BGM専用として使用していたソニーミニコンポ DHC-MD373 のCDトレイが動かなくなった.MDや iPod 等の外部入力は正常なので,ついに「ソニータイマー?」が働いたと直ぐに分かった.MDユニット,CDユニット等を接続ケーブルから外し,バラバラに取り出すには全部でネジ 10 個を外す必要があった.CDユニットのトレイを前後開閉させるための小型モーターと受け側プーリーに掛けられているゴムベルトが伸びてプーリーの溝から外れていた.
取り敢えず直径 3.8 センチ程度の輪ゴムを掛けて試運転するとトレイの開閉はできるようになった.しかし,輪ゴムは柔らかすぎてスリップ気味のため,時々CDが認識されず排出されるトラブルが起こった.結果的には,アマゾンで購入した汎用ベルト(各種サイズの混在物)の直径3.5センチくらいのベルトに交換したら何事もなかったように動き始めた.以下はその修理記録である.
二度目のアンプ開腹では,MDユニットを固定している3本のネジ(2本は前面パネル,1本はMD支持台固定用,黄色↓の個所)を外し,全面パネルを横にずらせば,CDユニットを取り外すことなくベルト交換が可能であることが分かった.
最上段の MD ユニット
前面パネルの左右に2個,後部に1個のネジで固定されている.
左下 取り外したMDユニット 右下 MDユニットを外し,前面パネルを横にずらした状態
次図は2個のプーリーとベルトの正常な状態図である.下部がミニモーター軸のプーリー,上部が歯車を回転させるためのプーリー,分かりやすいように拡大図を示したが,ベルトの断面は四角形(□)で一辺は 1.2 ミリ程度である.
CDトレイの中心部から見えるゴムベルト
トレイの動き概念図
最近は楽曲を,回転駆動の必要のない半導体メモリーに記録して持ち歩くのが普通になっているが,1991年ソニーが開発したMDは画期的であった.それまのでアナログカセットテープに代わり,好きな曲を高音質の光ディスクとして持ち歩けるようになったからである.本機は1999年7月に発売されたCD, MDのコンポである.購入から十数年経っているがゴムベルト以外は全く問題はない.ソニー製品は1年の保証期間が過ぎた頃に故障が多いという都市伝説が存在する.ソニーのテープレコーダーやウオークマンはゴムベルトが多用されているため,ゴムベルトの劣化が都市伝説の原因のひとつである可能性が高いのではないだろうか.今回の事例もミニコンポの寿命を知らせる「ソニータイマー」なのかもしれないが勿体ない話である.電力を多く消費する本格的ハイファイシステムとは別に BGM 用の音響機器としては本機程度のミニコンポで十分である.
追記
分解,組立時の注意事項
3個の基板とは,FFC(Flexible Flat Cable,並列に配置された導体をフィルム状の絶縁体で上下より挟んで作られたフラットケーブル)で接続されているため,抜き差しの際は注意が必要(下右図参照).
フラットケーブル接続前後
購入したカセット ラジカセ レコーダー用ゴムベルトの内訳
「汎用 修理/交換用 ゴムベルト 複数サイズのセット商品」をアマゾンで購入.種々のサイズのベルト30本が含まれているが,5〜7センチサイズのものがメイン.取り敢えず応急使用した「あめ色の輪ゴム」よりすこし小さいサイズが必要であったが,適合したのは1本のみであった.