スガイとカイゴロモとは?
スガイとカイゴロモとは?
スガイLunella correensis は日本の沿岸に分布するサザエ科の巻貝です。貝殻の大きさは直径が3センチほどで、潮間帯(潮が引いた時は陸になり、満ちたときは海になる浅場)に生息します。彼らの貝殻をよく観察すると、マット状の緑色の藻が生い茂っていることがあります。これがカイゴロモという緑藻です(写真2枚目)。
カイゴロモは自然環境下でスガイの貝殻上でしか見つかっていません。このように付着基盤を1種類の巻貝の貝殻にだけ限定する付着藻類は希です。
新たな研究によりスガイ以外の宿主に付着することが判明しました!詳細は、コラム:新宿主の発見 をチェック!
スガイとカイゴロモは互いに密接な関係であると考えられるにもかかわらず、両者の関係性は多くの謎に包まれています。海洋生態系で彼らはどのような生活をしているのでしょうか?両者はどのように相互作用しているのでしょうか?彼らの分布域は重複するのでしょうか?本調査で、スガイとカイゴロモの関係性を明らかにしましょう!
スガイの利用する生息環境によってカイゴロモの付着量が異なる事が知られています。付着共生の相互作用は時空間的に変化すると言われており、どのような環境で付着共生が生じるかを調べることは、共生による相互作用を理解するうえで重要です。いったいどのような環境でスガイとカイゴロモの共生関係が確立しているのでしょうか?この問題に取り組みます。
本プロジェクトによって、スガイとカイゴロモの分布域や付着環境の条件などが明らかになってきました!詳細は成果:付着共生の環境条件 をチェック!