液体・溶液

多くの化学反応が溶液中で起こることから、化学において液体・溶液は非常に重要なターゲットです。また、私達の体のおおよそ60%(重量)は液体である水が占めています。液体・溶液の難しくも面白い点は、常に動いているということでしょう。当研究室では、様々な液体・溶液の運動性についてレーザー分光で調べています。

また、レーザー分光による液体・溶液の物理化学的な研究のみならず、イオン液体などの機能性流体の開発にも取り組んでいます。

機能性流体

イオン液体

イオン液体は室温(100 ℃以下とすることもあります)で液体状態の塩のことをいいます。

多くのイオン液体(特にカチオン)は有機物ですが、常温常圧下では蒸気圧がほとんどなく、燃えにくい性質を示します。そのため、安全性の高い液体材料(電解質)として期待されています。

深共晶溶媒

深共晶溶媒とは、固体と固体を混ぜると室温で液体になる物質のことです。

写真に示してるのは、尿素(右)と塩化コリン(左)をある比率で混ぜ合わせた共晶溶媒(中央)です。

高電導深共晶溶媒

当研究室で見出したイミダゾリウム系ヨウ化物(融点は約80℃)とヨウ素(融点は114℃)から成る深共晶溶媒は非常に簡単に液体となり、非常に高いイオン伝導(70 mS/cm)を示します。

写真(上から下)はイミダゾリウムヨウ化物塩白色)とヨウ素)をある比率で混ぜ合わせると瞬くうちに(10秒程度)液体になる様子を示しています