【二頭のリュウ】
古くからこの地は、『空』と『水』、二頭の『リュウ』と呼ばれる守護神が協力し合い都市を護っていた。島の上空にはいつもリュウ達が飛んでいた。
五百年前のある時、突如空の竜が水の龍を攻撃し水の龍は死んでしまい、その死骸は今も見つかっていない。
自らの行った行動により空の竜は島民に滅ぼされ、代替わりしたのであった。しかし『水』の代替わりは起こっておらず、その座は数百年と空席のままだ。
今は一頭のリュウだけが、広い空を泳いでいる。
——大図書館の文献より
学園城塞都市 アーク
獣、リュウ
夜終
・小学部〜高等部まで置かれている。校舎は比較的近代に再建されたお陰で綺麗。アークに居住する子供達は、この学び舎で日々勉学や部活に励んでいる。
・高等部からは4つのコースに分かれ、生徒達はそれぞれ色の違う宝石が嵌められたループタイを身につけることになる。予めどの科に進学するか、中等部3年生までに決定しなければならない。
【高等部、科一覧】
普通科:緑色
研究科:赤色
史料科:黄色
美術・技術科:青色
・アーク内でも学園から遠い地域に居る生徒のために、寮が設置されている。また、研究科や美術・技術科など、作品制作に専念したいという者もそこに入る場合が多い。
・大学は都市内に別に存在するが、ほぼ研究施設扱い。
・アークの中心部にそびえ立つ白い塔。この都市の要であり市民の娯楽施設でもある。巨大な、二重の円形のバランス保持装置が周囲に浮かんで建物を支えている。
・地上と駅地下、両方から入ることが可能。昇降機は層間高速移動用と階移動用がある。その内部は13階層に分けられているが、上の階層がどうなっているかは未だ謎が多い。
1~3層:食料・衣料品、雑貨売り場
4層:食料保存庫
5層:換気設備の中継地点
6、7層:業務用品の卸売市場
8層:スポーツ施設
9層:スタッフ控室。専用の昇降機を通り関係者しか入ることができない。その他警備装置なども存在。
10、11層:大図書館。11層に研究向けの古書エリア、書庫がある。限られた人しか辿り着けない場所があるとの噂も…。
別館12層:11層と同じ高さにある、新たに分離した建物。詳細は謎だが、機密文書がある、謎の生物の実験場になっているなどさまざまな噂がある。
13層:最上階。壁上の警備システムの操作盤とモニタールームがある。
・500年前に創成された、市長直属の組織。巡警団、検警団と二つのグループに分かれてアークの均衡を護っている。
警使達は皆左胸に白い羽根を着けている。その羽根が過去と同じく血に濡れないように、自分達が居るのだと。
・神や獣、その他大勢の魑魅魍魎の能力の総称。
この世界において名前を付ける事は存在の確立であり、同時にその存在を縛ってしまうものである為、自由に能力を使いたい者達は自分の技に名前を付けず、ただ「夜終」とぼんやりとした括りで呼ぶ。
・ある神の使いだったが、五百年前に突如世界中の獣が暴走を起こし、各地にさまざまな災いをもたらした。この出来事は、後に「久遠獣災」と呼ばれるようになる。そして「久遠」という名の通り、災いの影響は数百年経った今も続いている。
・獣は総じて心が死に切った目をしており、形は様々。大抵は何かしらの夜終を扱う事ができる。獣災以降、人間と対立するようになってから本格的に調査が進められたため、暴走を起こす前の彼らの姿・生態はよく分かっていない。
・半神半「獣」、アークの守護。島の上空を飛んでいるのが時折見られる。同類である獣への感知能力を持ち、分身の作成も可能。
・かつてのアークには
「空」のリュウ
「水」のリュウ
という対の二柱が居たが、久遠獣災の影響を受け、両方とも果てている。しかし代替わりは「空」の座のみに起こり、「水」の座は数百年空席のまま。現在のアークは二代目・空のリュウに護られている。
・感知能力などの他に、斬撃の増幅、風圧操作、全身の強化といったリュウ特有の夜終がある。
・笹が苦手、あまり金属に触れられない、肉や卵料理が好きといった特徴があるらしい。真偽は不明。