概要
brief summary

人が感じる魅力に関する分析

現在、様々な社会的な問題があり、様々な取り組みがなされている。それらの施策をさらに効果的に実行し、それらの目的を達成するには、人々が施策を理解し、自発的な行動することが求められる。そのように人々を行動させるには、それらの取り組みの必要性を理解するだけではなく、人々に魅力を感じさせることが重要であると考える。しかし、多様性を有する実社会において、様々な言葉や文化あるいは価値観を持つ人たちが感じる魅力の要素は違うものであると考える。本研究では、異なる地域の人々が何に魅力を感じ、なぜそれに魅力を感じるのかについて分析を行った。

日本で有名な数多くのアニメは世界で高い人気を集め、すでに世界の何十か国で放送されている。その中で、ドラえもんや鉄腕アトムなどのアニメキャラクターはたくさんの人たちが魅了されている。そして、人々の年齢や性別を超えて、変わっている時代においても人気が低下していないのである。従って、人々を魅了している日本アニメやキャラクターの魅力を調査し知ることは、施策の効果的な運営に必要な知見を得ることに有効であると考える。

本研究では、国や地域、言葉や価値観が異なる人たちが、どのように魅力を感じるのかを調べるため、日本のアニメ及び「ドラえもん」に焦点を当て、日本、中国、台湾、フィリピン合計4カ国で同じ内容のアンケート調査を実施した。それぞれ国の人々が感じた魅力的な要素の関係性を探り出すため、統計的な手法の一つである因子分析を用いた。

その結果から、日本アニメの魅力に対しては、日本、中国、台湾、フィリピンに共通する要素は仮想現実であると考えられる。また、「ドラえもん」に対しては、人々が自己効力感を得られることや夢が叶うこと、そしてキャラクターとストーリーに癒されるなどが一番大きな魅力の要素であると考えられる。

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