劇団員コラム

シーン55『邦画を観る。』 りょーじ

 突然ですが、芸術の秋です。皆さん、芸術っぽいことしてますか?

僕はと言いますと、最近、映画鑑賞にハマっています。趣味、とまで言ってしまうと映画好きの方に怒られてしまう程度なのですが。今年に入ってから、映画館にどれくらい観に行ったのかと振り返ってみると、20弱の作品を観ていました。そのほとんどが邦画。先日は竹中直人監督・主演「サヨナラCOLOR」を観て来ました。うん。サスガ、竹中直人。とても個性的で魅力的。


 子どもの頃は邦画なんて、ほとんど観ませんでした。邦画を目にする機会自体が少なかったこともありましょうが、ハリウッド映画なんかと比べて邦画って、どうしても規模が小さくなってしまって、当時の僕にとっては「せせこましい」と感じられてしまう対象だったようにも思い出されます。かといってハリウッド映画が好きだったかと言われれば、そうでもなかったのですが…。


 年を経て、二十歳を越えたあたりでしょうか? 邦画がとても魅力的に感じられるようになりました。特にいわゆるミニシアター系と称されるような作品たち。あくまでイメージですが、創り込んだ小劇場の芝居に似た空気観を感じます。派手さに替わる価値としての繊細さが、そこにはまざまざと感じられます。 演劇を初めてからは、日本人独特と言って良いのかも知れないそのような感性に触れることもまた、演劇創りのイマジネーションを育てるトレーニングとして、意識するようになりましたね。


 邦画には他にもいろいろと魅力的な点はありますが、紙面の関係でそれはまた後ほど。芸術の秋。邦画に限らず、皆さんも意識して芸術に触れることをオススメします。差し当たって、来週の公演「ビューティフル・サンデイ」、是非!