すばる望遠鏡HSCデータを用いたクェーサー周辺の銀河環境調査 (柴田航平, 愛媛大学)
クェーサーの発現メカニズムの一つとして、ガスが豊富な銀河同士の合体が提案されている (e.g., Hopkins et al. 2008) が、観測的には未だ確証が得られていない。このような銀河の合体は、銀河の個数密度が高い領域でより頻繁に発生することが期待されるため、クェーサーがどのような銀河環境に存在するのかを明らかにすることが重要である。本公演では、すばる望遠鏡 Hyper Suprime-Cam (HSC) データと Sloan Digital Sky Survey (SDSS) クェーサーカタログを用いて、約 500 deg² にわたる z = 0.4 − 1.0 の 1,912 個のクェーサーの環境を統計的に調査した結果を報告する。さらに、HSCの狭帯域フィルターで同定された輝線銀河を用い、クェーサー周辺の星形成銀河環境を調査した結果も併せて報告する。