紫波町北日詰字城内の北上川西岸に所在する中世の城館跡です。
北上川に沿って南に北日詰城内Ⅰ遺跡・南日詰大銀Ⅱ遺跡が続いています。近年の大銀Ⅱ遺跡の発掘調査で12世紀の遺構・遺物が見つかり、樋爪館跡の範囲が北上川岸にまで広がることが確定的になっています。
北条館は、平安時代末期には紫波地方を支配していた樋爪一族の誰かの居館跡で、付近には船溜りあったのではないかと考えられてきました。
一方、天正20年(1592年)に豊臣秀吉が南部信直に破却を命じた「肥爪平城」に該当するのが、北条館だけしか考えられないことから、この遺跡が中世の「肥爪城」の一部とする説もあります。今後の発掘調査結果が注目されています。