第三

特集「書」 1998年9


表紙の言葉


 身体は常に圧力関係の中にある。舞や書やスポーツの美は、動きをはらんだ力の釣合いから生まれる。人間と宇宙を結ぶ「気」の噴射。その瞬間に生きる力を感じる。



◇作品解説


山口は常々「重力に抗う」ことを目指して表現を行ってきました。そこでは浮遊感や透明感、あるいは変化する動的な要素が重要となります。本號のテーマである「書」は、描く行為自体が作品化されているという点で、パフォーミングアートの一つとして捉えることもできます。表紙に採用された描き下ろしのドローイングは、そうした刹那的な瞬間のダイナミズムを表現しています。