第六號

特集「音」 2000年3月


表紙の言葉


音は時に身体に触れる。空気を震わせて伝わるからか。でも身体に触れない小さな音でも見えることがある。

なぜだろう。そんなことから表紙ができた。



◇作品解説


微細な音の変化を捉え、視覚的なパターンへと変換する「サイマティクス」と呼ばれる手法があります。かつて山口が傾倒したアート・アンド・テクノロジーの先駆者ジョルジュ・ケペッシュも、この仕組みを応用した作品を発表するなどしています。波長の中に潜む音の微粒子は時として美しい抽象的なパターンを描き出し、人々を魅了します。本號で描かれているのも、そうした微細な音の粒子だと思われます。