白梅祭の灯をつなぎ新たな「世界」へ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 学長　髙田文子

　今年の白梅祭のテーマは「世界旅行」とのことです。コロナ禍で渡航する旅行は叶わないけれど、それぞれの大切にしてきた心情的な、人間関係的な世界をオンラインというツールを使って縦横無尽に往来しよう！ということかと想像しました。

10月になると、学内のあちこちで廊下を占拠して看板が作成され、ゼミやサークルで発表や出店にむけて集中した盛り上がりを見せるのですが、今年もその光景を見ることは叶いませんでした。大学の4年間のうち2年連続でこれまでと同様規模の実施ができないということは、白梅祭という本学の文化の継承にどのような影響をもたらすでしょうか。

現状として、一昨年度運営主軸としての経験のあった学年が卒業してしまい、3年次に運営主軸の経験の機会が得られなかった現4年生と、白梅祭自体をほぼ経験していない今年主軸の3年生、そして、未経験の1年生と2年生とで構成されるという状況になっています。文化の伝承としてみると、危機的状況と言わざるを得ません。このような厳しい状況下で、実行委員会メンバーの皆さんは、せめてオンラインで実施しようという苦渋の決断をしたわけです。

白梅祭は本学の文化であり、学生の皆さんが主役となって、種々の活動を有形無形の表現として創り上げ、展開し、ともに楽しむアイデンティティ形成の場のひとつです。仲間とともに工夫を重ね、準備をして出店することも、売り上げ以上のさまざまな意味をもたらすことは経験的に知っていますが、今回はそのような内容は実現しません。オンラインで発信するということは、受信する側を想定しなければならず、そこであらためて「何をしたいのか」、「何を伝えたいのか」を考え、「誰にむけて発信したいのか」、「どのように見えるのか」を想像することになるでしょう。白梅祭としての新たな「世界」への挑戦ですね。

こんにちは！澄み渡る空気が心地よく感じられるようになりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。今年度白梅祭実行委員会委員長を務めました佐伯恵です。

本日は白梅祭をご覧いただき誠にありがとうございます。

昨今の感染症の状況を踏まえ、誠に残念ではありますが、今年度はオンラインでの実施となりました。

世界中に猛威を振るった新型コロナウイルスの影響で、授業がオンラインに切り替わったり、イベントがなくなったり、旅行に行けなくなったりと、思い描いていた未来とは異なり、様々な我慢や辛抱を強いられた方も多いと思います。

そのような状況で当初の今年度の白梅祭のテーマは、「旅行に行けない今だからこそ、世界旅行へ」でした。オンラインに変更になってしまいましたが、白梅生の作り出す世界を楽しんで旅行をして頂けたら嬉しいです。

例年とは異なり、皆様に直接お会いできなくて残念ですが、さまざまな企画を通して、白梅祭を楽しんでいただけたらと思います。

オンライン白梅祭をご覧いただいた皆様の人生の旅路が、笑顔あふれるものとなりますよう心から願っております。引き続き、どうぞお体に気をつけてお過ごしください。

白梅祭実行委員会委員長　子ども学科3年　佐伯恵