スマホ&タブレット

小型端末機が膨れた


使用しなくなったスマホ(2918年8月まで使用)の活用法のひとつとして,Wi-Fi環境で監視カメラとして使えるのを知り,画像送出ソフト (AtHome Video Streamer) を使って実行していたが,やめた方がよいという結論になった.その理由はスマホが膨れ上がったからである.

SoftBank 401SH

リチウムイオン電池に付いては,以前紹介したように.充電,放電は化学反応の繰り返しである.改めて復習がてらガスの組成にについて調べてみた.

○充電ー充電器で電流を流すと,.正極側にあるリチウムイオンが,電解液を通って負極側に移動し,正極と負極の間に電位差が生じて電池が充電される.

○放電ー正極と負極を繋ぐ放電回路を作ると,負極に蓄えられていたリチウムイオンが正極に向かって移動し,エネルギーが使われる.

金属リチウムは水と反応して水素を発生するため,電解液には有機溶媒(プロピレンカーボネートやγ-ブチロラクトン、ジメトキシエタン等)が使われた.実際に商品化されたリチウムイオン電池 (LiB)は,種々の工夫が施されている.ソニーが世界で初めて商品化したLiBは,電解液にそれまでのアルカリ水溶液でなはく,非水系電解液である有機溶媒をつかう従来にはないタイプの二次電池であった.

この化学反応が起こる時に電解質が分解し多種多様のガスが発生し(通常使用,過充電,過放電の電圧によって異なる),長期間使用しているとバッテリー内部に溜まり膨張するとのことである.

一方,以前に比べ起動が遅くなってきたタブレット端末Nexus7(2012年11月購入)も,ケースから引っ張り出して見たら,膨れて内部の基板が見えるような状態になっていた,webで画像検索したらもっと膨らんだNexus7の写真が掲載されているホームページに出会った.

二台とも充電器に繋いだ状態にしていた上に,今年の夏は暑かったのが原因かもしれない.充電器は純正のものを使用していれば,充放電はスマホ本体と充電器との間のやり取りで自動的に制御されるものと思っていたが,今回紹介した 機種はそこまでは賢くないらしい.

多様なガスの発生

化学反応であるので,温度が高くなると反応速度が大きくなるだけかと思ったが,ガスの組成が大きく変化するとの研究結果が報告されている.膨脹時には,温度が上昇すると,電解液のジエチルカーボネート (DEC, O=C(OEt)2) が揮発し,その比率が大きくなっている.白煙発生時には炭酸ガスが50%程度,そのほかに一酸化炭素,不飽和炭化水素,DEC,水素等が検出されている.ガスの詳細については参考資料を見てほしい.

発生したガスがバッテリー内部に溜まるのを防止するため,最近のリチウムイオン電池はガス抜きが付けたり,電解質を固体に近いゲル状にすることにより,電池が膨らむことを抑えているとのことである.

DEC,低引火点を有する炭酸エステル