BioBlitz (バイオブリッツ)は「市民参加型生物多様性調査イベント」と呼べるもので,欧米中心に20カ国以上で実施されています.
単なる自然観察とは異なり
①子供を含む市民と生物の専門家が一緒に活動し,
②一定の決められた場所の生物多様性を,
③一定時間(普通は24時間)の間にどれだけ調べられるかにチャレンジします.
環境教育という目的に加え,従来の観察会などとは異なる多くの利点があります.
お祭り的な要素があり,自然を深く楽しめます.
地域密着型の活動で,地域の自然の豊かさ,課題のアピールにも利用できます.
有意義な科学的活動であること,市民に自然に深く関わるきっかけを与えます.
一般市民が生物の専門家に直接会い,接する機会があります.
一般的な観察会では目につかない生物と出会うことができます.
報告書をまとめることで,科学調査に加わったことを実感することができます.
調査活動だけでなく,同時に講演やハンズオンなど教育プログラムを提供します.
博物館や大学,公園管理者,学校などが実施することが多く,大掛かりなものでは,(英)ロンドン自然史博物館,(米)スミソニアン博物館,(米)ナショナルジオグラフィック協会,などが実施したBioBlitzがあります.
日本国内でのBioBlitz 日本国内では馴染みの少ない活動
新横浜公園の生きものみっけ!バイオブリッツ目指せ昆虫30種(2017 by 新横浜公園)
宮島沼BioBlitz(2018 by 環境省宮島沼水鳥・湿地センター、宮島沼の会)
浜厚真BioBlitz(2021 by 石狩川流域湿地・水辺・海岸ネットワーク)
白神BioBlitz 2023(2023 by 弘前大学白神自然環境研究センター)など.
BioBlitzの活動は,国連が定めたSDGsの17の国際目標のうち,
[4. 質の高い教育をみんなに],
[14.〜15. 海と陸の豊かさを守ろう]に大きく貢献するほか,
[13. 気象変動に具体的な対策を]へも重要な気づきを与えるものです.
昨年度から取り組み始めた「白神BioBlitz」は開催地を変えつつ毎年実施する予定です.