この記事では、本校が実施したオンライン文化祭(文化発表会)について紹介しています。MetaMoJiやWebex Meetingをはじめとした様々なアプリやサイトを使っています。動画でも紹介しているので、そちらも併せてご覧ください。
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本校では例年9月に文化祭を実施しています。地元団体と協力した太鼓の演奏や、紙や竹などを使った様々な作品制作など、小規模校ながらも非常に活発な活動となります。しかし、今年度は感染症対策で、岐阜県の高校は8月9月はオンライン授業となり、文化祭は延期されました。さらに、例年通りのステージ上の派手なパフォーマンスは、感染症対策の面から実施不可となりました。そこで企画されたのが、オンライン文化祭の文化発表会です。
およそ1ヶ月半のオンライン授業は、生徒や教員のメディアリテラシーを大きく育てました。また、教員の多くは普段の授業からICTを使った授業をしており、生徒もICTを使って学習することに慣れています。その力を生かして、オンラインで文化祭ができないかとなったわけです。また、従来のお祭りという感じではなく、調べ学習や作品制作を通して、文化的な発表をする会として、名前を「文化発表会」と改め、開催することになりました。
文化発表会の計画は、9月のオンライン学習期間から始まりました。1回15分程度という短い時間でしたが、Webex MeetingとMetaMoJi ClassRoomを使って、どんな発表会にするのかを各クラスで話し合いました。
Webex Meetingは、オンライン会議システムです。挙手やリアクションボタン、チャット機能なども使えるので、普段は恥ずかしがって意思表示できない生徒も、考えを書いてくれたり、反応をしてくれたりしました。
また、MetaMoJiは「クラス学習ページ」「名前を隠す」に設定しておいて、オンライン授業時間以外も発表会のアイディアを自由に書きこめる、掲示板のようなものとして使いました。
使ったアプリ:Webex Meeting(オンライン授業)、MetaMoJi ClassRoom(アイディアの書き込み・情報共有)
文化発表会の準備は対面授業になってからです。生徒はそれぞれのタブレットを使って調べ学習や、動画制作、アンケートの作成、スライドの作成などをしました。各クラスの発表内容としては、ピクトグラムについて、地元の和菓子店について、本校のジオラマやモザイクアートの制作、歴史や校歌についての発表などでした。
私の担当クラスは、本校のジオラマを作成する班(ジオラマ班)と、本校の歴史や校歌についての発表をする班(発表班)、その発表をもとにクイズを作って実施する班(クイズ班)に分かれて取り組むことに決まりました。
なお、クラスの取り組みについて私がしたことは、アプリやサイトのアドバイスだけです。何をしたいか・どういう発表をするかについては、まったく口出ししないようにしようと心に決めていました。生徒が「こういうことしたいんだけど…」と言ったときだけ、「このアプリが便利だよ」とアドバイスしました。
基本的に画用紙で、本校のジオラマを作りました。色付けは間に合いませんでしたが、建物の大きさ(比率)を忠実に再現したジオラマです。中心的な生徒が学校の設計図をもとに、ジオラマの設計図を書き、その他生徒は学校の細かい部分を写真撮影しに行きました。撮影した写真はMetaMoJiの「クラス学習ページ」に設定されたノートで共有し、設計図を手直ししました。
ジオラマ完成後、ジオラマを撮影し、PowerPointで動画を作りました。PowerPointでの動画の作り方は、①画像を並べて文字を入力します。 ②アニメーションをつけます。 ③「エクスポート」の「ビデオの作成」です。各スライドの所要時間は、たしか6秒だったと思います。
動画にビデオエディターで音声をつけたら、完成です。(記事の下の方に完成した動画を貼りました。)
その後、ジオラマは一週間ほど教室の前に展示しました。動画はMetaMoJiのノートに追加しました。(注意:発表時にこの動画を流しますが、MetaMoJiからは流しません。Webexの「ファイルの共有」で流します。)
使ったアプリ:カメラ(学校・ジオラマの写真撮影)、MetaMoJi ClassRoom(学校の写真や設計図の共有)、Google Earth(学校の航空写真)、Microsoft PowerPoint(動画作成)、ビデオエディター(動画作成)
発表班は、「本校の歴史」「本校定時制の歴史」「校誌の歴史」「校歌」についての発表を作りました。本校には長い歴史があり、記念誌もあります。その記念誌や学校のホームページをもとに情報収集をしました。調べたことをMetaMoJiで共有しました。MetaMoJiの「生徒同士で見られる」設定を使いました。また、発表原稿もMetaMoJiで書き、私が添削しました。
校誌については、創刊号(35年前のもの)が見つかったので、それをMicrosoft Lensで撮影して、PowerPointのスライドに載せました。
校歌については、「歌詞を覚えているか」「校歌が好きか」についてアンケートで調べました。アンケート結果のスクリーンショットをペイント3Dで編集して、PowerPointに載せました。
また、発表班の中に、ピアノとフルートを演奏できる生徒がいたので、音楽の先生の提案で、発表の中に校歌の演奏を盛り込むことになりました。レコーダーで録音しました。そのMP3ファイルをMetaMoJiにインポートしました。
(注意:Windows版では、MP3をMetaMoJiのノートにインポートすることはできません。私はMP3をiPhoneに入れて、iPhoneからインポートしました。また、発表時にこの音声を流しますが、MetaMoJiからは流しません。Webexの「ファイルの共有」で流します。)
使ったアプリとサイト:MetaMoJi ClassRoom(調べ学習の共有・モニタリングで添削・発表)、Microsoft Lens(校誌の撮影)、Microsoft PowerPoint(スライド作成)、Microsoft Forms(アンケートの作成・集計)、ペイント3D(画像のトリミング)、いらすとや(挿絵)
クイズ班は、発表の内容をもとにKahoot!でクイズ班のノートを見て、そこから4択問題を作っていきます。Kahoot!の選択肢は、教室のプロジェクターでやると小さくて見にくいので、選択肢は紙に大きく書いて、写真にしました。
Kahoot!を使ったことがない生徒のために、MetaMoJiでKahoot!の使い方についてのスライドを作りました。
使ったアプリとサイト:Kahoot!(クイズ作成・実施)、MetaMoJi ClassRoom(調べ学習やクイズの共有・クイズの説明)、カメラ(クイズの選択肢撮影・ここはどこでしょうクイズ作成)
各班がスライドをPDFにして提出し、担任がMetaMoJiにアップロードして、ひとつのノートにまとめました。すべてのページを「一斉学習ページ」に設定し、必要な箇所に「めくりを追加」しました。ノートにジオラマ班の動画を追加し、生徒が演奏した校歌を音声ボタンで追加しました。資料完成後、全校生徒が所属しているクラスボックスに配布しました。
では、文化発表会当日について紹介します。文化発表会は、中継室、中継確認室、各クラスでwebexを起動して中継しました。各部屋には、ホワイトボードとプロジェクターがあります。発表者は中継室に来て、発表をします。中継確認室は中継室の隣の教室に設置して、音声や映像がしっかり中継できているかをチェックします。発表を見る生徒は、それぞれのクラスで見学しました。
webexを使うと発表の様子を各クラスに中継できます。また、共有機能を使って、PowerPointやwebページを映し出して発表したり、動画や音声を流したりするクラスもありました。
各クラスの発表方法や持ち時間は自由です。それぞれ、だいたい10~15分程度でしたが、40分ほど発表するクラスもありました。(私のクラスです…)
私のクラスはWebexにプラスして、MetaMoJiを使って発表をしました。MetaMoJiをプラスした主な理由としては、「発表」の機能を使えるからです。ノート右端の「発表」のボタンを押すと、発表者のスライドがそれぞれの生徒の手元で見られるようになるので、プロジェクターに映し出すよりも画像や文字がはっきり見えるようになります。また、Webexの共有機能も最大限に活用しました。MetaMoJiの「発表」の機能では、スライドを共有できるものの、動画や音声の再生を共有できません。これらの再生はWebexの「ファイルを共有」で配信しました。
以下、クラス発表の流れです。
① オープニングセッション……各クラスタブレットとMetaMoJiを起動するように指示し、その間に各班の代表が作品や発表の見どころを語ります。(タブレットはSuface Goなので、MetaMoJiを使えるようになるまで数分かかります。)
② ジオラマ班の動画……ジオラマ班の代表がジオラマについての説明をして、Webexで動画を共有しました。
③ 発表班の発表……MetaMoJiで「発表」の機能を使って発表します。適宜、「指す」や「めくり」を使います。校歌の演奏はWebexで流しました。
④ クイズ班のクイズ……Kahoot!で行いました。Kahoot!の問題画面をWebexで共有し、生徒はそれぞれのタブレットからクイズに参加します。代表者は問題文を読み上げたり、答えを言ったりします。(WebexでKahoot!を共有すると、あのポップな音声は出ません。残念……)
閉会後の生徒アンケートは、Microsoft Formsで作ったものを、MetaMoJiの「webページを追加」で貼り付けて配布しました。生徒はそこからアンケートに入って回答しました。
後日、各クラスで作成したスライドや動画、作品の写真などは、最終的にすべてMetaMoJiのクラスボックスに残しました。また、学級通信を作り、MetaMoJiで配布しました。MetaMoJiで作ったので、発表中の動画や写真も満載です。
生徒の成果物は、MetaMoJi ClassRoomのホームページでダウンロードできます。ぜひご覧ください。
今回は、私の勤務校で実施したオンライン文化祭、文化発表会について紹介しました。学校全体の取り組みとしては、主にWebex MeetingとMetaMoJi ClassRoomを使いました。
クラスの発表では本当に様々なアプリやサイトを使いました。生徒のアンケートを見ても、満足度が高かったようです。実施には大変な苦労をしましたが、報われてよかったです。
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