"コスプレ"で明治時代を体感

「明治150年ドレスアップバスツアー」

〜第13回湘南邸園文化祭で〜

今から150年前の1868年10月23日、明治天皇の即位による改元<注1>が行われました。2018年10月23日(火)、この記念すべき日に、湘南邸園文化祭の一環として「明治150年ドレスアップバスツアー」を開催いたします。

小田原・大磯・茅ヶ崎で明治時代にゆかりのある場所を、明治をキーワードにした

ドレスコードに基づいたファッションで巡ります。フォトジェニックな建築物を背景に「インスタ映え」する写真を撮る、湘南グルメに舌鼓を打つ、サロンコンサートで明治時代の夜会に想いを寄せる・・・。どなたも思い思いに楽しめる、盛りだくさんの日帰りツアー企画です。

衣装協力:クラシカルプリンセスジャポン(明治時代の貴婦人に着用された『着物バッスルドレス』の研究・調査・制作を行い、横浜・東京の洋館等でドレス着用・撮影体験を提供)小道具協力:あきざくら(大切な着物をリメイクして、世界にひとつだけの日傘をつくる 着物リメイク日傘ブランド)ロケ地:大磯迎賓舘 竣工大正元年(1912年)建設開始明治期(大磯町)モデル:第7代スマイル茅ヶ崎 撮影:澤田公仁

旅行行程表

・交通事情によりお時間が前後する可能性がございます。

旅のポイント

清閑亭(小田原市南町1-5-73)

明治39年(1906年)に建てられた黒田長成侯爵の別邸です。晴れた日には真鶴半島や大島を望む相模湾や箱根山を一望できます。数寄屋風の建物は、当時のままの室内灯やおしゃれな掛け込み天井、床の間の墨跡窓や見事な透かし彫りの欄間など、随所にみられる工夫を凝らした贅沢な造りに建て主のこだわりが感じられます。

旧吉田茂邸(中郡大磯町国府本郷5551-1)

旧吉田茂邸は内閣総理大臣を務めた吉田茂が暮らしていた邸宅です。もとは明治17年(1884年) に吉田茂の養父・吉田健三が土地を購入し、別荘を建てたのがはじまりです。養父亡きあと吉田茂が邸宅を引き継ぎました。庭園のご散策をお楽しみください。ご希望の方は旧吉田茂邸の見学もできます。(雨天の場合は邸内見学のみ)

大磯迎賓舘(中郡大磯町大磯1007)

1912年(大正元年)に貿易商の別荘として建てられた、明治の様式を残す洋館です。国有形文化財に指定されています。多くの賓客をもてなしてきたダイニングルームで明治時代をイメージしたティータイムをお楽しみいただきます。

茅ヶ崎館(茅ヶ崎市中海岸3-8-5)

明治32年(1899年)創業の旅館で、国有形文化財に指定されています。小津安二郎監督の定宿として知られ、今も是枝裕和監督をはじめとした映画人が「ホン書き宿」として利用しています。「ハチミツとクローバー」「ちはやふる〜結び〜」などの映画のロケ地にもなっています。

使用バス会社:神田交通株式会社

お問い合わせ:info@chigasakikan.co.jp(茅ヶ崎館・森)

ツアー募集人数は40名(先着順)。代金の振込をもって申込完了とします。振込手数料は申込者負担です。

企画概要

湘南邸園文化祭とは、相模湾沿岸地域一帯(以下、湘南)に残る邸園(邸宅・庭園、歴史的建造物等 以下邸園)を舞台に、毎年秋、様々な文化的催しを行う広域的なイベントで、今年、13回目を迎えます。

湘南は、明治期から別荘地・保養地を形成し、首都圏で活躍する政財界人や文化人が滞在し交流する地域として発展し、文学・音楽・スポーツなど様々な文化を発信してきました。しかし、近年において、その文化を育んできた邸園が失われています。一方、この地域の各地では邸園の保全活用やまちづくりに取り組むNPO等が活発に活動しています。湘南邸園文化祭は、この地域の歴史文化を育み、人々の心に残る景観をかたちづくってきた邸園を、官民協働で保全・活用し、新たな文化発信や地域住民と来訪者による多彩な交流の場として、地域の活性化につなげるという「邸園文化圏再生構想」の具現化のために行われています。

湘南邸園文化祭では、各邸園ごとにイベントを行っていましたが、このたび「明治150年」<注2>関連施策として、小田原、大磯、茅ヶ崎の地域連携をはかることにいたしました。

さらに、これまでにない試みとして、バスツアーに明治をキーワードとしたドレスコードを設ける。参加者はドレスや着物、明治をイメージした小物を身につけるなど、自分たちも明治の風景の一部となる。いわばコスプレですが、実は、明治時代に伊藤博文が「フワンシーボール」と銘打ったコスプレ舞踏会を開いたという史実があります。<注3>そのような明治の遊び心を感じていただくことも本企画の目的です。

ツアーで巡るのは、それぞれの地域の中で明治にゆかりのある邸園。小田原では明治時代に活躍した黒田長成(ながしげ)侯爵の別邸として、1906年(明治39年)に建てられた清閑亭を皮切りに、第3代・第9代の内閣総理大臣を務めた山縣有朋や日露戦争で功績を挙げた秋山真之ゆかりの地などを予定しています。なお静閑亭では平塚の名店、H×M特注の地元食材をふんだんに盛り込んだお弁当をいただきます。

大磯では、明治17年(1884年) に吉田茂の養父、健三が土地を購入し、別荘を建てたことに端を発する旧吉田茂邸周辺を散策。明治元勲ゆかりの史跡を経て<注4>、明治時代に建てられた<注5>洋館である大磯迎賓舘で明治時代のお菓子をいただきながらのアフタヌーンティーを楽しみます。フォトジェニックなスポットが豊富な同館ではSNS映えする写真が撮影できるので自慢のコスチュームが映えること間違いなし!。

茅ヶ崎では、明治32年(1899年)創業の旅館、茅ヶ崎館へ。国指定有形文化財の館内を見学。こちらでは和の伝統建築をバックに撮影を楽しめます。ラウンジでは明治時代の夜会をイメージしたサロンコンサートを開催。鎌倉在住の高橋教予さんが演奏するショパンの曲などをお聴きいただきます。若い方にもどんどん参加していただきたいと思っております。

注1:改元の詔書には「慶応4年を改めて明治元年と為す」その年の1月1日遡って適用されました。

注2:政府では、「明治150 年」を迎える平成30 年(2018 年)を節目として、改めて明治期を振り返り、将来につなげていくために、地方公共団体や民間企業とも一緒になって様々な取組を行っています。

注3:1887年(明治20年)4月20日には伊藤博文首相官邸で、大仮装舞踏会(fancy ball)が催されました。今でいうコスプレパーティーで、首相夫妻はヴェネチア貴族に扮し、賓客を迎えました。ヨーロッパ生活が長かった佐賀藩11代藩主鍋島直大(なおひろ)は夫人とともにフランスの宮廷衣装で出席しましたが、和風の出席者も多く、井上馨は「三河万歳」、渋沢栄一は、「山伏」、長州軍の参謀として活躍した杉孫七郎は真田十勇士のひとり「霧隠才蔵」に扮しています。

注4:政府が「明治150年」に合わせて伊藤博文「滄浪閣(そうろうかく)」の旧邸宅をはじめ、近隣の旧大隈重信邸、旧陸奥宗光邸などを「明治記念大磯邸園」(仮称)して整備していますが、ルートの関係で車内からの案内になる予定です。

注5:大磯迎賓舘の竣工は大正元年ですが、施工は明治時代に開始されました。