第38

記号論理と情報科学 研究集会

(SLACS2021)

SLACSとは

以下はSLACSのページの冒頭からの抜粋です。

「SLACS(スラックス)は,記号論理学と情報科学の境界領域に関する研究発表・研究討論の場を提供することを目的にして開催されている研究集会です.1985年1月に第1回が開催されて以来,毎年1回のペースで開催されています.SLACS は,堅苦しい研究会ではなく,その年の幹事を中心とした参加者自らの手作りによるフレンドリーな雰囲気を持った集会です.気軽に発表できる場ですから,研究が進行中の話題を持ってきて議論したり,学生さんが発表する場としても適当です.もちろん,発展を続けるこの分野の最先端の研究テーマに関する発表も数多く聞くことができます.参加者の資格は問いませんので,原則として,どなたでも講演発表・聴講いただけます.発表はごく少数の例外を除いて日本語です.」

開催要領

日程

2021年8月10日(火)から 2021年8月11日(水)

場所

オンライン開催(Zoom)

  • 参加方法等は、参加申込をされた方に後日直接ご連絡いたします。

参加費

無料

プログラム

(最終更新日時:2021年8月10日15:00)*セッション2、セッション5の開始時刻を変更しました。

8月10日(火)

  • 10:00–10:10 諸連絡

  • 10:10–11:55 セッション1 座長:中村誠希(東京工業大学)

    • 10:10–10:35 石原豪人

      • 題目:Diagonal Ramsey numbers

      • 概要:TBA(Ramsey数の近似式を求める)

    • 10:35–11:15 高木研斗(東京工業大学)

      • 題目論理結合子の選択による述語論理の関係への影響

      • 概要:真理値表を持つ一般の論理結合子を扱う古典述語論理、直観主義述語論理、および定領域の論理(CD)を導入し、使用する論理結合子の選択がこれらの論理の間の包含関係に与える影響を明らかにする。

    • 11:15–11:55 福田陽介(千葉工業大学)

      • 題目:A model of intuitionistic modal linear logic

      • 概要:様相論理の線型論理による分解である様相線型論理を直観主義K, T, K4,

S4の必然様相断片について定式化し,対応する型付きラムダ計算およびその表示的意味論を[Barber 1996][Kavvos

2017]の研究を基に与える.

  • 11:55–14:10 昼休憩

  • 14:10–16:10 セッション 座長:福田陽介(千葉工業大学)

    • 14:10–14:50 河野友亮(フェリス女学院大学)

      • 題目:複数観測者のための量子動的認識論理

      • 概要:以前の研究で単一観測者のための量子動的認識論理を構成したが、それを複数観測者のための論理に発展させるには、モデルに根本的な改良が必要であった。

        複数観測者間の量子通信等では、エンタングル(量子もつれ)等の、1粒子1観測者の状況では表れてこなかった複雑で重要な概念が登場し、モデルはそれらを扱えるようにしなければならないためである。

        今回は、モデルを改良する代わりに、改良しないそのままのモデルと動的認識論理の基本的なモデルを技巧的に組み合わせ、目的のモデルを得た。
        その得られたモデルに対し健全性と完全性の成り立つ演繹体系を構成した。

    • 14:50–15:30 小松弘佳(東京大学)

      • 題目:The Display Calculus and Proof Nets for the Lambek-Grishin Calculus, and Mildly Context-Sensitive Grammars

      • 概要:証明論の論理体系を形式文法として用いる方法であるtypelogical grammarから出発し、シークエント計算の一般化であるdisplay計算によるLambek-Grishin計算の定義と、proof netsによる特徴づけ、そしてそれを用いた弱文脈依存文法と呼ばれる文脈自由文法より広い言語クラスの関連性について話す。

    • 15:30–16:10 間庭彬仁(東京工業大学)

      • 題目A Modality for Iteration

      • 概要:本発表では nested sequent calculus に基づいて GL と iteration の Curry-Howard 対応を示す.

  • 16:1016:30 小休憩

  • 16:30–17:50 セッション3 座長:竹内泉(産業技術総合研究所)

    • 16:30–17:10 湯山孝雄(東京工業大学)

      • 題目:群の語の問題と言語クラスの閉包性

      • 概要:TBA

    • 17:10–17:50 新屋良磨(秋田大学)

      • 題目:正則言語の局所多様体とそのカラテオドリ拡張

      • 概要:言語クラスCとある言語Lに対して「LがC可測である」とは、LがCの言語でいくらでも良い精度(密度の意味で)で近似できることを言う.

クラスCとして正則言語全体を考えた場合の正則可測性は、もともと話者がとある未解決問題へのアプローチとして考案したものである.

本講演では、正則可測性の動機や具体例を紹介し、さらに、代数的に振る舞いの良い正則言語のある部分クラスCに対するC可即性に

ついての結果を紹介する.本講演は[1]の結果に基づくものである.


[1] Ryoma Sin’ya: Caratheodory Extensions of Subclasses of Regular Languages, Developments in Language Theory (DLT), 2022, to appear.

  • 17:5018:00 諸連絡


8月11日(

  • 10:0010:10 諸連絡

  • 10:10–12:10 セッション4 座長:河野友亮(フェリス女学院大学)

    • 10:10–10:50 池田光優(大阪大学)

      • 題目LTL formulaで定められた性質を連続時間確率過程が満たす確率について

      • 概要:本公演では、連続時間確率過程の経路(見本過程)に対してLTL formulaを定め、Brown運動のような代表的な確率過程がformulaを満たす事象の可測性、及び確率について議論する。

    • 10:50–11:30 只木孝太郎(中部大学)

      • 題目:A refinement of the quantum noiseless channel coding theorem by algorithmic randomness

      • 概要:The notion of probability plays a crucial role in quantum mechanics. It appears in quantum mechanics as the Born rule. In modern mathematics which describes quantum mechanics, however, probability theory means nothing other than measure theory, and therefore any operational characterization of the notion of probability is still missing in quantum mechanics. In our former works, based on the toolkit of algorithmic randomness, we presented a refinement of the Born rule, called the principle of typicality, for specifying the property of the results of quantum measurements in an operational way. In this talk, we make an application of our framework to the quantum noiseless channel coding theorem for refining it, in order to demonstrate how properly our framework works in practical problems in quantum mechanics.

    • 11:30–12:10 吉田聡(公立鳥取環境大学)

      • 題目構成的解析学における関係の連続性

      • 概要:関数の一般化としての関係について、その連続性を構成的解析学において議論する。

  • 12:10–14:10 昼休憩

  • 14:10–16:10 セッション5 座長:新屋良磨(秋田大学)

    • 14:10–14:50 中村誠希(東京工業大学)

      • 題目ポジティブ関係計算の formula-size game について

      • 概要:ポジティブ関係計算は3変数ポジティブ存在論理と二項関係の表現力に関して等価である一方、表現の簡潔さに関しては指数的な差が生じる。本講演では、ポジティブ関係計算の formula-size game を導入する方法により、3変数ポジティブ存在論理がポジティブ関係計算と比較して指数的に簡潔であることを示す。

    • 14:50–15:30 益岡幸弘(総合研究大学院大学)

      • 題目帰納的定義付き一階述語論理の循環証明体系におけるカット除去

      • 概要:循環証明体系とはその証明図がサイクル付きの木の形になっている証明体系である.帰納的定義付き一階述語論理の循環証明体系においてカット除去性が成り立たないことを示す.

    • 15:30–16:10 竹内泉(産業技術総合研究所)

      • 題目強化学習による記号論理の学習

      • 概要:強化学習により記号論理を学習するシステムの数理論理学的な正当性について議論する。

  • 16:1016:20 諸連絡

参加方法

以下のリンク先のフォームから参加申込をおこなってください。入力いただいたメールアドレス宛に、参加方法等の諸連絡を後日お送りします。

日程調整のため、講演を希望される方は、2021年7月26日(月)までにお申し込みいただけますようよろしくお願いいたします。(講演申込の受付は終了しました)

時点までに参加申込いただいた方に「SLACS2021 Zoom URL について」のメールをお送りしました(2021年8月823:00 2021年8月919:00)。
メールが届いていない場合には下記の連絡先までご連絡ください。
メールが迷惑メールフォルダに入っているかどうかについてもご確認ください。

連絡先

中村誠希(東京工業大学)

slacs2021 at gmail.com