ちなみに、SNAPPY-DEERとは、Sensible and Natural Alcoholism Prevention Program for You , Danshu Experience to Enjoy your Real lifeの略です。
A)-①健康について
【動画】節度ある適度な飲酒
【動画 】アルコールによる健康被害
A)-②食事について
【動画】飲酒と食事
A)-③その他
【動画】アルコールと性機能障害(男性)
【動画】アルコールと性機能障害(女性)
【動画】アルコールと高血圧
【動画】アルコールと糖尿病
【動画】アルコールと脂質異常症
【動画】アルコールと痛風
【動画】アルコールとがん
B)-①心にゆとり
【動画】アルコールとストレス
【動画】アルコールとうつ病
B)-②よく眠れる
B)-③目覚めがよい
【動画】アルコールと睡眠
B)-④飲酒習慣からの解放
【動画】アルコール依存症への誤解について
B)-⑤考え方が前向き
B)-⑥頭の中がクリアに
B)-⑦計画的に行動
B)-⑧人生に目標
B)-⑨人に感謝
C)-①酔っ払わない
【動画】アセトアルデヒドについて
【動画】お酒に強い弱い?
C)-②飲酒運転しない
【動画】アルコールの分解代謝過程
C)-③忘れ物が減る
D)-①家族関係の改善
【動画】アルコール依存症者と家族①
【動画】アルコール依存症者と家族②
D)-②夫婦ケンカが減る
D)-③子どもとの関係改善
D)-④家族関係の改善?
E)-①仕事
【動画】アルコールと職場
E)-②規則正しい生活
【動画】酒は百薬の長?
【動画】加齢と飲酒
E)-③経済面
【動画】お酒を減らすと節約できる
E)-④断酒会との出会い
【動画】アルコール依存症と断酒会
ここではインターネット上で入手できる、アルコールに関する情報をリンク集としてまとめました。
・わが国の男性を対象とした研究のほか、欧米人を対象とした研究の結果、男性については1日当たり純アルコール10~19g、女性では1日当たり9gまでで最も死亡率が低く、飲酒量が増加するに従って死亡率も上昇するとされています。このため、通常のアルコール代謝能力を有する日本人の「節度ある適度な飲酒」とは、純アルコールで1日20g程度の飲酒とされています。
・もちろん、女性や高齢者、さらにはアルコール代謝能力の低い体質の方では、より少量の飲酒が望ましく、アルコール依存症の方では、一滴のお酒も飲まない断酒が必要となります。
・なお、もともと飲酒習慣の無い方に1日20g程度の飲酒を勧めるものではないことに御留意下さい。
・20gの飲酒とはどのくらいの量でしょうか?ここで10gのアルコールを含む飲料を1ドリンクと定義します。
・20gのアルコールつまり2ドリンクは、ビールでは中瓶1本、焼酎では0.5合、ウィスキーではシングル2杯もしくはダブル1杯、ワインでは小グラス2杯、日本酒では1合を指します。
・あなたはこれを聞いて、多いと思いましたか?それとも少ないと思いましたか?
・お酒を飲み過ぎると肝臓が悪くなるということは、既にほとんどの方がご存じでしょう。
・一番左は正常の肝臓ですが、真ん中の脂肪肝では肝臓が黄色くなり大きく腫れています。これがさらに進行すると一番右の肝硬変となり、肝臓がその機能を失っていきます。
・アルコール依存症の患者さんの脳が縮むことは昔からよく知られていましたが、最近では1日に日本酒2合程度の飲酒でも、脳の委縮がみられることが報告されたり、比較的少ない飲酒量でも脳が委縮することが明らかになってきています。また、お酒の飲み過ぎでうつ病になりやすいことも知っておいてください。
・ただしご安心ください。縮んだ脳は、ある期間お酒を飲まないと膨らみます。
・ここまで、肝臓と脳について見てきましたが、アルコールは肝臓や脳だけでなく、頭の先から足先まで、約60の病気の原因になると言われています。
・アルコールの吸収は、胃では遅く、小腸では速いことが分かっています。空腹時に飲酒すると、アルコールは胃を素早く通過して小腸上部に達し、吸収が早まります。そのためにアルコールの血中濃度が急に上がり、悪酔いを引き起こし、臓器が障害されやすくなります。
・一方で、食事と一緒に飲酒すると、アルコールが長く胃に留まるため、血中アルコール濃度がゆっくり上がって、悪酔いの危険性が減り、体への悪影響が和らげられます。
・アルコールは体内で様々な機能に影響するために、理想的なツマミは、すべての栄養素、ビタミン、ミネラルなどが万遍なく入っているものです。また、アルコールの体への影響を考えた場合、カロリーの摂りすぎや血中の脂質レベルが上がらないように、糖質や脂質の摂り過ぎには注意しましょう。またアルコールは血圧を上げる働きもあるので、塩分摂取は控えめにしましょう。
・飲酒をすると陽気、多弁になり、性欲が亢進する方も多いと思います。しかし多量飲酒をすると、一過性の勃起障害が生じます。
・そして慢性的に飲酒が続くと、テストステロン(男性ホルモン)が少なくなり、性欲の減退や勃起障害がみられます。
・アルコール依存症の方では少なくとも8%の方に勃起障害があるという報告もあります。しかし断酒をすることにより、約半数の方で勃起障害が回復したという報告もあります。
・よって、肝硬変などの重度な病気をお持ちでなければ、男性の性機能障害は、大方は断酒により回復しうるものと考えられています。
【参考文献】
アルコールと性機能 島崎淳 日本臨床 46号 8巻 1816-20ページ 1988年
アルコールによる性機能障害 男性 谷口成実 日本臨床 55号 11巻 3040-44ページ 1997年
性機能異常(男性) 簑和田滋 日本臨床 55号 sup巻 245-47ページ 1997年
・女性が多量飲酒をすると、広範囲の性機能障害をきたします。無月経、無排卵、黄体機能不全、卵巣の萎縮などです。
・特に、無月経以外については、アルコール依存症の方ではなくても、機会飲酒の方でも起こりうるので、注意が必要です。
・そしてその結果、不妊症や、妊娠した場合の流産の増加、生まれてくる赤ちゃんに低体重・顔面を中心とする奇形・脳障害などが起こる、胎児性アルコール症候群を引き起こします。
・ですので、挙児を希望している女性の場合、妊娠前は減酒、出来れば断酒が望ましく、妊娠したら全面的に断酒をすべきです。
【参考文献】
アルコールと性機能 島崎淳 日本臨床 46号 8巻 1816-20ページ 1988年
アルコールによる性機能障害 女性 石明寛 日本臨床 55号 11巻 3035-39ページ 1997年
性機能異常(女性) 石明寛 日本臨床 55号 sup巻 248-53ページ 1997年
「胎児性アルコール症候群」に関する情報が載っている。
・高血圧で治療中の人も、飲酒量を減らせば血圧が下がります。アルコールに強い弱いに関わらず、飲酒量が増えると血圧は高くなります。逆に飲酒量を減らすと、1,2週間くらいで減らした分だけ血圧が低下すると言われています。
・飲酒量が多くなるほど脳血管障害の危険性も高くなるため、脳血管障害の予防のためにもアルコールを飲み過ぎないことは大切です。
・糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが十分働かなくなったり、不足したりすることで起こる病気です。このインスリンは、体内を循環し、ブドウ糖などの栄養素が細胞に取り込まれる作用をコントロールしています。このコントロールがうまくいかなくなると、高血糖が生じます。
・長期間の飲酒や多量飲酒により、インスリンの分泌量が低下し、糖尿病発症のリスクが高まります。
・特に病気が無く、アルコールが飲める方でも、糖尿病予防の観点から、純アルコール換算で男性では1日40g、女性では1日20gをこえる飲酒は控えた方が良いでしょう。
・飲酒量を減らし、食事の量や内容にも注意することで糖尿病の改善が期待でき、肥満などの生活習慣病を予防することにもつながります。
・純アルコール換算につきましては、「節度ある適度な飲酒とは?」の項目をご覧ください。
・脂質異常症とは、血液中に含まれるLDLつまり悪玉コレステロールや中性脂肪が基準値よりも高い状態、もしくはHDLつまり善玉コレステロールが少ない状態のことを言います。アルコール自体が血液中の中性脂肪を増加させ、脂質異常症の原因になります。
・また飲酒により食事量が増加し、脂肪の多い食事を好むようになることも飲酒で中性脂肪が上昇しやすい原因の一つです。
・アルコール及びその代謝産物は体内で貯蔵されることは無く、ビタミンやたんぱく質など必要な栄養素を含んでいないことから、アルコールから得られるエネルギーは「中身のないカロリー」と呼ばれています。従って、過剰な飲酒は栄養障害にも注意が必要です。
・痛風という病気は、体の中で尿酸が過剰に生産されたり、排泄が低下したりする結果、血中の尿酸値が上昇し、そのために手足などの関節に尿酸が沈着し、関節炎を起こすために強い炎症と腫れ、痛みを認めるものです。これがいわゆる痛風発作ですが、患部が風に当たっても痛みが増強するので痛風と呼ばれています。
・酒類を問わず、アルコール自体に痛風の原因である血清尿酸値を上昇させる作用があります。特にビールはプリン体が高濃度に含まれており、血清尿酸値を上昇させます。
・ただし最近はプリン体の少ないビールも販売されているので、商品によって含有量は異なります。
・なお、食物の中でプリン体を多く含むものは、牛・豚・鳥のレバー、イワシやアジの干物・カツオ、白子、あんこう肝、干し椎茸などです。これらの食物は尿酸値を上げるので、注意してください。
・WHO(世界保健機関)の2007年の評価では、飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。
・またアルコールそのものに発がん性があり、その代謝産物であるアセトアルデヒドにも発がん性があるといわれています。
・少量の飲酒で赤くなる体質のALDH2の働きが弱い人では、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとも結論づけています。
・飲酒は、ストレスのかかった状態で起こる様々な体の変化を和らげてくれ、精神も身体もリラックスさせてくれますし、心理的な葛藤なども癒してくれます。
・その意味では飲酒はストレス解消のための手軽な方法の一つですが、いくつかの落とし穴もあります。
・一つは飲酒量で、ストレス状態では多量飲酒になりがちで、飲み過ぎには注意が必要です。
・また飲酒しているときに不安が取れたり緊張がほぐれたりしたとしても、それは必ずしも長くは続かず、酔いがさめたら元にもどっている、もしくはかえって不安や緊張が増すことがあることも知っておいた方が良いでしょう。
・基本的に、あくまで飲酒でストレスを解消しようとすることは、自分自身がストレスに強くなるわけではなく、ストレスの原因が解消するわけでもないので、状況はむしろ変わらない、もしくは悪化することの方が多いのではないでしょうか?
・そのためには、飲酒以外のストレス解消法を見つけることが大切です。飲酒のような手軽なストレス解消法を見つけることは簡単ではありませんが、スポーツ、趣味、娯楽など、その他の健康的なストレス解消法を見つけることが大切です。
【参考文献】
改訂版 アルコール保健指導マニュアル 2016
飲酒とストレス解消の関係は? 肥満と糖尿病 Vol 7 No 4 527-29 2008
・うつ病とアルコール依存症は合併しやすいことが知られています。どちらが引き金になるのかは、人によって異なります。仕事でのストレスなど共通の原因が2つを同時に引き起こす場合、多量の飲酒が長期間続きうつ状態になる場合、うつ病の症状を紛らわせるために多量に飲酒を続ける場合、またアルコール依存症の人が飲酒をやめたための離脱症状(禁断症状)としてうつ状態が出てくる場合が考えられます。
・うつ病の治療中はアルコールを飲まないことが原則です。
・これは、アルコールがうつ病の治療薬の効果を弱めてしまうこと、またアルコールが死にたい気持ちを高めてしまうことが主な理由です。
・うつ病の治療薬だけでなく、アルコールにより治療効果の影響を受ける薬は他にもあり、例えば睡眠薬や安定剤も、アルコールと一緒に飲むと互いの効果を強めて有害になる危険性があります。
・日本人は外国人と比べて、寝るためにアルコールを飲む習慣を持つ人が多いとされています。しかし医学的には、寝るためにアルコールを飲むことは避けるべきであると考えられています。
・確かに、アルコールを飲むと寝つきが良くなり、手軽な睡眠薬として効果があります。しかし睡眠時間の後半になると、睡眠が浅くなり、悪夢や寝汗、尿意を感じて起きてしまうこともあります。つまり睡眠の質が悪くなって、疲れが取れなくなります。また、次第に同じ量のアルコールでは寝付けなくなり、眠るために次第にアルコールの量が増えていきます。よって、寝酒は避けたほうがよいのです。アルコールに頼らずによく眠るためには、規則正しい生活習慣をつける必要があります。
・アルコール依存症とは、お酒の飲み過ぎで問題が起こっているのに、自分では飲み方をコントロールできなくなっている状態のことを言います。
・健康な人でも羽目を外してお酒を飲み過ぎ、酔って問題を起こしてしまうことはあります。しかし、それはたまたま起こったことで、健康な人は普段、お酒の飲み方を自分で調節できます。
・いっぽう、アルコール依存症の人の場合、飲み過ぎて問題を起こすことが、「たまたま」ではなくなっています。お酒を控えようと意識しても、それがうまくできません。
・アルコール依存症の人は、お酒の飲み過ぎる生活を続けてきたため、体質や脳の働き方が変わってしまっていて、自分の意志では飲み方を調節できなくなっています。そのような状態を「コントロール障害」といいます。
・もはや酒癖の悪さや、本人の努力が足りない、根性が足りない、といった次元の問題ではなく、治療の必要な病気となっているのです。
・このことは、上記の「飲酒習慣から解放された」「酒のことを考えなくてすんだ」という言葉の中にあらわれていると思います。
【参考文献】
新版 アルコール依存症から抜け出す本 講談社 2018
・胃や小腸で吸収されたアルコールは血管の中に入って肝臓にやってきます。その後アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらにアセトアルデヒドは肝臓でALDH2という酵素の働きで酢酸に分解され、最終的には水と二酸化炭素になります。
・このALDH2の酵素活性が低いと、悪酔いの物質であるアセトアルデヒドが体にたまり、顔が赤くなったり、吐き気がしたり、脈が速くなったりします。
・二日酔いの原因物質はアセトアルデヒドなのです。
・お酒に強いか弱いかは、肝臓でのアルコールの分解に関わるALDH2という酵素の活性によって決まります。
・肝臓でのALDH2 の活性は遺伝的に決まっており、日本人の40%は活性が弱い「不活性型」で、4%は活性が全くない「失活型」です。ALDH2活性の弱い体質は、西洋人には無く、東洋人に共通してみられています。
・40%の 「不活性型」の人では、お酒を飲む習慣ができると、酵素の働きが高まり、徐々に顔が赤くならなくなり、お酒にだんだん強くなります。ただし、「不活性型」の人が習慣的に飲酒すると、食道がんや大腸がんなどのがんの発生の危険が高まることが知られています。
・4%の酵素活性が無い「失活型」の人は、お酒を飲む訓練をしても酵素の働きが高まることは無く、全くお酒が飲めない完全な下戸の体質です。
・口から飲んだアルコールは、胃や小腸で吸収され、血液にのって肝臓に運ばれ、90%以上が肝臓で分解されます。汗をかく運動をしたり、水を多く飲んで、アルコールをおしっこから出そうとしてもほとんど効果がありません。またアルコールの分解スピードは、お酒の種類によってもほぼ一定で変わりませんので、焼酎の方が早く体から抜けるなどというのは俗説です。
・飲酒習慣や体質、体格によって多少違いがありますが、通常2ドリンク、つまり20gのアルコールが体から消失するのにかかる時間は約5時間とされています。
・つまり缶ビール500mlを1本飲むと、少なくとも飲酒後5時間は運転してはいけない、ということになります。
・同様に、焼酎2合は8ドリンクですから、少なくとも飲酒後20時間は運転してはいけない、ということになります。
・このことは飲酒運転をしない、させないためにも大事なことですから、ぜひ覚えて下さい。
・アルコール依存症とは、お酒の飲み過ぎで問題が起こっているのに、自分では飲み方をコントロールできなくなっている病気です。
・基本的には本人の体調や生活に関わる病気ですが、多くの場合、お酒関連の問題では生活が全般的に乱れるため、家庭でも職場でも、金銭や人間関係のトラブルが起こりやすくなります。
・このように、アルコール依存症は、本人の健康面だけでなく、他のさまざまな面にも悪影響を及ぼす病気なのです。
・放置すれば問題は拡大し、より深刻になっていきます。早く気付き、対処することが重要です。
【参考文献】
新版 アルコール依存症から抜け出す本 講談社 2018
・職場は、酒席での取引や交渉、あるいは職場の宴会など飲酒の機会も多く、また仕事関連のストレスが飲み過ぎのきっかけにもなり、職場においても飲酒問題は少なくはありません。
・たとえば、飲酒の影響による事故のほか、二日酔いやアルコールに関連した病気での欠勤、業務効率の低下、飲酒運転、宴席での迷惑行為、健診での異常などが挙げられます。
・ただし、職場は病気休暇や休職中の者を除き、継続して就労できている者に限れば、重度のアルコール問題を抱えた者は、就労していない同じ世代の集団と比べ、少ないと思われます。すなわち継続した就労が、アルコール依存症になるのを防いでいると言えます。
・一方で、多量飲酒習慣のあった者が定年退職後、就労という役割と歯止めを失い、急速にアルコール依存症が進展、悪化して、専門医療機関に入院となる事例が近年増えています。
・ちなみに、米国の調査では、飲酒の影響下での就労が過去1年間に1回以上ある者が労働者の15%に及ぶことが示されており、内訳では、労働者の1.83%が就業前に飲酒、7.06%が就業時間内に飲酒(多くは昼食時の飲酒)、1.68%がアルコールの影響下での就労、9.23%が二日酔いでの就労と推測されています。
【参考文献】
職場のアルコール問題早期介入マニュアル 日本医療研究開発機構「アルコール依存症への地域連携による早期介入と回復プログラムの開発に関する研究」(研究代表者:樋口進)早期介入地域モデル作成研究グループ 2019
・「酒は百薬の長」という有名な言葉がありますが、この言葉は鎌倉時代に吉田兼好の著した「徒然草」の中に登場します。そこでは「百薬の長とは言へど、よろずの病は酒よりこそ起これ」と書かれています。
・しかし現代では、WHO(世界保健機関)は、「酒は60以上の病気の元であり、200以上の病気と関連している」と勧告しています。
・脳梗塞などでは、適量以内の人は全く飲酒しない人と比べて死亡率が低いというデータがありますが、これは飲酒しない人に飲酒を勧めるものではなく、飲酒量が多くなると死亡率が高くなることは言うまでもありません。
・また、他の多くの身体疾患は飲酒量が増えれば増えるほどリスクが上昇します。このことから、「酒は百薬の長」とは言えません。
一般的に、加齢に伴い、高齢者は酒に弱くなると言われています。
その理由として、
①アルコールは空腹の場合、胃の中の酵素の働きで30%程度が分解されますが、加齢によって胃粘膜が萎縮するために胃でアルコールを分解する酵素が減少し、吸収されるアルコールが増えること、
②加齢に伴い体重に占める脂肪の割合が増加する代わりに水分の割合が減少し、血中アルコール濃度が上がりやすいこと、
③中枢神経のアルコールに対する感受性が増加して酔いやすくなることが挙げられます。
以上のような理由から、高齢者は若い人と同じ量のアルコールを飲んでも血中濃度が高くなりやすく、かつ酔いやすいとされており、飲酒には注意が必要です。従って高齢者には若い時よりも少ない飲酒量が推奨されます。
・ここでは、お酒を止めるとどのくらい節約できるのか、考えてみましょう。
・たとえば、缶ビール500mlを毎日2本飲んでいる人が飲むのを止めた場合、1本を300円とすると、1日で600円、1週間で4200円、1か月でおよそ18000円の節約になります。
・これが1年になると、およそ21万6千円の節約になります。これだけあれば、家族で国内もしくは近場の海外へ旅行に行けるかもしれません。もしくは、大型家電など、何か大きな買い物ができそうです。
・そしてこれが10年になると、およそ216万円の節約になります。家族で欧米など遠方の海外旅行に行ったり、新しい車が買えるかもしれません。
・このように、1日1日の節約額は小さくても、それを積み重ねることによって、大きな節約につながることが分かると思います。
・また、こういった個人の節約だけでなく、アルコール関連問題による損失は社会レベルで見ると、大変な金額となっています。
・厚生労働科学研究で行われた2013年の成人の飲酒行動に関する全国調査の結果では、わが国のアルコール関連問題による年間の社会的損失を3兆6985億円と推計しており、タバコの社会的損失に匹敵する額となっています。内訳では、問題飲酒者の労働効率低下による損失が最も多かったのでした(1兆5453億円)。
【参考文献】
職場のアルコール問題早期介入マニュアル 日本医療研究開発機構「アルコール依存症への地域連携による早期介入と回復プログラムの開発に関する研究」(研究代表者:樋口進)早期介入地域モデル作成研究グループ 2019
・世界で最初の、アルコール依存症者同士が支えあう自助グループは、1935年にアメリカで創設されたAAでした。
・日本ではAAを参考にして1963年に、現在の全日本断酒連盟が結成されました。
・断酒会活動の基本は例会出席とされています。例会に出席し仲間の体験談を素直に聴き、自分の体験談を率直に語ることで自分自身を見つめ自己洞察することが何よりの治療となります。
・また一般的に、例会にはアルコール依存症の本人だけでなく、家族(配偶者、両親、子供など)も一緒に参加することが出来ます。また家族のみが集まり体験談を語り合う、家族会も開かれています。
・現在、全日本断酒連盟に加盟の断酒会は全国に多数存在し、それぞれの地域に根付いた活動を行っています。断酒会の活動についての情報は、それぞれの地域の精神保健福祉センターや保健所に問い合わせていただくことが可能です。
【参考文献】
アルコール・薬物関連障害の診断・治療ガイドライン じほう 2010
アルコール依存症に関する様々な情報が載っている。
依存症に関する誤解を解く啓発動画などが載っている。
アルコール全般に関する教科書的な情報が充実している。
アルコール依存症に関する教科書的な情報が充実している。
お酒について、アルコール依存症について、分かりやすい説明が掲載されている。
減酒治療に関する様々な情報が載っている。
お酒の飲み過ぎ度合いを見るスクリーニングテストであるAUDITを簡素化し、自分が飲み過ぎかどうかをセルフチェックできるツール。
自分の飲酒量やそれに基づく分解完了時間がチェックできるツール。
YOUTUBE形式の1,2分のナレーション付き動画が22本あり、アルコールの心や体への影響について知ることができる。