思春期は、こころもからだも大きく変化する大切な時期です。学校生活、人間関係、気分の落ち込み、体調不良、月経や成長の悩みなど、思春期ならではのさまざまな不安や困りごとを相談できるのが思春期外来です。本人はもちろん、ご家族からのご相談にも対応し、一人ひとりに寄り添いながらサポートします。
・朝起きられない
・度々頭痛や腹痛が起こる
・とにかく体がだるい
・めまいやふらつきがある
・友人関係や親子関係の悩み
―その多くは、起立性調節障害という思春期特有の自律神経の障害が関与しています。
起立性調節障害(OD)は、立ち上がったときの血圧や心拍、血流の調整がうまくいかず、脳や体への血流が不足して、さまざまな不調が起こる状態です。思春期に多くみられ、からだの問題だけでなく、ストレスなどが影響することもあります。
よくみられる症状
立ちくらみ、ふらつき、頭痛、動悸、だるさ、食欲低下、朝起きられない、午前中に調子が悪い、集中しにくいなどが代表的です。症状が続くと、遅刻や欠席が増え、学校生活に影響することもあります。次に説明する過敏性腸症候群を伴いやすいのが思春期の特徴です。
大切なこと
「怠け」ではなく、適切な診断とサポートが必要な状態です。貧血、心疾患、内分泌疾患、うつ症状など、ほかの病気との見分けも大切なため、気になる症状が続くときは医療機関への相談が勧められます。
過敏性腸症候群(IBS)とは?
過敏性腸症候群は、検査では大きな異常が見つからないのに、腹痛やおなかの張り、下痢、便秘などをくり返す状態です。思春期では、学校生活や人間関係のストレス、生活リズムの乱れなどが影響して症状が出やすくなることもあります。つらさが周囲に伝わりにくいこともありますが、決して気のせいではありません。適切に相談しながら、症状に合わせた対応を考えていくことが大切です。
なぜ起こるの?(自律神経との関係)
おなかの動きは、自分の意思とは関係なく働く自律神経がコントロールしています。自律神経のバランスが乱れると、腸が動きすぎたり、逆にうまく動かなかったりして、腹痛、下痢、便秘、おなかの張りなどが起こりやすくなります。思春期は、からだの変化に加えて、学校生活や人間関係のストレス、睡眠不足、生活リズムの乱れなどの影響を受けやすく、症状が出やすくなることがあります。
ODとの関連
起立性調節障害(OD)も、自律神経の働きがうまくいかないことで起こる病気です。ODでは、立ちくらみ、めまい、朝起きられない、だるさ、頭痛などがみられますが、腹痛や便通の異常を一緒に感じることもあります。つまり、ODと過敏性腸症候群はどちらも自律神経の乱れが関わっていて、重なってみられることがあります。
大切なこと
「気のせい」や「甘え」ではありません。こころの問題だけでも、おなかだけの問題でもなく、からだとこころの両方が関係する不調として考えることが大切です。つらい症状が続くときは、ひとりで我慢せず相談してください。
OD(起立性調節障害)
まず、立ちくらみ、めまい、朝起きられない、だるさ、頭痛、動悸などの症状を確認します。そのうえで、疑わしい例には、午前中の新起立試験を行い、横になった状態から立ち上がったときの血圧・心拍数・血圧の回復を測って診断します。つまり、症状の聞き取り+起立試験が中心です。
IBS(過敏性腸症候群)
IBSは、症状から診断する病気です。国際的にはRome IV基準が使われ、子どもでは少なくとも2か月以上、月4日以上の腹痛があり、便をすると楽になる、便の回数が変わる、便の形が変わる、などの特徴を確認します。また、検査で説明できる別の病気がないことも大切です。必要に応じて、診察、便検査、血液検査などで炎症性腸疾患(IBD)、感染症、貧血などを除外します。IBDが否定できない場合は、総合病院にて内視鏡が必要なこともあります。
ODとIBSが重なるとき
どちらも問診がとても重要です。ODでは自律神経症状、IBSでは腹痛と便通のパターンを詳しく聞きます。症状が重なって見えることもあるため、実際には「ODの評価」と「おなかの病気が隠れていないかの確認」を並行して進めることがあります。
1. 小児科と小児外科、両方の視点で診療
当院では、小児科と小児外科の知識を活かし、思春期のお子さんのこころとからだを総合的に診ています。
2. おなかの症状を専門的に評価
小児外科は腹部診療の専門領域です。腹痛、便秘、過敏性腸症候群など、思春期に多いおなかの不調についても、専門的な視点から丁寧に診療します。
3. 採血による栄養状態の評価
必要に応じて採血を行い、貧血や栄養状態などを確認します。思春期の不調の背景に、栄養の偏りや体の内側の問題が関わっていないかも評価します。
4. 専用時間帯でじっくり相談
思春期外来は、30分の専用時間帯で行います。一般診療とは分けた落ち着いた環境で、あわてずゆっくりお話しいただけます。
5. こころとからだの両面に寄り添う外来
思春期の不調は、こころだけ、からだだけでは説明できないことも少なくありません。一人ひとりの背景に寄り添いながら、丁寧にサポートします。