スパコン富岳
計算速度を競う4部門で同時世界一
NHKのウエブニュースに下記のタイトルの記事が躍っていた.類似した記事を参考に,ウエブ備忘録を作成させてもらった.取り敢えず最低限の情報を集めただけであるので,詳細については理研のホームページや引用資料を見てほしい.
スパコン世界ランキング 「富岳」4部門で世界一に
2020年6月23日 0時11分
スーパーコンピューターの性能を競う最新の世界ランキングが発表され,理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」 が世界のスパコンランキングの4部門すべてで1位になった.
スーパーコンピューターの世界ランキングは,専門家による国際会議が半年ごとに発表していて,理化学研究所と富士通が神戸・ポートアイランドの施設に整備を進めているスーパーコンピューター「富岳」が初めて審査にエントリーされた.
その結果,主に6つある部門のうち,「富岳」は最も基本的な計算速度を競う部門の4つで1位となった.すなわち,
・TOP500(演算速度)
・HPCG(シミュレーション計算)
・HPL-AI(AIの学習速度)
・Graph500(ビッグデータの処理性能)
の4部門である.TOP500,HPCG,Graph500での同時首位は世界初である.
計算速度は,1秒間に1兆の40万倍以上の回数で,前回1位だったアメリカのスーパーコンピュターのおよそ3倍,日本のスーパーコンピューターが計算速度を競う部門で1位になるのは,理化学研究所の前スーパーコンピューター,「京」以来,9年ぶりである.
このほか,シミュレーションに使うことが多い計算方法や,人工知能の学習性能,それに,ビッグデータの処理性能を示す部門でも1位となった.
理化学研究所では「主要な項目で突出して世界最高性能を示すことができた.『富岳』やそのテクノロジーでさまざまな社会問題を解決できるだろう」としている.
追記)富岳は富士山の異名で,「京」(19年8月に運用停止)の後継機. 富士山のように高く(性能が高く),裾野が広く(対象分野が広く),海外での知名度も高くなってほしい――などの理由から名付けられたとのことである.「京」は高速ではあったが,使い勝手がよくなかったが,「富岳」は改善されているとのことである.
国費約1100億円が投じられ,21年度の本格運用を目指している.理研計算科学研究センターによると,432台の計算機(1台は幅80センチ,奥行き140センチ,高さ220センチ)が並ぶ.既に新型コロナウイルス対策のため,試験運用が始まっている.
プロセッサはArmベースで富士通が開発した「A64FX」.Armベースのプロセッサが首位を獲得するのは今回が初である.
以下の図および表は日本経済新聞ウエブ版を引用した.