概要
brief summary

次世代型路面電車を神戸市中心部に導入した場合の便益の試算

近年、日本の各都市で次世代型路面電車(Light Rail Transit、以下LRT)の導入が検討されている。本研究は、神戸市中心部にLRTを導入した場合の便益の試算を行ったものである。神戸市でも三宮周辺や郊外で、LRTの導入計画案がある。しかし、神戸市からは敷設する路線やその採算性に関する資料が公開されてないばかりか、それらを検討するための基となる案も公開されていない。LRTなどの公共交通機関の導入を検討する際、試算結果を定量的に示すだけでは不十分で、導入する意義を示すとともに導入による様々な課題も見出さなければならない。そこで本研究では、神戸市中心部にある施設の公共性と有用性をさらに高めることを目指した路線の導入を提案し、LRTと同じ道路を走行する自動車の便益を試算した。最後に、便益の試算結果からLRT導入の課題について検討した。その結果、自動車の便益は道路の車線数が減少するためマイナスとなり、LRT自体も運賃収入のみでは黒字が維持できないことが判明した。

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