劇団員コラム

シーン390夢?』 沢村 希利子

最近、夫がよく寝言を言います。寝相も悪いです。

もともと寝言はよく言うし、寝相も悪いのですが、ここ数日は拍車がかかっているといいますか。

疲れて眠りが浅くなってるのかな、大丈夫かな、と思う反面、大きな声で

「うん、たぶん、空間にひずみが生じてるんだ!」

などと言い出した時なんかは、つい爆笑して起こしてしまったり。

どんな夢を見ているのでしょうね。


夢といえば、私には定番の夢があります。

ゾンビに追われる夢です。

眠っている最中にトイレに行きたくなっている時は、たいていゾンビに追いかけられています。たまに捕まります。

もう20年くらいの定番です。


睡眠科学の世界では、夢はその人の記憶と強く結びついていると言われています。

睡眠中は、脳内に蓄積された記憶の整理が行われ、その過程で、映像のように記憶のイメージが夢として反映されているんだとか。

また、よく夢を見る人は、起きている間に脳が活発に動いている人が多いといわれています。

日中の活動で脳が刺激を受ければ受けるほど、睡眠中にその記憶を処理する必要があるためです。

また、科学的に証明されてはいないようですが、起きている間に、より能動的な刺激を受けた方が、夢を見やすくなるそうです。

つまり、人と会話したり、自分から何かを発信することで脳を刺激した方が、睡眠中に処理すべき記憶が蓄積されやすく、夢を見やすくなるということです。


夢は、脳が記憶を整理する過程で生まれる、副産物のようなもの。

たくさんの記憶の中にあるものが断片的に編集されたものであるため、その人にとって特に印象的な記憶や、気にしていることが色濃く反映されます。

自分では気にしていないつもりだったり忘れていたはずでも、とても傷ついた記憶や、楽しみにしていること、願望、恐れていることなどが夢になって出てくる場合があるのです。


そういった感情や記憶が、ファンタジックな夢となって表れるなんて、人間てなかなか素敵な生き物だなと思うんです。

だから夢占いとか夢判断って、面白いんですよね。

で、前述のゾンビの夢、あまりにも長期に渡って見るので、一度だけネットで検索してみたことがあるんです。

そこには大きく一言、こう書いてありました。


「現実逃避」


…なるほど。

と、なんだか妙に納得したのと同時に、他にもゾンビに追われる夢を見る人がいることに衝撃を受けたのでした。


それでは、今夜も良い夢を。