開催期間 9/13.Fri~9/14.Sat
現代を生きるあなたへ
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ー情報社会の中で主体的な思考を促す創造空間の探求ー
芝浦工業大学建築研究会主催
開催場所:建築会館 1F 展示コーナー
開催期間 9/13.Fri~9/14.Sat
現代を生きるあなたへ
ー情報社会の中で主体的な思考を促す創造空間の探求ー
芝浦工業大学建築研究会主催
開催場所:建築会館 1F 展示コーナー
今年の建築研究会は例年以上にテーマ決めが難航した。
真偽が定かでない情報を受信し続け、「私たち」自身の主体性が認識できずにいたことから、やりたいことを見出す作業に苦戦したためである。
昨今の情報テクノロジー(IT)は急激に進展しており、それらを取り巻く社会環境の変化が著しい。
我々のような生まれながらにITに親しんでいる世代は*デジタルネイティブ(※1)として分類される。その世代は情報を取り巻く環境に依存しすぎてしまい、結果として創造を育まない受動的な行動を取るようになっていく。
振り返ると、私たちの議論から、
「興味がある情報のみを惰性で収集している。」
「トピックについて自身の言葉で表現できない。」などの声が上がり、目に入ってきた情報に対して懐疑的にならず、鵜呑みにしていた現状が浮かび上がった。
私たち自身の受動的とも言える行動によって、知らずのうちに“創造力”が埋もれてしまっているのではないだろうか。
哲学者*ピエール・レヴィ(※2)は著書『ヴァーチャルとは何か?―デジタル時代におけるリアリティー』において、ヴァーチャルを創造の起点とし、アクチュアルをアイディアの社会実装として、双方向的な*弁証法的行動(※3)から、さらなる価値創造が見出されるとしている。
私たち「デジタルネイティブ」世代は、この
”創造の起点”への主体的な意識と”社会実装への意欲”的行動の往復運動が足りないのではないだろうか。
そこで2024建築展では、デジタルネイティブが創造力を発揮し、建築にどのようなアプローチが可能か。体験者が”創造の起点”を持つための建築空間を考察した。経営学者・野中郁次郎氏のSECIモデルの4つのフェーズ—内面化、共同化、表出化、連結化—を糸口とし、「創造力」の体系化を図る。 それは感覚をアウトプットすることで、デジタルネイティブの見えざる創造力という感性を実体化し、情報社会を生きる私たちが未来に提言を示す試みである。
※1「デジタルネイティブ」
デジタルネイティブとは、学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代であり、1970年代後半生まれを黎明として3区分に分類される。2001年に提唱され、2010年代に入ってからバズワード化した。
引用文献 ※マーク・プレンスキー『Dijital Natives, Digital Immigrants』
※2ピエール・レヴィ
1956年、チュニジアのチュニスに生まれる。哲学者。ミシェル・セールに師事。フランス国立工芸技術院で情報工学を学び、グルノーブル大学で情報とコミュニケーション科学の博士号を取得
※3弁証法的行動
世界や事物の変化や発展の過程を本質的(矛盾を解消し高い次元へと発展する働き)に理解するための方法論。