今回の御話は「キャラクター制作の裏話やそのキャラクターに込めたメッセージなど」でございます。
全員分書くとなると途方も無い文章量になってしまうため、プレイアブルの6人だけですが……。
「うちのこまとめ」の方で非公開で書き留めておいた記録を一部改変してそのまま載せてあります。
ユーレン・ガランサス
ひたすらに「人に嫌われるキャラクター」というのを意識していました。ごめんね(笑)。
私自身がダークヒーロー系統のキャラクターが大好きなのである意味(作者の)理想の主人公像になったのではないかと思います。
最初の段階でダークトーン、寒色系でまとめて、紫(青紫?)髪、青緑の瞳、短髪(最終的に微妙な髪型になったけど)、和風要素、軽装、というのは決めていました。あと、わかる人にはわかるんじゃないかと思うけど全体的に天野喜孝先生リスペクトなデザインになってます。おかげさまで描きにくいキャラクターになりましたが情報量が多い分魅力的なキャラクターになったのではないかと思います。
性格やバックボーンに関しては自分の理想9割。まあ、最初にも言ったとおり「現実にいたら絶対人に好かれないだろうな」という人物を作ろうとしたので何を言われようが気にしませんけど。あとは作者の実体験に基づく事柄とか価値観を盛り込んだ感じですかね。……どこがとは言いませんが。
元々大学の授業で使う為に使ってそのまま捨てる(酷い)予定だったからここまで色々発展するとは思ってもいませんでした。ちなみに年齢が初期設定では20代前半でしたが、最終的に19歳に引き下げられた、というのはこのことが関係しています。詳細はゼルの方で。
リアナ・デスペラード・ピレインガイア
正統派ヒロイン、ですかね。ユーレンが結構アレな設定だったのに対し、逆に「皆に愛されるようなキャラクター」を目指しました。
スマホのメモ帳を見てみるとデザイン指定欄に「オレンジ色の髪に金色の目」と書かれています……が影に使った色のせいでピンクに見えますね。もうどちらでもいいかな。「短髪、白いドレス姿、薄着」。ザ・お姫様という感じのイメージが最初からありました。私の大好きないのまたむつみ先生リスペクトデザインです。ハイ。
ユーレンが黒ベースなのに対し彼女は白ベースというのも意識しました。というかこの2人が他のキャラクターとの比較基準になっています。
人格については当初はもっと暗い感じでした。触れたらすぐに壊れてしまいそうな、ドライフラワーみたいなイメージ。しかし気づいたときにはかなり明るいキャラクターになっていました。こうやってキャラクターが独り歩きして当初の設定から変わっちゃうのは個人的によくあることですけど…。ユーレンが「絶望」を糧にして生きているキャラクターならリアナは「希望」を糧にして生きているキャラクターとして描く、というのも割と早い段階で決まっていました。鈴音本人が進路やら成績やら何やらで色々悩んで半分自暴自棄になっていた頃に「希望って何なんだろう」とふと考えたのがこの作品の始まりで、その時の「負の感情」や「見えない未来への恐怖」から生まれたのがユーレン、「正の感情」や「前に進むための勇気」から生まれたのがリアナです。
余談ですが授業で使った時もかなり人気の高いキャラクターでした(笑)。
カノン・シーワン
ユーレンとリアナの2人に「足りない属性」を補うことを目的として作ったのがカノンとゼルでした。
カノンは「パーティのサポート役のお姉さん」を主軸に「女の子らしさ」をテーマに設定を構成していきました。
ある意味「鈴音の理想の女性像」なのかもしれません。ジェンダーというテーマは大学での専攻と絡めてますね。
デザイン指定では「巨乳で露出多め。青中心のカラーリング。青髪紫眼。」というのがメモ帳に残っています。男性受けを狙ってます(笑)。
「お前らこういうのがいいんだろ?(笑)」みたいなノリです。
過去に作ったキャラクターにも胸が大きい子は何人もいますが皮肉交じりに意図的に巨乳(+露出多め)にしたのはカノンさんが初だと思います(笑)。
まあ、大学の授業(専攻とは関係ない)が関係してますしね。青ベースなのはリアナと比較した時に対照的になるカラーリングにしたかったから。
あと「女性=赤」みたいなイメージの逆、というのもあります。そう思うと無意識的ユーレンに寄せてたのかもしれません。
ユーレンとリアナとが比較的装飾多めなのに対しカノンはシンプルだけど映える、というデザインを意識しました。
7以降のFFとか藤島康介先生のキャラクターデザインを参考にしてます。
かなり女性的な見た目なのに対し中身は完全に男の子、というのも最初から決めてました。
このせいか授業で「長髪の女の子なのに男勝りって変」という意見をもらった、なんて裏話があります。
ある意味狙い通りの回答で嬉しかったと同時に世間一般が「女の子」に求めるのは何か、を改めて考えさせられました。
ちなみに元々授業で使う予定は無かったけど「こういうキャラクター作ったほうが議論の余地ありそうじゃね?」ということで急遽制作したという……。
武器に関しては決まるまで一番時間がかかりました。格闘、短剣、スピナーの3つの案があって、
「女性キャラ少なくとも1人は前衛」「クラスが盗賊(初期設定では)」という条件から最終的に短剣になりました。
ゼル・エスペランサ
ユーレンが闇ならゼルは光ですかね。いや、色合いは黒ですけど。主人公のライバルポジションのキャラクターが欲しかったんで。
真っ先に考えたのがリアナとの対比だったので黒くなりました。その後ユーレンとの対比で「ああ、やっちまったなぁ」と……。
そこで悩んだのが2種類の色彩設定案でした。少しでも明るくしようと思ったのが没設定の青メインのやつです。
ちなみにスマホのメモ帳には「パンクファッションベースに騎士っぽく。主人公とは対照的になるようにしたい。チェーン地獄。銀髪オッドアイ。」という記述が。
見た目をチャラくしたかったけどうまく行かず現在の見た目に。とんだ無理難題をふっかけてきやがったな、昔の自分よ。
チャラさの名残があのジャラジャラです。今思うとピアスでも開けさせとけばよかったかなとも思いますが描きにくくなるだろうと思うと今のデザインがベストなんでしょう。
当初のコンセプトは「見た目やべーやつだけど中身は超真面目な常識人」で、見た目と中身のギャップをとにかく意識していました……が、無理でした。
「カタブツな騎士様」という設定に完全に引っ張られましたね。「見た目やべーやつ」はゲイルで達成できましたけどあれは「ただのやべーやつ」です(笑)。
テーマは「見た目じゃ人は判断できない」というものだった……はずがただの「型にはまった考え方しかできない権力者(?)」に。
まあ、カノンとの対比も考えるとこれでよかったのかな、と思います。
ユーレンが19歳に引き下げられることになったのはだいたいこいつのせい。
授業で使ったキャラクターの20代率が高くて「10代後半の男性キャラクター」というのが必要になった為、ユーレンは泣く泣く引き下げられたという。
何故ユーレンが20代(確か初期設定では20歳か21歳)だったのか、というと「既に人格が完成されている」キャラクターにしたかったから。
「もうこの価値観や人格を変えることはできない」というイメージを持たせたかったのですが、19歳に変えたことで逆に「未熟者」になってストーリーが書きやすく(+ややマイルドに)なった気がして結果オーライなのかなと思います。
ちなみにゼルは「もう手遅れ」というイメージにしたかったので成人男性(23歳)の設定になっています。
ちなみに私の好みからゼルの名前の由来はFF8のゼルからなんじゃないかと予想する人もいるかもしれませんが今作のキャラクターは基本的にその時思いついた名前なので意味はないです。(ユーレンは設定にも書かれている通りタンザナイトの和名だけど。)
あえて言うなら名前を考えていた時に「運命のパラドックス」(pop'n music ラピストリアより)を聞いていた(ランダム再生で偶然流れてきた)から、ですかね。
メモ帳内に「雰囲気のイメージは「アデルバート・スタイナー(ファイナルファンタジー9)」「不破諫(仮面ライダーゼロワン)」「イージス・アルヴァ(テイルズオブクレストリア)」という記述が。当初は「腹立つくらいカタブツ」というイメージだったけどこいつも独り歩きし始めてから丸くなったと思います。
アルス=ラビム
ある日授業の合間に昼寝をしていたら夢の中に現れた謎生物を描き起こしたのがこの人。ユーレン達と一緒にナチュラルにいましたね、おっさん。
潜在意識の現れとはいえ、何故こうなった。
元々は関西弁でCV:白石涼子の女の子だったような(姿はこのまま)……。
先にアオイが出来ていたからおっさんに変わった記憶があります。……すまん、はっきり言ってよく覚えてない。
声に関しては「騎士竜戦隊リュウソウジャー」のクレオン君のあの声から。ある意味これが軸となって色々設定が広がったような気もする。
アオイ・サツキノ
コンセプトは「ごく普通の女の子」「村娘」「現代っ子」。
作者の高校時代、どんな奴がいたかを思い出しながらキャラクターを構成していきました。「ああ、高校生ってこんなだったなぁ」って思いながら……。
物語の所々で「自分勝手な言動が目立つなぁ」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、それこそが「ごく普通の女の子」と言うコンセプトなのです。
化粧禁止と校則にあるのに化粧をしてきたり、先生の注意に素直に応じずに反抗したり……もしかしたら画面の前のあなたも心当たりがあるのではないでしょうか?(笑)
(ちなみに作者はそんな事出来る程心が強い子供では無かったので、校則にはちゃんと従ってました。)
スマホのメモ帳に残っているデザイン指定には「藤島康介先生寄りのデザイン。黒髪か緑髪。目は緑。村娘みたいな服装。和服ベース。弓にはハナミズキの花が付いている。アーストーン、パステルトーンを中心にした目に良い配色。」という文字が。割と初期の段階からイメージは決まっていましたが、それが形になるまで実はかなり時間がかかったという……。大学からの帰り、電車の中でずっとデザインを考えてたのを今でもよく覚えております。
ちなみに、名前の候補には「アオイ」「ミズキ」「サツキ」の3つが挙がっていました。
其々の花の花言葉を調べ、物語のテーマである「希望」に最も近い、或いは合致するのはどれだろうか、と考えた結果「アオイ」が採用されたのです。
しかし没になった2つの花の要素も実はしっかり含まれているという……。
「ミズキ」は言わずもがな「ハナミズキ」の事。弓のデザインですね。
「サツキ」は姓の「サツキノ」に。
そういえば新潟の地名に「さつき野」ってありますが、そことのダブルミーニング(?)だったりします。地元愛。
けど「さつき野」には行った事が無いという……。