一番始めにむへどるり氏に描いていただいた表紙案です。フォルダーに残っているデータの日付は2017年の9月30日。冬コミ(C92)に向けて・・・といったところのイラストです。
このとき予定していた案については、「光あるうちに海の上を歩め/夏の終わり」に近いものになっていて、野分の立場なども概ね変わっていません。ただ、プロットによってはラストシーンで野分がより戦闘的に、自分から舞風を奪った「鎮守府」というシステムそのものや艦娘が抹消されるよう復讐を遂げ、ICBM再突入体が鎮守府に降り注ぐのを見上げてたり、制圧部隊が突入してくるのを遠く聞きながらひっそりと笑みを浮かべる・・・ってエンディングを予定していたりしました。
ちなみに、この時点でタイトルが「シンフォニー」となっているのは伊藤計劃「ハーモニー」が念頭にあったからだったりします。
これは通算すると三枚目、この前に服装違いのものも描いてもらっています。このイラストは2017年の11月10日。
プランじたいは「光あるうちに海の上を歩め/夏の終わり」とあまり変わっていませんが、ここではたと「夕張を実行犯にすれば技術系の知識もあってすんなりまとまるのでは?」と考えてこの頃はゆうさみ本として企画していました。とはいえ、この本の企画の一番初めのメモのタイトルが「五月雨が艦娘の世界を焼き払う話」だったので、おおもとはゆうさみ本として企画が始まり、この頃までまいのわ本とどちらにするかで迷っていたという方が正しいでしょう。
とはいえ、表紙をここから先に進めてもらう上で登場キャラクターを決定することが必要になり、「『居なくなってしまった相手を追いかける』という話が似合いそうなのはどちらか」という観点からまいのわが選ばれました。
また、この頃にタイトルが「光あるうちに海の上を歩め」に決まっています。タイトルじたいはトルストイ「光あるうちに光の中を歩め」が元ネタですが、内容はそれほど関係があるわけではありません。(というよりあの構成で面白く書ける気がしない・・・)
最終的にまいのわで描くこととなり、それに合わせたイラストになりました。左から右にへと新しいものになっています。
このあたりになると、もうあまり変わりはなく、ただ作中で野分がどういう立場で関わっているのか、などをむへどるり氏とつめあわせ、その都度服装が調整されています。
最終的に決定した服装をもとに、むへどるり氏が仕上げた表紙となります。
冬コミ(C93)を前に公開した際、「舞風、最後に光の粒子になって消え去ったりしない・・・?」とのコメントをTwitter上でもらった記憶がありますが、そんなふうになっていないのは、読んでいただければわかるでしょう。(でもイラストだけ見ると確かにそういう想像もできる)