入賞事業一覧

青森から福島まで、総勢13本の選りすぐりの事業のご応募ありがとうございました!

厳正なる審査の結果、大賞1本、優秀賞2本、奨励賞4本、審査員特別賞1本を決めさせていただきました。

受賞された事業ご関係者のみなさま、おめでとうございます。

大賞

[たみこの海パック SDGsへの取り組み]

たみこの海パックSDGsへの取り組みfile1.pdf

たみこの海パック(宮城県)

東日本大震災後、持続可能型の漁業を志した宮城県南三陸町戸倉地区カキ養殖業者の取り組みが、2016年3月、環境や地域社会に配慮した養殖業だけが与えられる国際認証「ASC認証」を日本初の取得につながった。そうした海の恵みを基に、持続可能な地域社会の実現に向けた様々な取り組みが、たみこの海パック(代表:阿部民子)を中心に、関係団体との協力を得ながら継続的に行われている。

漁業体験事業を通じて、豊かな海を守る取り組みとその必要性、決まりを守ることの大切さについて発信している。海藻類の廃材を有効活用して海藻ワークショップ(ふりかけ作り体験)を行うなど、フードロスの削減にも努めている。雇用管理では家庭や子供の事情による短時間勤務や休みの融通を利かせ、フルタイムで働けない子育て世代の雇用を大事にしている。また障がい者支援施設に、商品パッケージへのシール貼り作業を委託し、障がい者の所得向上に努めている。

優秀賞(応募順)

[仙台荒町子まもりプロジェクト]

仙台荒町子まもりプロジェクト2022.pdf

仙台荒町子まもりプロジェクト実行委員会

荒町商店街振興組合、荒町児童館、荒町市民センター(宮城県)

仙台荒町子まもりプロジェクトは子どもの防犯を中心とした地域防犯の意識を高め、年間通して子どもたちに温かい眼差しを365日向ける活動である。2008年から子まもりハロウィンの活動をしていた荒町商店街振興組合(仙台市若林区)が発案し荒町児童館、荒町市民センターと協同で2020年に立ち上げた。荒町小学校区内を10月1ヶ月間子まもり防犯月間として、警備会社、警察署の協力のもと荒町地区の地域資源である16の機関・団体・企業が連携してそれぞれが主体的に防犯活動を実施。各団体の強みを活かし、様々な角度から地域防犯をアプローチすることで、安心安全なまちづくりへ荒町小学校区内エリアで防犯意識を高めていくことを目指している。また『どこの町でも実現可能な仕組みづくりも念頭に』市内に広がるよう発信もしてきた。

今年度は『地域連携で、ながら見守り365日へ』をテーマにスタート。隣り町の連坊小路小学校区でも『子まもりハロウィンから子ども防犯を行いたい』と連坊小路の児童館から相談を受け実施に至るなど広がりを見せている。

[地域で支え合うコミュニティビジネス事業]

コミュニティビジネス事業NPO法人SET2022.pdf

特定非営利活動法人SET(岩手県)

陸前高田市広田町は東日本大震災の影響を受け、かつて商店街と言われた賑わいを失った。また新型コロナウイルスの影響により地域コミュニティの希薄化が加速した。地域外から移住した若者が主体となり、農園づくりやカフェの運営による交流の場を創出し、また地域食材配達サービスや弁当の提供という食を通じたコミュニティの再構築に取り組んできた。移住者の雇用創出や地域住民の町への愛着醸成につながり、持続可能なふるさとづくりを目指している。

地域で支え合うコミュニティビジネス事業では以下の4つに取り組んでいる。【①パーマカルチャー農園】【②コミュニティカフェ「カフェ彩葉」】【③地域食材配達サービス「ぴいろたお届け便」】【④菜食ランチプレート「めぐる」】

奨励賞(応募順)

[ミライ思考2022summer南三陸 国際認証材で作る木製品デザインコンテスト]

あすなろ学院 ミライ思考.pdf

(株)学研スタディエ 東北事業本部 あすなろ学院(宮城県)

持続可能な社会の創り手・地元みやぎの担い手育成を目指し、春・夏・冬の年3回、SDGsに取り組む行政企業団体を子ども達に紹介する大規模無料ワークショップ「ミライ思考」を開催。

今夏は南三陸町で、FSC認証取得をけん引した(株)佐久と、震災後地域住民の雇用と交流の場として開設され、現在はFSC-COC認証を取得して、南三陸杉を使用した製品企画制作販売や、ワークショップを行う南三陸YES工房監修の動画を小学生に見てもらい、身の回りの非木材製品に一工夫を加えた木製品を子ども達にデザインしてもらう。優秀作品については、YES工房が実際に製品化して子ども達にプレゼントを予定している。また、イベント内では南三陸杉間伐材でSDGsバッジを作りながら、わいわいと子ども達の発想力を高める工夫を行っている。

[アップサイクル商品の開発を通じた若者による持続的な地域づくりプロジェクト]

アップサイクル商品の開発を通じた若者による持続的な地域づくりプロジェクトfile.2 (3).pdf

Kokage Kitchen(福島県)

現在Kokage Kitchenでは、地域に人が関われる仕組みづくりの一つとして、福島県川内村の未活用資源であるそば粉を使用したそば粉ワッフルの販売事業を行っている。この事業を行う中で、農産物生産者の方々から相談を受け、規格外フルーツの廃棄の現状を知った。それは流通ルート上での食物の廃棄ではなく、それ以前の出荷前に発生する「隠れ食品ロス」である。また、福島県内の特に浜通りには、原発からの影響もあり耕作放棄地が多く存在している現状がある。

これらの土地とモノの未活用資源を生かし、かつ地域に人が継続的に関われる仕組み作りとして、アップサイクル商品を核としたお茶ブランドを立ち上げることを企画した。耕作放棄地で県内の高校生、大学生とハーブを栽培し、規格外のフルーツをドライフルーツとしてハーブとブレンドしたフルーツハーブティーを福島県の新たな産品として開発することを目指している。このハーブティーは購入して飲んで終わりという今までの消費とは違い、買うことから始まる消費者と生産者のつながりを目指し、学生による農家へのインタビュー記事の添付や農業体験イベントの実施等、次につながる仕組みを作りだそうとしている。

[インクルーシブスポーツキャラバン]

インクルーシブスポーツキャラバン.pdf

尚絅学院大学 (宮城県)

障害の有無に関わらず親子で参加できるスポーツイベントを県内各地で開催している。開催に当たっては、各自治体の協力を仰ぎ、2021年度は9つの自治体で計10回イベントを開催し、参加者延べ人数は800名を超えた。

障害児のための余暇支援は、福祉サービスを中心に障害児のためだけに設計されたものであったが、福祉サービスとは異なる立場から複数の団体の連携により障害に配慮しつつも障害の有無に参加できるイベントを実現している。

普段は支援される側の知的障害者が、イベントスタッフとして子どもたちを支援する側に立ち、社会に貢献することを実感できている。年度初めのイベントではJFA公認資格であるキッズリーダーの講習を実施している。ボランティアに参加する大学生に加えて、知的障害者サッカーチームであるSendai Forzaの選手も資格の取得にチャレンジした。

[ジェンダー視点を取り入れた防災教育]

ジェンダー視点を取り入れた防災教育:活動内容(file.3).pdf

一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと (青森県)

青森県内外の小中高大の学校教育において、東日本大震災の教訓等を活かし、「ジェンダー視点を取り入れた防災教育」を展開することで、次世代の災害時における実践的な力量を形成するとともに、男女共同参画の意識向上の推進につなげている。

避難所運営体験では、「誰一人取り残さない避難所」のモデルルームを設営し、臨場感に富んだ模擬体験を行うことで、自分事として考え、ジェンダー等に関する意識変容にもつながっている。そしてこの取組みは、災害時のみならず、平時におけるジェンダー平等や多様性配慮への気づき、防災意識の向上、「持続可能な社会の創り手」の育成に貢献している。

実施に当たっては学内の取組に留めず、地域住民、自治体、教育委員会、女性消防団、防災士等を巻き込み、パートナーシップで実施することで、学校と地域をつなぐ場づくりにもなり、広範な関係者への防災知識の普及にもつながっている。

審査員特別賞

[フェニックスプラン SDGs教育の全校展開]

フェニックスプラン仙台高等学校2022.pdf

仙台市立仙台高等学校 (宮城県)

本校は、生徒が社会へ未来へと高く大きく羽ばたいて欲しいという願いを込めて、総合的な探究の時間を3年間の「フェニックスプラン」として構築している。この取り組みの基軸としてSDGsの理念を意識させることで、世界のことも自分事として思いを寄せ、行動できる人間(自立した18歳)の育成を図っている。

1学年では生徒は希望するゼミで、各自が個人又はグループでテーマを設けて探究に取り組む。2学年の研修旅行においてはSDGs研修を取り入れている。大学の里山再生プロジェクトやフェアトレード、ゼロウェイストへの取り組み、地熱で花を栽培する取り組みなどの現地探究を実現している。3学年では各自が2年間の探究を活かした研究テーマを設定し、研究レポートを作成する。その他、外部機関とも連携しSDGsフォーラムを実施している。

以上