第1回 時間遅れが誘導する現象と数理
日時:2019年9月28日(金)~9月30日(月)
会場:いするの家 西原脩三記念館
研究集会の目的・展望
自然科学や社会科学におけるダイナミックな現象は、様々な物理法則や人々の意思決定が複雑に絡み合って未来が決定しています。様々な現象を記述するのに用いられる数理モデルは、その解やダイナミクスの解析、はたまた数値解析を通して現象を理解することに役立っています。現在、多くで利用されている数理モデルはマルコフ性の概念に基づいており、ある時刻のみに着目して記述されています。しかしながら、大気波が有限速度で伝播することに基づくエルニーニョ現象に対する遅延振動子モデルや、刺激と応答の時間差に基づく神経細胞モデルのように、過去の時刻での状態を表す履歴に依存して現象が記述できることがしばしばあります。本研究集会では、「時間遅れが誘導する現象」について、現象論や数学的な立場から互いに議論し、様々な現象を理解するための新たな視点を開拓することを目的とします。さらに、時間遅れが誘導する現象に対する数値解析手法の開発・実問題への適用といった応用面への発展も同時に目指します。
プログラム
9 月28 日(土)
19:00 ー 22:00 フリーディスカッション
9 月29 日(日)
8:50 ー 9:00 オープニング
9:00 ー 9:50 石渡哲哉(芝浦工業大学)
時間遅れが誘導する解の爆発現象とその周辺
10:10 ー 11:00 西口純矢(東北大学)
分岐パラメータとしての時間遅れ
11:20 ー 12:10 中田行彦(島根大学)
感染症の流行動態における時間遅れ
13:40 ー 14:30 小林幹(立正大学)
経済と遅れ
14:50 ー 15:40 高安亮紀(筑波大学)
遅延微分方程式の周期解の精度保証付き数値計算
16:00 ー 16:20 石渡恵美子(東京理科大学)
比例的時間遅れに関して
16:30 ー 18:00 フリーディスカッション
20:00 ー 20:50 杉谷宜紀(東北大学)
遅延微分方程式の履歴方向に対するガレルキン法の誤差評価に向けて
9 月30 日(月)
9:00 ー 9:50 池田幸太(明治大学)
LIFモデルに対するFokkerーPlanck 方程式における時間周期的な運動を示す空間非一様解
10:10 ー 11:00 小谷潔(東京大学)
時間遅れ力学系の随伴作用素と次元縮約
11:20 ー 12:10 宇田智紀(東北大学)
血流シミュレーション境界条件での時間遅れ
世話人
石渡哲哉(芝浦工業大学)
西口純矢(東北大学)
井元佑介(京都大学)
問い合わせ先
imoto.yusuke.4e * kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
本研究集会はJSPS科研費 挑戦的研究(萌芽)19K21836「タイムラグが誘導する解の特異性形成の機構解明と解のダイナミクスの数理解析」の援助を受けて開催されます。