劇団員コラム

シーン410今度は読書家』 宮野 圭輔

 私は、落ち着きがなく、集中することも苦手なので、よくないな、と思いつつ、常に「ながら作業」で生活しています。

 車を運転するときは音楽かラジオが欠かせないですし、庭で作業をするときもイヤホンでYouTubeの音声だけ流してたりします。時々プールで泳ぐときには、さすがにながら作業で泳ぐことはできないのですが、脳が暇になってしまうので、頭の中で音楽を流したり歌ったりしながら泳いでいます。このコラムも、音楽を聴きながら書いています。特段、「音楽が好き!」というわけではないのですが、一つのものだけに集中するのが、苦手なんです。


  スマートフォンを買ってからは、容易にインターネットにアクセスできるのでついつい、片手間にいじってしまっています。お風呂に入るときにもいじったりなんかして、最近シブパでやったお芝居のセリフで「あの人防水のスマホをお風呂場にまで持ち込んでるのよ」みたいなのがあって、自分のことかと思ってドキッとしました。


 さて、そんな私ですが、以前シブパの劇団新聞「ぷるっくい」の「今度は○○家」というお題に、「今度は読書家」と答えていたのですが、なかなか本を読めないでいました。本を読まなきゃなあと思いつつ、ついつい他のことをして時間を浪費してしまう。後ろめたいような、めんどくさいような、複雑な気持ちでした。

 そこで思いついたのが「お風呂で本を読めば良い」ということでした。やり方は簡単です。

①お風呂の蓋を半分閉めたままにする

②タオルを敷く

③そのうえで本を読む

以上です。紙の本をお風呂で読むと濡れるのが心配ですが、書店でかけてもらえる紙のカバーをつけておけば、案外気になりません。一日の中で「お風呂は本を読む時間」と決めておくと、他の時間に読まなくても、全然気にならなくなりました。スマホで電子書籍を読むのでもいいのですが、それだと結局一日中電子機器をいじっていることになってしまうので、お風呂の中では「紙の本」というのが、切り替えになっていいな、と思います。


 そんな生活を続けて、今は大体月に2冊くらいのペースで本を読んでいます。これはもう、「読書家」といってもいいんじゃないかな、と思っています。日々の忙しさの中で「なかなか本を読む時間が取れないよ」という方、「お風呂で読書」一度試してみてはいかがでしょうか。