👨🎤あおい 高い声がでない男子でも、アカペラのベースパートなら生き生きと活動できるかも?と思ったのがきっかけですね!
👳🏻♂️コージ なるほど、変声期男子にはボイパやベースはやりやすいですよね。
👨🎤あおい 10人に1人くらいは変声期で悩む様子は散見されますね、日本全体でみたらかなりの数になるのではないでしょうか!
🦴内野健太 確かに、自分はアカペラをやる時にベースをやることが多いのですが、もともと低い声をしているので、
その低い声を生かして演奏できるのは楽しいですね。
👳🏻♂️コージ 男女関わらず、自分の声域に合ったパートで演奏できるっていうのは大切ですね。
👨🎤あおい 確かにアカペラは、使う音域が広いことも特徴にありますね。
👳🏻♂️コージ なるほど、内野先生のきっかけは?
🦴内野健太 アカペラは色々な音楽の勉強をするときの基礎になるから、ですかね。
合唱には活かせるし、創作活動としてもアレンジやボイパがある。
アカペラそのものの意味に迫ることで、音楽史の勉強にもなります。
👳🏻♂️コージ 私も吹奏楽部の指導に生かしている部分は大きいなぁ。フレージングとか。
🦴内野 僕もですね。アカペラの楽譜は吹奏楽の大編成から比べれば
シンプルなものが多いですが、逆にシンプルなので分かりやすい。
パート数が少ない分、生徒も十分理解できるレヴェルだと思います。
👨🎤あおい パートが少なくても、音楽の要素が詰め込まれていることで、より音楽の本質に近づきやすい感じがしますね。
👳🏻♂️コージ 私は、コストパフォーマンスですね。
🦴内野健太 お金がかからない!
👳🏻♂️コージ 角田先生の声域にも共通するんですけど、やっぱり間口の広さって大事だと思うんです。
楽器とか、特別な機械が必要だと、授業でやっても、家に帰ってから、あるいは
卒業してからまたやってみようとは思いづらい。
だから、なるべくコストがかからない、というのが一つ。
🦴内野健太 趣味としても続けやすいんですよね。
👨🎤あおい 教育では何か導入するのって、ものすごく手間がかかりますもんね。
最近はGIGAスクールでタブレットも導入されたことにより、
よりアカペラの授業を取り入れやすくなったと感じますね。
👳🏻♂️コージ "タブレットは録音機にもチューナーにも楽譜にもなりうる神器ですね。
私が小学生の頃はテープレコーダー持って練習してました(笑)"
👨🎤あおい そこまでしてやる情熱(笑)
👳🏻♂️コージ "そして、お金をかけなくてもそれなりのクォリティの
音楽が出来上がるのがアカペラの良いところかなと。
もちろん、レッスンや機材にお金をかけて
すごいパフォーマンスを目指すこともできますが。"
👨🎤あおい 音楽の能力差があることですね。
声変わりを支援するにあたっても、低ければ正しく音程をコントロールできるか、
というわけではないようです。
これは中学向けならではの苦労かもしれないですね。
👳🏻♂️コージ 声変わりは高校生だとほとんど終わってしまっていますからね。
🦴内野健太 あーなるほどね。自分の場合は、先行研究が調べたところほとんどなかったので、
手探りで授業案を考えたのが苦労したことですね。
👨🎤あおい 新しい題材ならではの悩みですね。中高の教科書に乗ったアカペラ教材は、
いわゆる流行りのアカペラとは遠い雰囲気にありますし...完全に開拓者感がありますね!
👳🏻♂️コージ そんな中で参考にした資料とかあります?
🦴内野健太 コージさんの論文ですね。
👨🎤あおい 真の開拓者登場(笑)
👳🏻♂️コージ お世辞はいいから(笑)
🦴内野健太 合唱の指導案とボディーパーカッションの授業を参考にしましたね。
ボディーパーカッションはボイパをやる前にやっておくと、
リズム感を体得して授業ができるので、演奏がしやすくなると思ってます。
👨🎤あおい 近い領域から学べることはたくさんありますよね!
アカペラもたくさんの要素や歴史から影響を受けて成り立っているからこそ....
👳🏻♂️コージ "そうそう、色々な音楽に繋げられるからこそ、それぞれの授業の要素も引っ張って来れますね。
私も先駆者探しには苦労しました。
2000年台初頭、テレビでアカペラが流行り始めた頃の音楽教育に関する雑誌等から、
こんなことをやったという断片的な情報をかき集め感じ。"
🦴内野健太 コージさんハモネプ出ましたしね。
👳🏻♂️コージ それは2009年の夏の話ですね(笑)
👨🎤あおい よっ!開拓者!(笑)
🦴内野健太 それはさておき、コージさんはどんな苦労がありました?
👳🏻♂️コージ 声変わりは終わっていても、やはり音取りが苦手な生徒は一定数いるので、
その生徒たちへの支援は大変ですね。
そして、それらばかりに注目していると、比較的音楽が得意な子達が退屈してしまう。
🦴内野健太 子どものレベルに応じてアレンジが選択できるのも良いですよね。
👨🎤あおい ICT機器の普及で、本来の教員の役割をある程度機器に任せることもできるようになりましたよね。
👳🏻♂️コージ 角田先生は音取り苦手な生徒にはどう対応してますか??
👨🎤あおい 自分のパートを聴きながら一緒に歌うという活動にひたすら取り組んでもらうと、
壊滅的な生徒はおりませんでした。1人1パートというと心もとないですが...
内野先生は?
🦴内野健太 別室で指導
👳🏻♂️コージ 別室でやると効果違いますか?
🦴内野健太 そうですね。周りを気にして声を出すことに抵抗がある子がいる印象なので、
最初は先生と一緒に音を取ることが効果的だと考えてます。
👨🎤あおい なるほど!心理的なアプローチも重要なんですね。
👳🏻♂️コージ 十人十色でそれぞれのアプローチをお持ちでしょうから、
別の機会にそれを共有しあえるような場を持ってみるのも面白いかもしれませんね。
👳🏻♂️コージ いずれにせよ、進捗が違うグループ、
そしてそれぞれの生徒たちを如何に置いていかず、
そして得意な生徒が飽きない指導ができるか、は永遠の課題ですね。
🦴内野健太 とにかく生徒のモチベーション重視ですね。
人気の曲をかんたんなアレンジで、そして暇にはならない程度の仕掛けを用意してます。
👳🏻♂️コージ 暇にならない程度の仕掛けとは?
🦴内野健太 ウーとかアーとかの全音符だけだと「つまんねえ!」って思う子もいるので、
同じ音程でも原曲のリズムを入れながらやるとノリながら出来るから良い。
リズムも原曲のままで良いので難しくて歌えないということはないのかなと思います。
👳🏻♂️コージ 原曲要素取り入れるのは大切ですね。
👨🎤あおい あとはオスティナートや反復などの旋律を取り入れることもやりやすさだと思いました。
数字譜を使って取り組みましたがピッチ感覚のみに依らない、
旋律的な歌いやすさ(横の流れ)も重要だと感じました。
👳🏻♂️コージ 私が課題曲やこちらから生徒に推薦する曲は、
循環コードとか、定型のコード進行が使われているものが多いですね。
特に音とりが苦手な子を想定してアレンジする場合は、音があまり上下せずに歌えるようにするのですが、
カノンコードやJust the Two of Us進行(Ⅳ→Ⅲ→Ⅵ→Ⅴ)はわりと使い勝手が良いです。
👨🎤あおい あとはキー設定は絶妙に難しいと感じました。
歌いやすい音域となるようキーを変更すると、
リードの子が原キーで歌い出すことが珍しくなく。
これは生徒の相対音感が未熟であると起りやすくなりますが、
これは短時間で解決しようがないので、
遠いキーへの設定は避けたほうが良いと感じました。"
👳🏻♂️コージ ベースの最低音やコーラスやリードの最高音はどれくらいを目安にしてますか?
🦴内野健太 ベースはソですね。リードはレかミくらい。
👨🎤あおい 中学生男子の場合、G3がぎりぎりで出ないので、A3くらいがボーダーだと感じました。
リードはC5くらいが地声でしっかり張れるボーダーだと感じました。
👨🎤あおい 男子リードの場合は声変わりがあるので一概には言えないですが、
声変わり終了するとE4くらいが余裕のあるゾーンなのではないかと考えます。
👳🏻♂️コージ スイングの表記は♫=♩♪にしてます?
いちいち三連符表記?それとも8分の12とかにしてますか?
👨🎤あおい していません!swingの概念を教えてしまいます。
音取り音源を使えば、一発で乗り越えられる問題かなと。
👨🎤あおい 楽譜を黒インクで染めないことが、
生徒に対するユニバーサルデザイン的な配慮だと考えます(笑)
👳🏻♂️コージ 楽譜に対してのハードルを下げるのはとても重要ですね。
🦴内野健太 散歩してたら公園で家族がアカペラの練習している
という風景が見られたら良いなと思ってます。
👨🎤あおい 中学生でアカペラを行う人口が皆無に等しいので、
休み時間に集まって校庭の片隅で練習している光景が繰り広げられる、
みたいな環境をつくっていけるようにするのが夢ですね。
👳🏻♂️コージ 今は歌いに行く=カラオケとかですけど、
楽器の伴奏なくても、その辺で誰もが歌える
というのが当たり前になったら素敵ですね。
👨🎤あおい 環境的には、端末の普及と同じスピードでアカペラが普及できるわけですもんね。笑
👳🏻♂️コージ ICTの流れに乗って、アカペラの授業に挑戦してくれる先生が増え、
アカペラに興味を持ってくれる生徒が増えてくれるといいですね。