劇団員コラム

シーン67『石油ストーブ』 赤石 マサエ

 世の中には、便利なものがたくさんあって、私達の生活をより快適にしてくれています。家電はその代表選手。半年毎に新製品が出る勢いで、機能満載なキカイが次から次へとお目見えします。


 情けないかな、そんな流れになかなか付いていけない私。こののぞき穴とか、パンフに載せる原稿なんかは、B5の400字詰ヨコ書き原稿用紙(愛用品)に、万年筆かボールペンで下書きしてからメールで送っています。直接Wordで、とかムリムリ。頭の中とパソコンは繋がらないのよ(心はもっと繋がらない!)。ちなみにメールも面倒くさいときは、FAXが大活躍。断然早い。


 電子レンジだって、うちでは「あたため」機能くらいしか使われていません。レンジはレンジ、オーブンはオーブン、オーブントースターはオーブントースター。みんな役割が決まっているので、それぞれ必要なんです。…ムダ?


 という、アナログに未練たっぷりな私が特に好きなのは、石油ストーブ。これは、①部屋が温まる、②お湯を沸かせる(加湿器代わり)、③煮物を作ると旨い、とアナログなのに多機能なスグレモノです。昔はさらに④スルメや干し芋をあぶる、⑤焼き芋を作る、というのもやっていました(赤石家調べ)。③の中でも特に、「小豆」と「おでん」がよろしいようです。


 昔ながらのものって、意外といいんですよ。オシャレなデザインの最新のものもステキかもしれませんが、「おばあちゃんちにあった」的なものも、とてもステキです。と、堂々と言いたいのですが、これは、「おばあちゃんち」のこどもの、負け惜しみでしょうか。