上越市では、今年の夏から秋にかけて、渇水による節水の呼びかけや大雨による越水、突風や突然のひょうなど、自然災害が相次ぎ、市民生活に大きな影響を及ぼしました。
また、全国的にも報道されたクマによる被害が当市大島区でも発生し、県内では「クマ出没特別警報」が発令されるなど、緊張が続いています。
被害に遭われたすべての皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
さて、これまでの市政運営の中では、発言や対応をめぐって議会として見解を示す場面もありました。この夏の出来事では、他自治体をも巻き込む形で全国的に報道されるなど、改めて「言葉の持つ力」と「説明責任の重さ」を考えさせられる機会となりました。
議会としても、市政運営がより健全で信頼されるものとなるよう、真摯に議論を重ねてまいりました。
そのような中で迎えた10月26日の上越市長選挙では、実に6名もの方が立候補されました。
多様な考えやビジョンが示され、市民の皆さまにとっても大きな関心事となりましたが、投票率は前回64.34%から56.63%へと下がり、昭和46年の市制施行以来3番目に低く、平成17年の合併以降では最低となったとの報道もありました。
「誰に入れても変わらない」という諦めの表れなのか、あるいは「市長と議会の対立構図」と映ってしまったのか。
この結果を、私たち市議会議員も重く受け止め、危機感と反省をもって臨む必要があると感じています。
言葉ひとつが人の心を温めもすれば、傷つけてしまうこともあります。政治に携わる者として、その責任の重さをあらためて胸に刻みたいと思います。
今回の選挙戦では、すべての候補が「上越市をより良くしたい」という思いで挑まれ、それを信じて投じられた一票一票が、市民の総意として示されたのだと思います。
市政とは、「市民の皆さまにとって当たり前の日常をしっかりお支えすること」にあると私は考えています。
社会は日々進歩し、便利になっているはずなのに、苦しさや生きづらさを感じることが増えるようではなりません。
人口減少社会の中で人手が確実に減っていく現実を見据え、未来を見据えた創造的な発想で、あらゆる分野において知恵を出し合うことが求められています。
多様性が尊重されるこの時代に、自然と共に生かされている自分を大切にし、他者を思いやり、互いを尊重し合いながら、まるでパズルのピースのように笑顔でつながり合える地域社会をつくっていきたい。
そのような地域には、きっと争いや憎しみは生まれないはずです。
新市長のもと、新しい市政がスタートします。
官民を問わず、想いをもって上越市の発展や市民の安心・安全のために尽力されるすべての皆さまに、心からの愛と敬意をこめて——
私も引き続き、コツコツと自分にできることを尽くしてまいります。
上越市議会議員
ストラットンえみこ