この報告書は1979年12月に出版されていますが、日本自然保護協会から出版された経緯については、『50周年記念誌』(p.34)に以下のような説明が載っています。
(財)日本自然保護協会の支援をお願いすることになり、同協会の意向を待っていたところ、同協会に「天神崎委員会」ができて、沼田真氏(理事長 ) の視察(1983 年)や講演もあり、天神崎への協力体制が進み、企業や全国に募金を呼びかける準備を始めた。同協会の木内正敏氏は度々天神崎に来られ、本会とも打ち合わせを行った。
そして、天神崎の自然調査を行うことになり、この自然調査は後藤を中心として和歌山県自然環境研究会が担当し、全体の地形・地質、海岸林の植生・植物相・動物相と、磯(潮間帯)の生物相の調査をし、調査報告書を作成した(1979 年)。
1970年代の後半から1980年代は、田辺湾の環境がもっとも悪化した時期でした。そのような環境の悪化が進展していた時期の生物相の記録として読み取ることができます。
森の環境についても、現在のような二次林に戻ってきている前の状態として、人の手による自然の改変が進んでいた時期の生物相が示されています。
この報告書から、新たな調査のアイデアが生まれてくることを期待しています。