地域デザイン調査法を担当する宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科建築環境研究室の糸井川高穂です。
地域デザイン調査法では、卒業論文や修士論文をはじめ、これから皆さんが頻繁に扱うことになるデータを分析する方法について練習していきます。
よろしくお願いします。
動画:社会調査法で練習する「データ分析」って何?をざっくりと説明しています。
地域デザイン調査法では、データの扱い方を練習していきます。
授業では、毎回特定の分析手法にターゲットを絞って、使い方や出てきた値の意味などを見ていきます。
以下は、授業の構成です。
パーソナリティ心理の診断フォームへの回答を行います。
例えば、バケツにいっぱいのジャガイモがある場合、そのジャガイモの代表的な大きさはどのような値になるでしょうか?平均値?中央値?最頻値?グループの代表値を見つける方法を練習します。
Aさんの畑でとれたすべてのジャガイモは同じ重さでした…などということは、起こりそうにありません。では、どのくらい小さなジャガイモから、どのくらい大きなジャガイモまで収穫されていて、結局全体としてジャガイモの重さはどの程度ばらついているのでしょうか?ばらつき、標準偏差、標準誤差といった言葉で表すと、分かってもらいやすそうです。
Aさんの畑でとれたジャガイモと、Bさんの畑でとれたジャガイモの、一個ずつの平均的な重さは、Aさんの畑でとれたジャガイモの方が5g重かったようです。Aさんの畑のジャガイモの方が大きいです!…と言ってしまって良いでしょうか?本当に差があるのでしょうか?明日の収穫分でも同じことが言えそうでしょうか?差があるように見えるだけなのか、本当に差があるのか、検定という方法で統計的にはっきりさせてしまいましょう!
Aさんの畑でとれたジャガイモとBさんの畑でとれたジャガイモの大きさの差は、検定して統計的にはっきりさせることができました。ついでに、その横の畑のCさんやDさんの畑でとれたジャガイモの大きさも同じように検定を繰り返して…はいけないのです!何故でしょうか?
パクチーの好みは分かれますよね。アボカドも同様です。では、どんな人がパクチーを好きで、どんな人がアボカドを好きか、なんとなくで分けるのではなく、クラスタリングという手法で分けてみましょう。
お客様満足度アンケート調査をすると、自由記述欄にいろんなことが書かれます。お客様は一体どんなところに着目してどんなことを感じているのでしょうか。テキストマイニングという手法を使って、ざっくりとアンケートの傾向を調べてみましょう。
お客様満足度アンケート調査をすると、数字での評価に加え、自由記述欄に辛辣な言葉を書かれることもありますし、とてもうれしくなるような感謝の言葉を書いていただくこともあります。高評価な人たちは何を高く評価してくれているのでしょうか?その答えは自由記述欄の記述を分析することで見えてきます。テキストマイニングという手法をここでは練習します。
上着もパンツも靴も、何種類も持っていると、組み合わせに迷ってしまいます。どの組み合わせが最適かを知りたいのですが、全部の組み合わせを試してみるわけにもいきません。そんな時に便利なのが直交表という実験計画法です。組み合わせを大胆に減らしても、まぁまぁ妥当な答えにたどり着けるようになります。
服装の組み合わせを、組み合わせ数を大胆に減らして確認した結果、何を得られれるのでしょうか?それは、(おそらく)最適な組み合わせです。
自分で折った折り紙の鶴は、ちょっとクチバシの尖りがたりなかったとしても、知らない誰かの作ったクチバシの尖った鶴より愛着を感じ、価値のあるもののように感じます。その一方で、誰かの折ったクチバシの尖っていない鶴と、誰かの折ったクチバシの尖った鶴とを比べると、きっとクチバシの尖った鶴に価値を感じます。私たちの意思決定にはずいぶんと偏りがあるようですね。
ついつい私たちは、主観で物事を判断してしまいます。「飽きた」とか、「何かよくわからないけど、それは好き」とか、「みんながそれを選ぶなら、私もそうする」とか。ついつい何故だか偏ってしまう私たちの意思決定の様子を見てみましょう。
学校で学ぶことは社会に出て役に立たない…ことはありません。少なくとも、この授業に関しては。会社で本当にデータ分析していることを紹介して、この講義のまとめとしたいと思います。
社会調査法では、以下の資料を教材として使っていきます。
質問フォームはパーソナリティ心理、空間評価その1、空間評価その2の3つの質問フォームがあります。
パーソナリティ心理は、性格診断の一種、複数の視点から性格を見て行きます。人格心理や個人心理などとも呼ばれています。
社会調査法では、受講される皆さんのパーソナリティ心理の診断結果や空間評価の結果を、個人を特定できない形に匿名化したうえで共有し、データ分析のデータとします。
パーソナリティ心理などは、「第1話」に記載されているフォームから回答してください。
なお、個別の診断結果はメールでお送りします。
各回の内容や、データの分析方法などの情報は、このサイトに掲載していきます。
パーソナリティ心理の診断用フォームの共有や、集計したデータの共有などは、C-Learningで行っていきます。
以下のサイトは、統計解析を分かりやすく説明してくれています。
ハンバーガー統計学にようこそ!(平均から分散分析まで):物語に沿って、とてもやさしくわかりやすく統計学を教えてくれています。
アイスクリーム統計学にようこそ!(相関から因子分析まで):上のサイトと同じ管理者によるページです。とても分かりやすいです。
以下のサイトは、統計解析のツールとして使うRの使い方を教えてくれます。
以下のサイトは、テキストマイニングの方法やツールの使い方を教えてくれます。
KH-Coder:サポート資料が充実しています。とても詳しく書かれているので、値の意味なども分かりやすいです。