学習指導要領の改訂に向けた中央教育審議会への諮問(初等中等教育における教育課程の基準等の在り⽅について)が令和6年12⽉25⽇に⾏われました。そこでは、多様性を包摂し、⼀⼈⼀⼈の意欲を⾼め、可能性を開花させる教育の実現が喫緊の課題だと指摘されています。
体育授業に関わっては、国際的に、包摂的で「良質な体育の授業」(Quality Physical Education:QPE)を実現していくことが提案されており、それはまた、誰もが⽣涯にわたりスポーツに参加できるために必要な資質・能⼒を意図的・計画的に育成していくことを求めています(岡出, 2025)。そこで、2025 年度〜2027 年度期の本研究会では、「すべての⼦どもに良質な体育授業を」という研究テーマを設定して研究を進めさせていただくことになりました。
他⽅で、先に⽰した諮問では、授業改善において、「学びの深さ」を重視し、各教科等における重要で中核的な概念を軸に、内容の重点化や構造化が求められています。熊本実⾏委員会では、近年、内容の重点化や構造化に関わって、主にボール運動系領域を対象としながら、単元の「本質的な問い」を設定した授業研究を進めてこられています。したがって、2025 年度〜2027 年度期の初年度となる第 29 回熊本⼤会では、熊本実⾏委員会の研究の知⾒も踏まえながら、ボール運動系・球技領域に焦点化して、単元の「本質的な問い」を中⼼としながら、指導内容・学習内容の抽出・設定、教材の選定・配列、学習過程の⼯夫などについて追究・議論することを通して、「すべての⼦どもに良質な体育授業を」という研究テーマにアプローチしていきたいと考えております。
全体会では、信州⼤学の岩⽥先⽣より、「『資質・能⼒』を育むボール運動系・球技の授業づくり」についてご講演いただきます。次に、それを受けまして、「ボール運動系・球技の本質的な学びをどのようにつくるのか」というテーマについて、それぞれの⽴場からご発表していただき、フロアーとの意⾒交換ができればと考えております。
2 ⽇⽬以降には、熊本実⾏委員会の先⽣⽅による実際の提案授業を公開していただくとともに、模擬授業も実施されます。3 ⽇⽬の研究発表も含めまして、ぜひ、活発な議論をお願いできれば有難く存じます。
研究委員長 須甲 理生
(日本女子体育大学)
3日間の主な予定
くまもと県民交流館パレア
開会行事
基調講演
シンポジウム
ナースパワーアリーナ
(熊本市総合体育館・青年会館)
提案授業
研究協議
模擬授業
くまもと県民交流館パレア
一般実践研究発表
閉会行事
開催要項