十號

特集「笑(えみ・わらい)20223


◇作品解説


記念すべき「紫明」創刊25周年(通算50號)となる本誌の表紙を飾るのは、山口の原点とも言うべき作品『ヴィトリーヌNo.1』(1952,富山県美術館蔵)です。かつて瀧口修三は『ヴィトリーヌ』を「眼のオルゴール」と形容しました。シリーズ最初の記念碑的なこの作品は、まさにオルゴールのような小さな小箱に収められていて、美術品というよりも正体不明の不思議な「装置」として、その存在感を主張しています。描写的な要素を削ぎ落したモノトーンの外観は視覚芸術に不可欠な「視る」という行為を一層際立て、鑑賞者をそのシステムの内側へと誘います。


―― 誌面上にも、山﨑均氏の寄稿による作品解説が掲載されています。