劇団員コラム

シーン56『演じることが好きだった?(その参)』 東 勝

 (その弐からの続き)


 大学時代。あいかわらず、一つの事に絞れず、色々なことをやってみたかったため、幾つかの活動をしていた。合気道部と某運動部(以下▲▽部。ちなみに▲▽部に所属している事はワケあって皆に内緒にしていた。)、そして子供たちに携わるボランティア活動である。2年間くらいはすべて頑張っていたが、その後、ボランティア活動に力を入れ、他の活動をおろそかにし始めてしまったため、2つの部活はやめることになるのだが・・・。しかし、全ての活動において「演じる」ことについて忘れられない経験もできた。その話を(あいかわらず自己満足であるが)また語りたいと思う。


 春先、部活動紹介というのが新入生にむけて催される。2年時、私は所属部員として、所属していた2つの部活の説明会に参加した。まず合気道部。当時「セガサターン」というゲーム機が発売され、TVで藤岡弘が「セガタ サンシロウ」という役で、道着を着て「セガサターンしろ!」と熱く語るCMがあった。それをモジった「アイキ ドウシロウ」という役をおおせつかった。内容はこう。『江戸の時代、とある一室で悪代官と越後屋が私腹を肥やしていた。お決まりの「越後屋、お主も悪のよう。いっひっひ。」越後屋が「これっ」と手を叩くと、一人の生娘が強引に部屋に連れてこられる。そこで女は帯をほどかれ、回転しながらお決まりの「あ~れ~。誰か助けて~」。そこへ障子を蹴破って、「アイキ ドウシロウ」登場。 バックコーラス「♪アイキドウシロウ♪アイキドウシロウ」が歌われる中、悪人どもを合気道の技で倒していく。そして決め台詞。「合気道しろ!」。そのまま去っていく。取り残される女・・・。』


 正直技が下手でテンパっていたが・・・おもしろかった。そして▲▽部。秘密にしていた部活のため、顔は出せない。悩んだ挙句考え付いたのが、ヒーローものだった。だって仮面があるじゃない!できるだけおもしろくリアル感を出したかったため、自分で作りました。顔だけでなく頭をすっぽり覆えるものを。 細かく話したいけど文章では伝えづらいし、自分の名誉のため、今回は断念します。で、たった数分の劇でしたが、演出・脚本・出演しましたね~。ばれちゃいけないドキドキ感も加わり、おもしろかった!(続く)