BAKEHOUSE SLOWSTEP

私たち(人)の場合

私たちの1日の栄養摂取量の目標値は、厚労省が定める「日本人の食事摂取基準」で示され、年齢・性別によって目標値が決められています。栄養バランスも「たんぱく質:脂質:炭水化物=15:20:65」程度が理想とされますが、意識しなくても生活出来るので、食べたいものを食べ、食べ過ぎたら食事量を減らし、体重維持を目指す程度には気をつけている、というのが一般的な食生活だと思います。

ビタミンやミネラルについても、色々なものを食べることで無意識に補っている方が多いでしょう。

それでは鳥さんの場合はどうでしょうか?

栄養バランスを意識していますか

シードやペレットの栄養成分表示は、たんぱく質・脂質のほか、一部のビタミン・ミネラル成分に限られているようです。シード食においては栄養バランスをとるのは大変ですが、ペレットは私たちが食べるシリアル食に近い総合栄養食であり、比較的バランスのとれた栄養が補給できます。

また、鳥種や年齢(幼鳥・老鳥)、あるいは換羽期などで必要な栄養量異な、それらに応じたラインナップを展開しているペレットメーカーもあります。

シード食は、ペレット食の場合と比べて栄養の偏りが大きいため、ビタミン剤(ネクトン等)を併用すると良いとされています

ペレットの現状

そう言いつつも、まだ科学的に十分な情報が乏しく、実際には栄養適正量が一部しか分かっていないそうです。既知の栄養適正量としては家禽(ニワトリやウズラなど)のものがあり、ここで飼料100gあたり320350kcal、たんぱく質12%、脂質4%などが最低限必要とされています(栄養最小要求量)。

主要なペレットのカロリーは、100gあたり380〜400kcal前後になるようです。また、アワ・ヒエは100gあたり350kcal前後、たんぱく質9〜11%、脂質3〜4%などで、最小要求量をやや下回るバランスです。シードと異なり、ペレットではビタミンやミネラルの補強がされている点が大きく異なりますが、その他の主要成分では目立った差異はないようです。

ペレット食が大きな助けになるとは言え、それでも不足しがちな栄養素もあります。従って、全ての鳥さんに向けてバランスの取れた完全な食事は存在しないものと考え、飼い主さんがバランスを意識しながら健康管理を行うのがよいと思うのです。

鳥さんのことを考えながら、色々なものを食べてもらいたいという思いで、飼い主さんも毎日の食事を楽しめるようになれたら、きっと鳥さんも健康で幸せになるのではないでしょうか。そして少しでも、スローステップの商品がそのお役に立てるよう、今後も栄養とカロリーを意識した商品開発を行っていけたらと考えています。

メニューに変化をつけていますか?

あなたは毎食、同じものばかり食べ続けられますか?私たちが色々なものを食べるように、鳥さんの食事にも変化をつけてあげましょう。シードやペレット、バードブレッド、野菜や果物などのメニューを、色々変えながら与えてみてください(但し、野菜や果物には鳥さんに不向きなものもあるので、安全性の事前確認を行いましょう)。ペレットはメーカーにより個性がありますので、鳥さんの反応をみながら種類を絞り込みましょう。鳥さんは嗜好性が強いことがあり、ペレットの種類だけでなく、粒のサイズによっても反応が異なることがあります。

なおペレットは輸入品が多く輸入が滞ることがあるため、複数種を併用すると良いでしょう。メーカーによってバランスも多少異なりますので、メニューが多彩になれば栄養バランスの改善にも繋がります。

食べ放題にしていませんか?

鳥さんは体重維持に努めてくれません。適正な体重・体型の維持が出来るかどうかは飼い主さん次第です。鳥さんの適切な体重(*)を知り、食べすぎたかどうかは体重管理で判断し、食事量を調整する必要があります。

(*):鳥種だけでなく個体差もあるため、飼い主の自己判断で決めるのではなく、出来るだけ獣医師の診察・指導を受けるとよいでしょう。