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＜アンソロジー寄稿／表紙＞Ａ5サイズ
2016年11月6日（日）閃華の刻 8・月下美刃 3
みかんばちゃん媚薬ネタアンソロの表紙・裏表紙、繋ぎ絵です。
涎が出ちゃう感じの豪華執筆陣がお揃いで（引き受けた時点で確定だった方以外にも、どんどん追加で凄い人増えてしまって）「なんでわしこんな凄い本の表紙描いとるんや……」ってなっていました。かなり奇跡だったのでは。
青系で影を被せて逆光っぽくした方が怪しい感じ出るかな…とは思いつつ、影をかけると人物が背景に沈んでしまうかなあ……と。
個人誌だったら完全に自分の好みで逆光で暗く塗ったと思うんですが、アンソロの表紙という事でキャラが目立つ様に背景より人物の方が明るめ・暖色寄りの仕上げでした。
裏表紙の執筆陣一覧に私の名前がないのは、最初一番上になる予定（表紙担当なので）だと知って「一番下とか隅っことかにして下さいあんな名立たる面々の一番上に名前書かれたら死んでしまうので！！何なら名前なくて良いです！！！！（※要約）」と私がわがままを言った所為です。その節はご迷惑をお掛けしましたすみません。でも本当に一番上に自分の名前が来なくて良かったなあ……って今も思います。
目次にはこっそりいます。
■ラフ
「媚薬ネタ・R18」という事で、最初に表紙のお話を頂いた時点でシチュエーション的に『夜の室内、画面全体暗め・抑えめ』というのは自分の中で決まっていました。
あからさまに押し倒し構図とかも考えたんですが、主催さんのところの本の表紙が寝そべり構図が多かったので、方向性は変えて行こうかなとお座り構図に。
第一稿。お互いしか目に入ってませんVer.です。
『媚薬の所為でハシタナイまんばちゃん(普段絶対しない事させよう)』が個人的なコンセプトだったので、まんばちゃんからしなだれかかってみたり、服装もだらしない感じにシャツとズボンだけの、シャツの前ご開帳みたいな。
ズボンの線の描き込みが無さ過ぎて（自分の頭の中で当然まだズボンは穿いてるイメージだったので）ラフを見せた時に服装の説明を全くしなかったら主催さんにシャツ１枚（脱ぎすぎ）だと思われていたという笑い話があります。
最初は背幅分（画像の真ん中にある縦長の赤線長方形のところ）と塗り足しを仮１cmくらいで取っていたんですが、執筆者様どんどん追加されて行ったので第２稿の時にはガバッと広げて仮２cmで取っています。
・まんばちゃんが脱がされ過ぎでキャラらしいパーツが足りない
・表紙絵だからみかちかさんだけでもカメラ目線な方が良い
・媚薬の小瓶もっと判りやすく持ってた方が良い
みたいな修正が入って第二稿です。
まんばちゃんのガードがかなり堅くなって構図はこれで決まり。サクサクと線画と色塗りに行きました。
「媚薬ネタ」と一言で表現しても人によってイメージが違う訳で、一般的に「みかんば＋媚薬＝とろとろまんばちゃん」的な方がコンセプトアンソロ表紙のアプローチとしては判りやすいのかなと。
私が媚薬ネタを考えると、媚薬の所為でまんばちゃんが吹っ切れて襲い受けしたり三日月さんがふにゃぁっと受臭さ全開になってしまったり、どっちも揃ってとろとろしてしまうので、この辺は飽くまでも『一般的な方向に持って行こう』という自分なりの指針がありました。
＼ﾄﾞﾔｯ／
普段攻め攻めした三日月さんあまり描かないので（好きなんですが自分で考えるネタは三日月さんがふわふわしがち）人様の所で攻め攻めな三日月さん描かせて頂く時って無駄に気合入ってﾄﾞﾔ！っとしてる感あります。
文字入れや全体の色味調整は主催さんにお任せしたので、最終的には青味強めの仕上がりです。
■小物
「媚薬ネタ」なのを判りやすくする為に「媚薬の入っている小瓶」を持たせましょうかという話で、形・大きさ・液体の色、諸々。
別パーツとしてレイヤーを分けた状態で色々試行錯誤しました。
瓶が小さいと目立たないし、色も瓶の周りが「肌色（暖色）・白・焦茶・紫」みたいな色で囲まれているので何色にすれば良いのかなみたいな……。
周りに使ってない色だからって緑とか赤は毒々しいかな、ピンクはあからさまに下品かなあ、うーんとか。
黄色だとエナジードリンク色だなとか。
瓶が目立たないから形変えよう、サイズ変えよう、とか。
もっと見えやすい感じに持ち直させよう、とか。とか。
意外と無い頭捻ったんですよ。うん。
最初は日本酒の一升瓶を縮めた感じの形で水引飾りをぶら下げておくつもりでしたが、瓶＋三日月さんの手の辺りを描き直しています。
手の辺りを描き直し・塗り直しして決定稿です。
液体の色は主催さんから案を頂いて三日月さんの目の色グラデになっています。
■完成品
自立する薄くない薄い本。ご覧下さい、背幅２cm！！！！
もちが良いサイズ対比になるのでは。
箔押しがスカイブルーかな、とっても綺麗で可愛い色でときめきます。
初めての印刷所でしたが、表紙の色もとても良い色合いに出たし、髪の毛とか目元とか自分でこちょこちょ描き込むのが大好きな部分も細かく綺麗に出てくれて大満足でした。
一応1.6～1.8cmくらいを目途に考えていて、ページ数が概算予定より増えても大丈夫な様に、と思って２cmで余裕を持たせていたんですが、最終的なページ数が決まってみれば２cmほぼジャストでした。
凄いですね…今までジャンル問わずアンソロ表紙・小説表紙描かせて頂いた事は何度もあるんですが、背幅２cmは無かったです。凄い新記録です。
背幅余裕持たせておいて良かったなーと思いました。ほんとに！！w
最初（表紙だけでなく）描きたければ漫画も是非、とお声かけ頂いたんですが、ハードルが高過ぎて漫画は辞退しています。
「自分以外にも複数絵描きさんが参加するアンソロで自信のない白黒、しかもＲ１８になんて挑む度胸はない」というのが理由なんですが、未だに辞退して正解だったと思っています。漫画でも参加していたら自分の実力不足に絶望して筆を折っていたかも知れないです。真面目な話。
それくらい凄い面子が揃ったアンソロだったという事です。