 田尻 大樹
構造物において正常時から徐々に生じる異常のレベルと位置を,オートエンコーダを利用して診断する手法について検討している.対象物には階層構造物を取り上げ,その外壁の剛性の低下を異常とする.本講演では,数学モデルで計算した正常時の周波数応答をオートエンコーダに学習させるとともに,数学モデルで計算した異常時の周波数応答を用いて異常診断のための目安を定め,実構造物の異常を診断する手法を紹介する.
16:10-16:50 零空間行列を用いたマルチボディシステムの運動解析法
愛知工業大学 工学部 機械工学科 神谷 恵輔
複数の物体がジョイントで繋がれてできたシステムはマルチボディシステムと呼ばれる.マルチボディシステムの運動解析は,物体がジョイントで繋がれているという条件を表す拘束条件と,運動方程式の連立方程式を解くことになる.講演者は,これまでに拘束条件のヤコビ行列に対する零空間行列をもちいた解析法を提案してきた.今回の講演ではこれまでに提案してきた方法の考え方を述べるとともに,解析例を示す.
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 岐阜大学 松村 雄一
17:00 閉会
2022(令和4)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(現地参加25名+オンライン申し込み47名(未確認))
開催日: 2023年3月1日(水曜日) 13:20
会 場:ハイブリッド開催
Zoom開催,名古屋大学工学部1号館144講義室
プログラム
13:20-13:25 開会の挨拶 主査 井上 剛志
13:25-14:10 講演 3Dプリンタを用いた粒状体ダンパによる制振構造の提案
(株)豊田中央研究所 データ駆動型プロセス研究領域 増谷 隆志 氏
従来の製造方法では実現できない複雑な形状を得られる3Dプリンタは,金属を材料とする場合,サブmm程度の寸法精度で精細な構造を得られるSelective Laser Melting(SLM)が最も主流な方式である.SLMは粒径が数十μmの金属粉末を原料とするが,造形する部品の3Dモデルに閉空間がある場合,プロセス過程で部品内に金属粉末を封入できる特徴がある.つまり部品の外表面形状と封入空間の造形,および粒状体ダンパの付与を単一のプロセスで実現できる.本発表では,この提案手法を切削工具であるボーリングバーに適用した事例,さらに部品を模した板状試験片に減衰型多重動吸振器を一体造形した事例について紹介する.
14:20-15:05 講演 デジタル画像相関法と圧縮センシングを用いた振動モード同定技術
(株)構造計画研究所 次世代事業開発部 綿引壮真 氏
画像による変形計測技術は,対象物の挙動に影響を与えることなく,対象物の動的な変形挙動を面的かつ非接触で計測することができることから,構造物の振動特性の同定や,モニタリングへの活用が広がってきている.本発表では,画像変形計測技術であるデジタル画像相関法と,信号のスパース性を利用して高次元信号を少数観測から復元する方法論である圧縮センシングを組み合わせることで,カメラの撮影速度を超えた高い周波数の振動モードを同定する手法を紹介する.
15:15-16:00 講演 ソフトアクチュエータの振動応用と青果物品質評価技術への展開
豊橋技術科学大学 機械工学系 比留田 稔樹 氏
ソフトアクチュエータの一種である誘電エラストマーアクチュエータ(DEA)は軽量で高い伸縮性を有している.
DEAは電圧印加によって高い応答速度で動作するため振動への応用に適しており,従来のアクチュエータでは適用が難しかった対象の振動試験を可能とする.
ここでは,DEAを柔軟構造物の振動制御に適用した事例と,農業応用として青果物の硬さ評価を目的とした加振技術の開発事例を紹介する.
16:10-16:55 講演 アクチュエータの多自由度化と制御理論の構築
名古屋大学大学院 工学研究科 部矢 明 氏
機械の駆動源であるアクチュエータ,その駆動力発生機構の革新から多自由度化を実現し,新しい機械システムとして再構築する概念と原理を紹介する.また,多自由度化によって生まれる複雑なダイナミクスを制御する理論について紹介する.
16:55-17:00 事務連絡・今後の予定 主査 井上 剛志
17:00 閉会
2021(令和3)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者40名)
開催日:令和4年3月8日(火) 16:00~18:00
会 場:Zoom開催
プログラム
16:00-16:00 開会の挨拶 主査 井上 剛志
16:05~16:55 講演 パルスドライブ変速原理の提案
豊田中央研究所 土屋 英滋氏
”パルスドライブ”と名付けた新しい変速原理を提案する。この変速原理は機械と電気および変速機と変圧器の類似性に着目して考案した変速原理であり、変圧器においてスイッチング技術による小型高効率化が実現されたように、機械の分野の変速機でも同様の技術革新を起こすことを目指した原理である。本発表では、パルスドライブの定式化および実験による基本的な原理検証の結果を紹介する。
17:00~17:50 講演 部分構造変更・除去法を用いた連続体の振動解析
関西大学 山田 啓介 先生
部分構造合成法では系全体を部分構造に分け,それらの連成を考えてつなぎ合わせることで全体の振動問題を解くが,本講演では全体から一部の構造を除去,または変更することで振動問題を解く方法を報告する.また,連続体のモード解析で連続体を伝わる進行波を抽出する方法も紹介する.
17:55 事務連絡・今後の予定 主査 井上 剛志
18:00 閉会
2020(令和2)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者32名)
開催日:令和3年3月19日(金) 13:30~15:30
会 場:Zoom開催
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 主査 井上 剛志
13:35~14:35 講演 波動解析を利用した構造設計技術
豊田中央研究所 富田 直氏
音・振動の問題で課題となる共振現象は波動の重畳で発生するため、見通しよく共振を対策するために波動解析が重要な技術となる。本発表では、まず、製品設計の初期段階で共振現象を設計するための波動モデリング手法を紹介する。次に、構造体の共振を抑制するための弾性波のフィルタリング構造として注目される、周期構造のバンドギャップを利用したメタマテリアルを設計するためのモデリングについて研究例を紹介する。
14:45~15:45 講演 圧電素子を用いたスマートデバイスの機械-電気連成モデルの構築
金沢大学 浅沼 春彦先生
圧電素子を用いたデバイスはアクチュエータ,センサ,発電の用途に大別される.近年,高価な制御機器や外部電源を用いずに,これら用途の性能を飛躍的に向上できる自律駆動回路の開発が進められている.従来,線形圧電方程式を基にした1自由度系モデルが広く利用されているが,機械と電気の非線形現象を完全には再現できず,また,加振水準が大きく変化すると解析と実験に大きな差異が生じた.本発表では,これら圧電スマートデバイスの性能予測を可能にする新しい解析手法について報告する.非線形の圧電方程式を基にした機械-電気方程式,トランジスタを多用する自律駆動回路との機械-電気連成解析法を紹介する.
16:00 事務連絡・今後の予定 主査 井上 剛志
16:00 閉会
2019(令和元)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者25名)
開催日:令和元年11月 6日(水) 13:30~17:00
会 場:岐阜大学 サテライトキャンパス 多目的講義室
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 主査 井上 剛志
13:40-14:20 講演 回転機器の状態監視と予知保全についての技術・手法の紹介
株式会社システムプラス 坂口 優 氏
工場設備の故障は生産に大きな影響を与えることから,安定稼働を行うために保全が必要となる.最適な保全を行うためには設備の状態を知ることが不可欠であり,振動や騒音を検出して適切に診断を行わなくてはならない.本講演では回転機械を主たる対象とし,AIによる自動診断やショック検出信号処理,ワイヤレス技術の適用などに関して述べる.
14:30-15:10 講演 ACサーボモータを用いた放電加工機の高精度制御
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 今城 昭彦 氏
超高分解能の角度検出器を内蔵するACサーボモータとこのモータに供給する電流を極めて繊細に制御するサーボアンプからなるACサーボシステムの普及が急速に進んでいる.本講演ではこのACサーボシステム並びにそれを組み込んだ最終機械製品の性能を最大限に引き出すモデリングと制御について紹介する.ここで取り上げる放電加工機では,加工形状の高精度化と加工時間の短縮が製品性能を大きく左右する.このため加工機本体の力学特性を詳細にモデル化して制御システムに組み込むことが製品競争力強化のキーポイントとなっており,そのモデリングと制御の実際について紹介する.
15:20-16:00 講演 浮体式洋上発電用風車の振動解析
愛知工業大学 工学部 原田 祐志 氏
再生可能エネルギーのひとつである風力発電において,近年洋上での風力発電に注目が集っている.特に日本の海は遠浅ではないため,海に風車を浮かべて発電を行う浮体式風車による発電の実用化が期待されている.このような浮体式風車はブレードの回転だけではなく,波による励振を受けるため,複雑な振動が発生することが予測される.本研究では,簡単のため浮体式風車のブレードを1自由度系にモデル化し,系の線形化運動方程式が複数の周波数成分をもつ係数励振系となることを明らかにした.また,系のパラメータが係数励振項により生じる不安定振動の発生に与える影響を調べた.
16:10-16:50 講演 初期状態・入力・パラメータ同時推定手法と設備・機器診断への応用
名古屋大学大学院 工学研究科 浅井 徹 氏
常時稼働している設備には未知外乱が印加される。また、任意のタイミングで設備の診断を行うためには、データ取得開始時の初期状態を推定する必要もある。そこで本研究は、初期状態・パラメータ・未知入力を同時に推定する手法を提案し、その手法を設備診断に応用する方法を紹介する。
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 主査 井上 剛志
17:30-19:30 懇親会・技術交流会 バンビーナ・バンビーノ(参加者 16名)
2018(平成30)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者40名)
開催日:平成30年11月16日(金) 13:30~17:00
会 場:名古屋大学工学部 1号館10階 1101講義室
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 主査 井上 剛志
13:40-14:20 講演 タイヤの簡易3次元弾性リングモデルの開発と周辺技術
豊橋技術科学大学 機械工学系 松原 真己 氏
車体の基本設計・機能設計を行うため,計算コストが小さく,力学特性を良く表現できる個々の部品に特化した力学モデルの開発は重要な場合があります.タイヤにおいては剛体・弾性リングの低自由度力学モデルが提案されており,市販ソフトウェアとしても販売されています.発表者は3次元弾性リングを利用することで,従来よりも高周波側の振動特性を評価できる力学モデルを開発しています.これまでの取り組みと,その他の解析・計測の周辺技術の開発状況について報告します.
14:30-15:10 講演 液体ロケットエンジンの故障現象と動的シミュレーション
名古屋大学大学院 工学研究科 青木 宏 氏
昨今の高性能ロケットエンジンは,例外なくターボポンプ式である.その設計上,また運転条件設定上,動作点予測シミュレーションは不可欠となっている.流体の各部圧力・温度・流量,燃焼特性,ノズル性能などを網羅した基本シミュレータは,LE-5/7水素エンジン開発までに完成した.しかし,その後の打ち上げ失敗などに鑑み,故障現象の再現や故障限界余裕の予測を可能とするシミュレータが求められてきた.計算機空間上で潜在する故障を検出し設計を改善できれば,燃焼実験規模ひいては開発コスト・リスクの相当の削減が期待できる.今回は,致命的故障の一例として,ロケットエンジンの寿命を支配する燃焼室スロートの起動停止過渡熱負荷に注目し,その初期設計条件・運転条件によってどのように軽減できるか,またその設計変更によって他のエンジン構成要素の負荷・全体性能にどのように影響が及ぶかを検討した例を紹介する.
15:20-16:00 講演 人工知能を活用したエンジン起動時振動のばらつき要因解析
トヨタ自動車株式会社 車両技術開発部 下出 健人 氏
エンジン起動時振動のばらつきの要因解析は,振動理論に基づく現象解析や多変量解析では,強制力に関係する制御値が膨大で限界があった.そこで,本研究では多変量の複雑な関係を再現できる機械学習に着目し,因子の寄与度を定量化できるランダムフォレストを要因解析に適用した.更に,解析モデルにより本手法による要因解析の妥当性を検証した.
16:10-16:50 講演 1DCAEと1Dモデリング
村田機械株式会社 L&A事業部 田尻 明子 氏
1D-CAEツールは一見使いやすく,ツール上に用意された要素を組み合わせるだけでそれらしいモデルができあがる.しかし,その本質的な意味を理解していないと実機での応用的なモデリングを行うことは困難である.本講義ではオープンソースであるOpenModelicaの中身を分解して1DCAEモデルの本質的な部分を紹介し,最近注目されている1D-CAEツールおよび1DCAEの概念に基づくモデリングとは何かを説明する(OpenModelicaの実演を含む)
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 主査 井上 剛志
17:30-19:30 懇親会・技術交流会 ビストロ レズゥドール(参加者 21名)
2017(平成29)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者20名)
開催日:平成29年12月1日(金) 13:30~17:00
会 場:名古屋大学工学部 1号館4階 142講義室
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 主査 井上 剛志
13:40-14:20 講演 周期構造理論を用いた効率的なモデル化
ダッソー・システムズ株式会社 高阪 文彦 氏
計算機の演算能力の向上により,大規模FEモデル解析が多く行われている.しかし,そのようなFE解析では高周波数域まで解析を行おうとすると,要素数が膨大になり計算効率が悪くなる,または,モード数が非常に多くなり寄与の高いモードを見つけることが難しくなるなど,設計をするにあたり効率的でなくなってくる.本発表では,そのような問題に対して効率的に解析を行うことができる周期構造理論を用いたモデリングについて述べ,その一つとして,風切り音予測におけるドアガラスシール(ランチャンネル)のモデル化について紹介をする.
14:30-15:10 講演 来るべきIoT時代に向けた新たな制御器設計について
名古屋大学大学院 工学研究科 機械システム工学専攻 藪井 将太 氏
近年,情報機器の発展は目覚ましく,特にコンピュータの計算能力は飛躍的に向上し,大量のデータ処理が可能になっている.また,様々な「モノ」が情報交換することにより相互に制御する仕組みであるIoTに関する技術開発も盛んに行われ,近い将来,様々な「モノ」のIoT化が進むと予想される.このような背景の下,制御系設計においては,大量のデータをリアルタイムで情報交換できる環境を活かした,技術の開発が必要だと思われる.そこで,次世代の産業機器開発に向けたIoTとビッグデータを活かした制御系設計を提案する.
15:20-16:00 講演 表面テクスチャリング技術を用いた超低トルク・ゼロリークメカニカルシールの開発
-ロバスト最適化設計技術の導入による開発の高効率化と製造業経営への貢献-
イーグル工業株式会社 技術本部 技術研究部 部長 井上 秀行 氏
メカニカルシールに要求される性能は年々厳しくなっており,シール対象物の高温・高圧化や機械の高速化などのニーズの多様化に加え,低負荷,低エネルギー損失など環境への配慮が求められています.これらに対応すべく開発した次世代型メカニカルシールに用いている表面テクスチャリング技術は、超低トルクとなる潤滑機能とゼロリークという密封機能を両立させるために今や無くてはならない必須の技術となっております.本講演では,この次世代型メカニカルシールの開発するにあたっての効率良い表面テクスチャリング技術構築に関して,構造解析や流体解析などのCAE活用事例とロバスト最適化事例を製造業経営への貢献と絡めて紹介致します.
16:10-16:50 講演 触感ディスプレイの最新動向
名古屋大学 機械システム工学専攻 岡本 正吾 氏
今では当たり前になったタッチパネルは,硬くて平らなもので,触感などありません.パネルを通じて指に与える機械的な刺激や摩擦を制御することで,触感を作り出す触感ディスプレイ技術は,近年の急速なタッチパネルの普及によって注目されています.同分野の最新動向や残された問題を整理しながら,今後についてお話しします.
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 主査 井上 剛志
17:30-19:30 懇親会・技術交流会 ビストロ レズゥドール(参加者 21名)
2016(平成28)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者23名)
開催日:平成28年11月11日(金) 13:30~17:00
会 場:岐阜大学サテライトキャンパス 多目的講義室(中)
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 愛知工業大学 神谷 恵輔 教授
13:40-14:20 講演 「糸の柔軟マルチボディダイナミクスを用いたモデル化と応用の取り組み」
村田機械株式会社 竹内 秀年 氏
弊社では糸を加工する繊維機械を作っている.糸は通常ボビンに巻かれており加工時にボビンから糸を解く.機械の生産性向上のために糸を解く速度を上げるが,そのままでは糸表面が荒れたり,糸が切れることがある.従来は実験的手法で開発を進めていたが,高速に運動する糸の局所的な力学特性を測定することは不可能でであった.そこで現在柔軟マルチボディダイナミクスの手法を用いて糸の挙動を数値解析し,糸の各場所の時間変動する力学特性を把握する試みをおこなっている.今回はその取り組みと現状について紹介する.
14:30-15:10 講演 「切削加工における自励振動現象とその安定性解析および抑制」
名古屋大学 大学院工学研究科 鈴木 教和 氏
切削加工においては,びびり振動と呼ばれる自励振動現象が生じてたびたび問題となる.エンドミル加工においては,回転工具の切れ刃が前の切れ刃による加工面を切削するプロセスにおいて,時間遅れを伴う振動の再生効果が発現してプロセスを不安定化するメカニズムが知られている.本講演では,プロセスをモデル化し,周波数領域および時間領域において安定性を評価する解析手法について解説する.さらに,複数刃エンドミルの最適設計により,再生効果を相殺してびびり振動の安定性を向上する手法について紹介する.
15:20-16:00 講演 「ロケットエンジン用ターボポンプのロータ系の最適設計・システム設計 」
宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 内海 政春 氏
ロケットターボポンプは,典型的な超高速回転のターボ機械であり,エネルギー変換のための機械システムである.流体エネルギーを機械エネルギーに,また,機械エネルギーを流体エネルギーに変換する目的で使われる.そのエネルギー変換の際に,騒音・振動・熱といった大きな損失が発生するが,特に軸振動を伴う場合は,ターボ機械自体やプラント全体(ロケットエンジン)の健全性や安全性に影響を及ぼすため発生の回避は重要な課題となっている.ロータシステムを構成するサブシステムの配置・配列を設計因子にすることで,軸振動特性に優れたロータシステムの設計解を導出する手法を紹介する.
16:10-16:50 講演 「低周波こもり音を予測するための1DCAE用モデル」
岐阜大学 古屋 耕平 氏
自動車の設計仕様を決定する概念設計段階で車室内のこもり音を予測し,設計指針を決定するための情報を提示するツールが求められている.このような背景から,本研究ではビーム要素とばね要素からなる1DCAE用二次元車体モデルを作成した.また車室内音場を表現するための二次元音響モデルも作成し,二次元車体モデルと連成させ低周波こもり音を計算した結果を示す.
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 名古屋大学 井上剛志
17:20- 懇親会 岐阜駅近くのイタリアンレストラン(参加者 21名)
2015(平成27)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者27名)
開催日:平成27年12月4日(金) 13:30~17:00
会 場:名古屋大学 ベンチャービジネスラボラトリ 3Fベンチャーホール
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 名古屋大学 井上 剛志
13:40-14:20 講演 「共振型圧電振動発電による自己給電式振動状態監視に関する研究」
中部大学工学部 機械工学科 安達 和彦
話題提供者らの研究グループは,片持ちはり型の圧電振動発電により,加振周波数57Hz,加振強度0.026Gの定常振動下で0.1mWの交流電力の発電実績を有する.この実績を元に,自己給電式の回転機械向け振動状態監視システムの開発を目標として,低消費電力の加速度センサによる振動計測と計測した加速度波形の無線伝送に取り組んでいる.本講演では,機械共振型の圧電振動発電を回転機械向け振動状態監視の電源とすることのメリットとデメリット,直流電力でのエネルギー変換効率,大容量コンデンサを用いることで供給可能な直流電力の増大について紹介する.さらに,無線デバイスによる加速度波形の伝送実験について簡単に紹介する.
14:30-15:10 講演 「マルチボディモデルによる動力学シミュレーションと動作生成」
名古屋大学大学院工学研究科 機械理工学専攻 田崎 勇一
三次元空間上の剛体の拘束運動を表現するマルチボディモデルを用いた動力学シミュレーションの計算手法と,それを応用したロボットの動作生成について述べる.マルチボディシミュレーションの高速計算技術は,ゲームやVR,ロボットの数値実験などに幅広く用いられている.その技術の根幹の一つは,剛体の位置と速度が所定の運動学的拘束を満たすために作用すべき拘束力の計算問題である.この問題を瞬時から時系列に拡大することで,マルチボディモデルの動作計画問題が得られ,同様の手法により高速計算が可能であることを示す.
15:20-16:00 講演 「電動コンプレッサの振動解析 - ASSY振動伝達モデル化手法の開発 -」
(株)デンソー 技術開発センター 大室 幸絵
電動コンプレッサを小型化するために高回転化が必須である.それに伴い,NVが課題となってきた.この課題を解決するため,電動コンプレッサ動作中の振動を予測し,低減対策のめど付けができる振動解析の技術開発に取り組んでいる.コンプレッサの振動は,圧縮力やアンバランスで発生した加振力が部品間を伝わり,伝達特性により励起や減衰されて観測される.本講演では,これら加振力と伝達特性のモデル化手法について紹介する.
16:10-16:50 講演 「自動車で発生する狭帯域風騒音の発生メカニズム」
スズキ(株) 四輪プラットフォーム設計部 橋爪 祥光
自動車で発生する風騒音は,大きく2つに分けられる.1つは,ピーとかポーとかいう狭い周波数をもつ狭帯域風騒音であり,乗員にとって,非常に 気になる音で異音とかいわれている.もう一つは,広い周波数にわたって発生する音で,静粛性といった性能に関わる騒音である.前者は,発生させてはならない品質問題であり,ここでは,前者の自動車で発生する狭帯域風騒音について述べる.今まで経験した具体的な狭帯域風騒音について,発生部位と測定音圧スペクトルや想定している発生メカニズムを説明する.
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 名古屋大学 井上剛志
17:20- 懇親会 名古屋大学 フレンチレストラン シェ・ジローにて
2014(平成26)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者31名)
開催日:平成26年11月21日(金) 13:30~17:00
会 場:名古屋大学 ベンチャービジネスラボラトリ3F ベンチャーホール
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 名古屋大学 井上 剛志
13:40-14:20 講演「近未来の月惑星探査機への実装を目指した新しい着陸機構の研究」
名古屋大学大学院工学研究科 機械理工学専攻 原 進
これまで,月や火星などへ送り込む探査機の着陸機構はエアバッグやハニカムクラッシュの利用が多かった.今後の月惑星探査の目的は基地建設であり,これには斜面や段差であろうが降りたいポイントに確実に降りられる着陸機構が必須となる.位置決め精度のないエアバッグや地上試験を行った後に使えないハニカムクラッシュではこれが達成できない.この達成のために講演者らが最近研究してきた新しい原理による着陸機構(モーメント交換型ならびにエネルギー交換型)について紹介する.また,探査機以外の機械構造物への応用の見通しについても触れる.
14:30-15:10 講演「人間運動のインピーダンス特性と機械の制御への適用」」
三重大学大学院工学研究科 機械工学専攻 池浦 良淳
人は筋骨格系の特性から様々にインピーダンス特性を変化させることができる.このような人間運動のインピーダンス特性を組み込むことにより,ロボットなど機械の性能向上を実現することができる.そこで,人間どうしの協調運搬動作における人間のインピーダンス特性から,人にスムーズに協調できる産業用パワーアシスト装置を開発した例を紹介する.また,モータなどの駆動装置を用いずにインピーダンス特性を実現した作業用アシスト機器,さらには,射出成形機やプレス機などの生産設備にインピーダンス特性を組み込んだ例についても紹介する.
15:20-16:00 講演「モータの振動解析」
(株)豊田中央研究所 システム・エレクトロニクス2部 齋藤 彰
HV・EVの普及に代表される車両電動化にともない,モータの音・振動特性への要求が高まっている.モータ駆動時には,スロット起因高調波やPWM制御に起因した高周波数成分を含んだ電磁力がロータ・ステータ間空隙部に発生する.このため,モータの振動応答も高周波数成分を含んだ複雑な挙動を示し,予測が困難である.本講演では,モータの振動特性を広範な運転条件において予測するための,強制振動解析手法について紹介する.
16:10-16:50 講演「工作機械の構造仕様(剛性・減衰)を考慮したびびり振動安定性予測」
(株)IHI 技術開発本部 機械技術開発部 品川 幹
工作機械を開発する際の懸念事項としてびびり振動の発生がある.びびり振動は,製品の品質を大幅に低下させるばかりでなく,工具・工作機械本体に損傷を与える場合もあり対策が求められる.本講演では,工作機械本体がびびり振動を抑制できる構造仕様,特に剛性(工具,フレームおよび駆動部)と案内部の摩擦(減衰)がびびり振動安定性へ及ぼす影響について説明する.
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 名古屋大学 井上剛志
17:20- 懇親会 名古屋大学 フレンチレストラン シェ・ジローにて
2013(平成25)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者31名)
開催日:平成25年11月8日(金) 13:30~17:00
会 場:名古屋大学 ベンチャービジネスラボラトリ3F ベンチャーホール
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 岐阜大学 松村雄一
13:40-14:20 講演「人間の歩行バランス分析と補助ロボットへ応用」
名古屋大学 機械理工学専攻 香川 高弘
高齢者の転倒は歩行障害や寝たきりになる主要因の一つであり,転倒を防ぐには歩行バランス動作を分析することが重要である. 本講演では,歩行の重心運動を倒立振子でモデル化して歩行バランスを分析する方法と,若年者による外乱歩行の実験について紹介する. また,このモデルを歩行補助ロボッ トの転倒防止に応用する試みについて紹介する.
14:30-15:10 講演「車載蓄電池を活用した現実的なエネルギー管理システムを目指して」
名古屋大学 機械理工学専攻 稲垣 伸吉
我が国の発電環境は原発事故以降ますます流動性を増している.そのような流動 性に対して系統電力を安定化し,効率的に電力を管理するための技術の 開発は 喫緊の課題である.電力(エネルギー)の管理システム(Energy Management System: EMS)は,その対象に応じてHEMS(Home EMS),BEMS(Building EMS),CEMS(Community EMS)などと呼ばれ,国内外で研究が進んでいる.いず れのEMSにおいても,エネルギー管理のバッファとして大型蓄電池が必要不可欠 であると考えられて いるが,大型蓄電池は導入コストが普及に対するボトル ネックになっている.発表者が属する研究グループは,この問題に対し,家庭内 で充放電を行え る蓄電池を備えた電気自動車(Electric Vehicle: EV)やPlug- in Hybrid Vehicle(PHV)に着目してきた.つまり,EV・PHVを単なる移動手段 としてではなく,家庭の,地域の電力貯蔵にも利用しようということであ る.EV・PHVの蓄電池は容量が大きく,今後,EV・PHVは一般家庭により普及する ものと考えると,EMSの蓄電池として,EV・PHVの車 載蓄電池の利用は最も現実 的な選択であると考えられる.本発表では,本研究グループで研究を進めてきた 「車載蓄電池を利用したモデル予測型 EMS」について,その定式化や得られる効 果について説明する.特に,本来移動手段として使われるEV・PHVをEMSとしてど のように扱うべき かという点に着目し,説明する.
15:20-16:00 講演「超高速エレベータの快適設計」
三菱電機(株)稲沢製作所 開発部 佐久間 洋一
建築物の超高層化に伴い,エレベータ輸送効率向上を目的とした速が進んでい る.単に高速化を行うと,乗り心地の悪化,騒音の増加,気圧差による耳つん の発生など,利用者へ影響を伴う為,これらの技術課題克服方法について紹介する.
16:10-16:50 講演「ライディングシミュレータの開発」
ヤマハ発動機(株)システム安全技術研究部 原薗 泰信
オートバイの開発において車両運動を安全に再現するライディングシミュレータ への期待が高まってきている.このライディングシミュレータにおいて ライ ダーとシミュレーションを繋ぐインターフェイスとなるモーションベースには人 間を含むフィードバック制御系が存在しており自励振動を生じる. これを安定 化することでライディングシミュレータの操縦性が向上すると共に,これまで困 難とされていた低速走行の再現を可能とした.
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 名古屋大学 井上剛志
17:20- 懇親会 名古屋大学 フレンチレストラン シェ・ジローにて
2012(平成24)年度 東海ダイナミクス・制御研究会(参加者34名)
開催日:平成24年11月9日(金) 13:30~17:00
会 場:名古屋大学 工学部1号館 133講義室
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 名古屋大学 井上剛志
13:40-14:20 講演「「人工筋肉」を目指す高分子アクチュエータ」
名古屋大学 機械理工学専攻 高木 賢太郎
近年,電場に応答して大きく変形する高分子材料が開発されてきており,電場応答性高分子と呼ばれている.本講演では電場応答性高分子の概要を紹介し,講演者のグループによるアクチュエータとしての応用に関する研究を紹介する.
14:30-15:10 講演「4本指ハンドによる自動車部品の最適把持」
名古屋大学 機械理工学専攻 中島 明
自動車生産ラインにおける人間の作業工程の一種として,ドアの組み立て作業などがある.本研究では,部品一式を配膳する組立支援システムの開発を目標として,4指ハンドによる組み立て部品の最適把持を行った.外乱にロバストな把持力,把持点の決定法,およびドアミラーの把持実験結果について紹介する.
15:20-16:00 講演「エンジンコンロッド用針状ころ軸受における保持器応力の2次元動力学解析」
NTN(株)先端技術研究所 坂口 智也
二輪車の単気筒エンジンにおけるクランク軸とコンロッドの連結には,針状ころ軸受が多用されているが,運転条件が高速・高負荷になると,軸受の保持器が破損することがある.本講演では,この保持器に発生する応力を,ころと保持器の運動および保持器の弾性変形を考慮した動力学モデルで解析した結果を紹介する.
16:10-16:50 講演「自動車の静粛性向上のための実験とCAE解析技術」
三菱自動車工業(株) 開発部 清野 裕之
自動車の静粛性向上のためには,車内音に対するパワープラント,ロードノイズ,空力騒音などの音源の寄与を明らかにし,それら成分音の低減と軽量化が両立できる構造を効率よく検討する必要がある.今回,これを実現するために必要な実験とCAE解析技術について紹介する.
16:50-17:00 事務連絡・今後の予定 名古屋大学 井上剛志
17:20- 懇親会 名古屋大学 フレンチレストラン シェ・ジローにて
2011(平成23)年度 東海ダイナミクス・制御研究会
開催日:平成24年1月31日(火) 13:25~17:00
会 場:豊橋技術科学大学 豊橋駅前サテライト・オフィス
プログラム
13:25-14:20 講演「永久磁石を用いた無制御磁気浮上回転体に関する研究」
愛知工科大学 機械システム工学科 村上 新
1990年代より,永久磁石の反発力とジャイロ効果を利用し,無制御で回転体を安定浮上させる玩具が市販されている.この原理を応用した安価なエネルギー貯蔵用フライホイールの開発を目指し,回転体の質量および慣性モーメントや磁石の構成などが安定浮上条件に与える影響について報告する.
14:30-15:20 講演「スマートワッシャによるボルト緩み評価診断システム」
愛知工業大学 工学部 機械学科 奥川雅之
本講演では,機械構造システムに多用されているボルト締結体の緩み検査に関する現状とボルト緩み評価診断手法に関する国内外の研究開発動向を紹介し,著者らの提案するボルト緩み評価診断システムについて最新の研究成果を中心に述べる
15:20-16:00 講演「ブリージングクラックを有する構造物の振動解析とクラック検出」
愛知工業大学 工学部 機械学科 神谷恵輔
疲労などにより生じたクラックは,振動中に開閉する.このようなクラックはブリージングクラックと呼ばれる.クラックが開閉するとクラック部の剛性が変化するため,ブリージングクラックを有する構造物は非線形系となる.この講演ではブリージングクラックを有する構造物の振動解析法を紹介し,この解析法に基づくクラック検出法について述べる.
16:10-16:50 講演「外力同定を援用したブリージングクラックはりの異常診断」
豊橋技術科学大学 機械工学系 河村庄造
講演者らは外力同定を利用した構造物のモデルベース異常診断手法を提案し,その手法を改良すると共に,静止構造物や回転機械に適用してきた.本講演では,初めに診断手法の概要を述べ,その後,ブリージングクラックを有するはりの異常診断を行った結果について紹介する.
2010(平成22)年度 東海ダイナミクス・制御研究会
開催日:平成22年11月30日(火) 13:00~17:00
会 場:名古屋大学 東山キャンパス 大学院工学研究科1号館1階 121講義室
プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 豊橋技術科学大学 河村庄造
13:30-14:30 講演「空力騒音の発生機構と低減技術に関する研究」
豊橋技術科学大学 機械工学系 飯田明由
自動車や新幹線などの高速車両では空力的に発生する騒音が問題となっている.空力騒音低減技術を開発するため,流れと音の同時計測技術,音響解析技術の開発を進めている.高速PIVや感圧塗料を用いた空力音源の探査技術や数値解析手法について紹介するとともに,ドアミラー騒音やパンタグラフ騒音の低減対策事例を報告する.
13:35-15:35 講演「エンジン振動解析用ボルトモデルの高精度化」
スズキ株式会社 デジタル技術部 坂元美定
エンジンの固有振動数をCAEで予測するために,高精度なボルト締結モデルを開発した.ボルトの弾性変形を考慮して,モーダル実験とのコリレーションを行い,ボルト軸力による締結物の接触範囲の最適値を求めた.これにより,固有振動数誤差が3.3%以下の振動解析モデルを開発することができた.
15:50-16:50 講演「自動車振動騒音の性能向上に向けたCAEの取組み
トヨタテクニカルディベロップメント株式会社 第3CAE技術部 城戸一郎
疲労などにより生じたクラックは,振動中に開閉する.このようなクラックはブリージングクラックと呼ばれる.クラックが開閉するとクラック部の剛性が変化するため,ブリージングクラックを有する構造物は非線形系となる.この講演ではブリージングクラックを有する構造物の振動解析法を紹介し,この解析法に基づくクラック検出法について述べる.
16:10-16:50 講演「外力同定を援用したブリージングクラックはりの異常診断」
豊橋技術科学大学 機械工学系 河村庄造
講演者らは外力同定を利用した構造物のモデルベース異常診断手法を提案し,その手法を改良すると共に,静止構造物や回転機械に適用してきた.本講演では,初めに診断手法の概要を述べ,その後,ブリージングクラックを有するはりの異常診断を行った結果について紹介する.
2009(平成21)年度 東海ダイナミクス・制御研究会
開催日:平成21年10月26日(月) 13030~17:00
会 場:愛知工業大学 本山キャンパス
プログラム
13:05-14:05 【エンジンマウント,振動抑制,他】
13:05-13:25 論文紹介(1) 2009-01-2034
愛知工業大学 神谷恵輔
Vibration Analysis of Powertrain Mounting System with a Combination of Active and Passive Isolators with Spectrally-varying Properties
13:25-13:45 論文紹介(2) 2009-01-2127
豊橋技術科学大学 河村庄造
Design of Shape for Visco-elastic Vibration Isolation Elements by Topological and Shape Optimization Methods
13:45-14:05 論文紹介(3) 2009-01-2209
豊橋技術科学大学 河村庄造
Reconstruction of a Vibration Field from Acoustical Measurements: A New Inverse Method Based on the Concept of ≪Pellicular Acoustic Modes≫
14:20-15:20 【ダンパ,減衰】
14:20-14:40 論文紹介(4) 2009-01-2062
名古屋大学 井上剛志
Study on Natural Torsional Vibration Characteristics of Dual Mass Flywheel - Radial Spring Type Torsional Vibration Damper
14:40-15:00 論文紹介(5) 2009-01-2152 2009-01-2062
名古屋大学 高木賢太郎
A Method for Torsional Damper Tuning Based on Baseline Frequency Response Functions
15:00-15:20 論文紹介(6) 2009-01-2144
愛知工科大学 村上 新
Use of an Electromagnetic Damper for Active Suspension System of a Road Vehicle
15:35-16:35 【解析,他】
15:35-15:55 論文紹介(7) 2009-01-2066
中部大学 細川健治
Vibration Analysis of a Composite Shaft
15:55-16:15 論文紹介(8) 2009-01-2094
滋賀県立大学 大浦靖典
Noise Reduction of Electrically Powered Mass Rapid Train by Improving the Contact Conditions between the Rubbing Plates and the Friction Blocks
16:15-16:35 論文紹介(9) 2009-01-2196
豊橋技術科学大学 感本広文
Structure-Borne Vehicle Analysis Using a Hybrid Finite Element Method
【抄録のみ作成】
論文紹介(10) 2009-01-2223
愛知工業大学 神谷恵輔
Vibration Analysis of a Composite Shaft
論文紹介(11) 2009-01-2068
(株)豊田中央研究所 稲垣瑞穂
Use of a Hybrid FE-SEA Model of a Trimmed Vehicle to improve the design for interior Noise
論文紹介(13) 2009-01-2212
三菱自動車工業(株) 清野裕之
Vibro-Acoustic Simulation of Mechanical Components Excited by Distributed Random Loads
2008(平成20)年度 東海ダイナミクス・制御研究会
『SAE論文に見る最新のダイナミクス・制御関連研究の紹介』
開催日:平成20年9月29日(月) 13:30~17:00
会 場:名古屋大学 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー3階 ベンチャーホール
プログラム
13:40-14:10 論文紹介(1)【制御関係】2008-01-0585 名古屋大学 井上剛志
Application of Adaptive Kalman Filter for Estimation of Power Train Variables
14:10-14:40 論文紹介(2)【自励振動(鳴き)関係】2008-01-0826 滋賀県立大学 栗田 裕・大浦靖典
The Measurement and Analysis of the Disc/Pad Interface Dynamic Centre of Pressure and its Influence on Brake Noise
14:40-15:10 論文紹介(3)【音源同定関係】2008-01-072 愛知工業大学 神谷恵輔
Noise Source Identification of a Diesel Engine using Inverse Boundary Element Method
15:30-16:00 論文紹介(4)【解析法関係】2008-01-0269
豊橋技術科学大学 河村庄造
Combining Energy Boundary Element with Energy Finite Element Simulations for Vehicle Airborne Noise Predictions
16:00-16:30 論文紹介(5)【衝突関係】2008-01-0506
豊橋技術科学大学 感本広文
2D Vehicle-to-Vehicle Frontal Impacts: A Numerical Study
2007(平成19)年度 東海ダイナミクス・制御研究会
開催日:平成20年2月5日(火)
名古屋大学 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー3階 ベンチャーホール
プログラム
13:30-14:10 「機械の状態監視と診断」概要
豊橋技術科学大学 河村庄造
14:10-14:50 「機械の状態監視と診断に関するISO規格の話題」
名古屋大学 井上剛志
15:00-16:00 特別講演「事象駆動型制御システムの故障診断 ~確率モデルによるアプローチ~」
名古屋大学 鈴木達也教授
本講演では,Programmable Logic Controller に代表される離散的でかつ事象駆動型の制御システムに対する故障診断問題を考える.提案手法は事象の生起間隔を時間付きマルコフモデルにより表現し,その表現に基づいた局所的な診断とベイジアンネットワークを用いて局所的な診断結果を結合することにより得られる大域的な診断とから構成される.また,具体的な自動搬送ラインに対する実験を通してその有用性を示す.
16:10-17:00 事例紹介「エスカレーターの異常診断技術」
三菱電機(株) 先端技術総合研究所 蔦田広幸様