小路口Ⅰ・Ⅱ遺跡の発掘調査は、平成21年度に公益財団法人岩手県文化財事業団埋蔵文化財センターによって行われました。その調査結果、樋爪館関係遺跡が国道4号の東に広がることが確認され、さらに北上川西岸に達することが想定されました。
調査範囲の北東部分から、幅約8m、深さ1mの大溝が直線的に100m以上にわたって見つかり、大溝で区画された方形の場所が明らかになりました。樋爪館を囲む大溝と大きさや形が似ており、同じ時期に作られた可能性が高いと推測され、大溝に平行する道路と理解される形の溝も見つかっています。
かわらけなどの出土品も豊富で、平泉でも稀な遺物もあり質的にも樋爪館内部や平泉にも劣らないものが出ています。
これらの成果に基づき、樋爪の都市的な場の範囲は樋爪館から北上川までの間およそ1㎞広がり、平泉と同程度の都市の区域を想定することが可能と言われています。