Sho Teruna - profile
性別:男
身長:160cm
体重:54kg
年齢:16歳
誕生日:3/21
生得魔法:斧錬成
後天魔法:火
・魔物駆除機構、魔界支部所属の少年。周囲からはフィジカルお化け・戦闘狂認定をされているが根は優しい。数年前に消えた兄の死の謎を追っている。
・一人称は「僕」
・趣味は服選び。他人の服を選ぶのも割と楽しいらしい。任務の時に着る戦闘服はほぼ女装だが、普通に似合うし気に入っている、相手にこちらの足運びを誤魔化すため、という訳でこの服を選んでいるそう。学校では普通にズボン。
・好きなものは生姜の佃煮などの薬膳料理、嫌いなものはブドウ。昔、魔法でできたブドウの種を飲み込んでしまい、本当にヘソから実がなったことがあるらしい。
・二見あめと同中(焼が後輩)だった。現在も交流があり、彼女の活動を時たま手伝っている。
【発火斧(イグニッションハチェット)】
・彼が使う合成魔術。発火のタイミングは自由で、大きさも調整が可能。(但し最小で3cm、最大で2m。一度に出せる斧は15個が限界)魔力が無くならない限り何回でも錬成できる万能もの。
・威力と速度に能力を振り過ぎているので、意外と脆い。この魔術を使いこなせるようになるまで、彼は一年半手こずったという。
【思い出はいつも瞼の裏に】
僕が十一歳の時の夏、兄さんは研究所の就職試験に受かった。
合格の手紙が来たときは嬉しかったなぁ。嬉しみのあまり僕達二人でジャンプした。母さんは泣いて喜んでたっけ。早死にした父さんもきっと喜んでくれているはずだ、と話しながらその夜はそうめんをみんなで食べた。
「美味しかったなぁ……」
「?」
「こないだ合格祝いで食べたそうめんの事思い出してた」
「あれか、俺のお気に入りなんだ。気に入ったなら送るぞ、焼」
「本当!? 一ヶ月の楽しみが増えた……」
てくてくてくと僕達が歩いているのは、綺麗に舗装されたアスファルトの上。
働く研究所が遠いので、兄さんは一人で引っ越し。その当日の朝、僕は駅のホームで輪兄を見送ることになったのだ。
あれこれと心配事を脳裏に浮かべる自分をよそに、兄はふあぁ、と欠伸をする。
「ねっむ……」
「また徹夜で何か作ってたの?」
「違う、緊張で眠れなかったんだよ」
「そっか」
少しの間、沈黙が流れた。その間にも、列車の乗客が次々と乗り込んで行っている。
込み上げるこの感情を拳で抑えるのが精一杯だった。
それらを誤魔化すように僕の喉から出たのは、あまりにも物騒な言葉だった。
「……研究所爆発させないように気をつけてね」
「はぁ!!!?」
我ながら心配することがズレているな、と思う。
だがしかし、混ぜてはいけない薬品同士を誤ってを混ぜ、高校の実験室を爆破してしまった前科持ちなのだ、この兄は。
実験室に居た人は兄さんだけだったし、すぐ救急車が来て助かったそうだ。
「おまっ……俺の傷口抉って縁起でもないこと言うな。口チャック、チャックしろ!」
兄さんが口を押さえてくる。自分より大きい手は、あっという間に僕の鼻までもすっぽり覆ってしまった。
「◯×@#……(苦しい)」
「さっきみたいな事もう言わないか?」
(言わないから早く手をどけて!!ガチで窒息する!!)
兄の傷口を抉ったことが原因で窒息死するのは嫌だ。手をどけて欲しくて、僕は必死に首を縦に振る。
「よし」
「こっちが死ぬかと思った……」
兄さんが手をどけたのと同時に、汽車の蒸気音が鳴り響いた。
「やべ、汽車出発する」
恐らく出発まであと五分も無いだろう……全く自分達は何をやっていたのだろうか。
慌てて汽車に乗り込む輪兄を僕はじっと見ていた。
魔力でできた車両の扉は、時間ちょうどにひとりでに閉まっていく。
数十秒後、汽車の窓から兄が顔を出した。
「行って来まぁぁす!」
「行ってらっしゃい!」
車両が動き出す。ホームに立つ僕から、手を振る兄さんの姿が遠ざかっていく。
汽車が呼吸をするように噴き出している黒い煙の尾が、空に溶けたその色がいつまでも瞼に焼き付いて離れなかった。
「おーい」
「うぅん……」
「おーきーろー」
「……にい、さ……?」
「……随分と寝ぼけてるな。仮眠は取れたか、焼?」
「なんだ、廻か……」
「なんだとはなんだ!? そうめん適当に茹でたから食うぞ」
「うん。生姜とネギも入ってるよね? おぉ、バッチリ」
「じゃ、」
ぱん、と両手を合わせる音が二つ。
久々に、懐かしい時間を過ごせたかな。