開催概要
データ駆動型材料科学研究会は、2026年9月29日(火)、赤坂Bizタワーにて「MI推進者交流イベント」を開催いたしました。本イベントは、企業でマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の推進に携わる方々が、会社や立場の垣根を越えて日々の悩みや工夫を持ち寄り、互いに学び合うことを目的とした、本研究会として初めての試みです。当日は約30名の皆様にご参加いただき、終始和やかな雰囲気の中で、率直かつ熱のこもった議論が交わされました。
開催の経緯
本企画は、大学の社会人向け教育プログラムで出会った企業研究者の方々(当研究会 会員)の「同じ分野の企業担当者どうしで交流し、国内のMIのレベルを底上げしたい」という想いから生まれ、会員の手で形づくられたイベントです。
プログラム概要
開会挨拶の後、アイスブレイクを経て、4名前後のグループに分かれて2回のグループワークを行いました。
今回の特徴のひとつは、イベント中は会社名や本名を伏せ、当日限りの「あだ名」で呼び合う形式を採用したことです。所属を気にせず本音で話せる場をつくるための工夫で、参加者からも「とても話しやすかった」という声をいただきました。
各グループの議論内容はその場で集約し、生成AIで要約して全体に共有しました。ほかのグループの課題や工夫にも触れられる構成です。終了後には懇親会も開催し、ここで、所属を明かし合いながらの交流がなされました。
グループワークの様子
グループワーク1:現場でMIが進まないのはなぜか
グループワーク1では、「人・組織」「テーマ選定」「データ整形」「横展開」などの切り口から、現場でMIの活用が進まない本質的な原因と、その解決策を議論しました。業種や企業規模はさまざまでしたが、経営層と現場のあいだの温度差、成果が見えやすいテーマの選び方、データ整形にかかる負担など、多くのグループで共通する悩みが浮かび上がりました。
各グループからは、日頃の試行錯誤から生まれた実践的な工夫が数多く共有されました。「課題は互いに絡み合っているからこそ、まずは熱量のある人とつながり、小さな成功を積み上げることが近道」という認識が、会場全体で共有されたことが印象的でした。
グループワーク2:AI時代にMI推進者に求められる力
グループワーク2では、生成AIの急速な普及によって現場で何が変わったのかを出発点に、これからのMI推進者が大切にすべき力について議論しました。解析や調査のスピードが上がる一方で、AIの出力とどう向き合うか、次の世代をどう育てるか、そして推進者自身の役割がどう変わっていくのか、といった問いが各グループから投げかけられました。
議論の中では、課題を見極めて問いを立てる力や、現場に足を運んで信頼を得ることなど、「AI時代だからこそ変わらず大切なもの」に立ち返る声が多く聞かれました。最後には、各自が明日から試せる「最初の一歩」を持ち帰る時間となりました。
参加者の声
事後アンケートでは、「また参加したい」「同僚にも勧めたい」といった嬉しい声を多くいただきました。
その一部をご紹介します。
● 他社の推進状況や悩み、それに対する取り組み方を知ることができ、大変有意義な時間だった
● MIの導入を主導する側の意見を聞くことができ、普段と違う視点で興味深かった
● 2、3歩先の取り組み事例を聞き、将来起こりうる課題や注意点を事前に把握できた
謝辞
お忙しい中ご参加くださり、率直な議論を交わしてくださった皆様に、心より御礼申し上げます。
また、本企画を立ち上げ、準備から当日の運営までご尽力くださった企画メンバーの皆様、会場をご提供くださった
東京エレクトロン株式会社様、ならびに運営にご協力いただいたすべての関係者の皆様に、重ねて御礼申し上げます。
次回に向けて
初めての開催となった今回、「同じ悩みを持つ仲間がいる」と実感できたことが、多くの参加者にとって何よりの収穫となりました。本研究会では、今回生まれたつながりを大切にしながら、次回の開催に向けた検討を進めてまいります。今回は参加が叶わなかった方々も、次回はぜひお気軽にご参加ください。